< 承前 >
平濱八幡宮を後にして、県道192号線を南西へと進む。国道9号線(松江道路)の高架下を潜ると、道は県道247号線になり、更に150m程行くと右手に出雲国分寺跡がある。
礎石を残すのみにてタンポポが風に揺れているばかり。
八雲立つ 出雲八重垣 大寺の 跡吹き行きぬ 蒲公英の風
(偐家持)
やくもたつ いづもやへがき おほてらの
あとふきゆきぬ たんぽぽのかぜ
(島根県公式サイト「 出雲国分寺
」より転載)
(推定復元図・ 同上
)
国分寺跡から県道247号線を西へ。次に目指すのは山代郷正倉跡、八重垣神社である。
西に向かって走ると正面に小山が見える。茶臼山である。地元の方はこの山を「かんなび山」と呼ぶそうであるが、かんなび山とは神南備山、甘南備山、神無火山など色々に表記される、神のいつく山のことである。全国各地にその土地ごとの「かんなび山」がある。出雲国風土記では宍道湖を囲むようにして4つの神南備山が記載されているそうで、その一つがこの茶臼山であるとのこと。因みに他の3つは仏経山、大船山、朝日山である。
さて、県道247号線は茶臼山に沿うようにして大きく南に蛇行する。その茶臼山の南面、東寄りに真名井神社という古社があったので立ち寄る。
(真名井神社) <参考> 真名井神社・Wikipedia
「真名井」と言うと古事記の「天之真名井」。アマテラスとスサノヲがウケヒ(宇気比)して宗像三女神やアメノオシホミミ以下五男神を生む舞台となるのが、高天原にある神聖な井泉、天之真名井である。真名井は、天之真名井に限らず、神が示現する場所または祭儀の場所にある神聖な泉や井の呼称であったのであろう。
真名井神社から県道247号線を西へ500m程行った処にあったのが、山代郷南新造院跡。真名井神社同様にこれも予定外の立ち寄りである。奈良時代の寺院跡であるが、詳細は下の説明板の記述に委ねることと致します。
そして、山代郷正倉跡です。
正倉とは税として納められた米を貯蔵保管した倉庫のことで、全国の各郡に置かれたものである。
<参考> 出雲国山代郷遺跡群
・Wikipedia
正倉跡から西へ1km余。坂道を下った交差点を左に、緩やかな坂を400m程上ると八重垣神社である。この神社の境内に古事記歌謡の歌碑があるというので、立ち寄ってみることにしたもの。
神社の向かい側、道路を挟んで、夫婦椿なるものがありました。
この椿は、クシナダ姫がスサノヲとの夫婦の愛の証しとして植えた2本の椿がいつしか交わって1本の木になったとされるもので、資生堂の花椿会はこの玉椿に由来するものだそうな。
そんなこともあって、八重垣神社は、恋愛成就のパワースポットとして女性には人気の神社だそうな。まあ、そんなこととは露知らぬヤカモチ、八雲立つ・・の歌碑があるというだけでやって来たのであります。今更、縁結びも恋愛成就もあったものではないのでありますな(笑)。
「連理の枝」と来れば「比翼の鳥」でありますな。比翼連理の意味は各自辞典でお調べ願うことと致しましょう(笑)。白楽天の長恨歌にも「天にありては比翼の鳥となり、地にありては連理の枝とならん」とありて候。
古事記歌謡歌碑までは至らず、今回はここまでです。( つづく )
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