本日は大学の同窓会・青雲会の幹事会。来月の青雲会総会を控えての直前の幹事会ということで、小雨の中、出席して参りました。「青雲のたなびく日すら小雨そぼ降る」は新潟の弥彦山であるが、大阪の青雲開かるるこの日も「小雨そぼ降る」でありました(笑)。
幹事を引き受けて十数年になるが、小生が同窓会の役員に引っ張り込んだに等しい同期の黒◎君が今は事務局長をやってくれているので、小生も幹事を辞めることが出来ぬまま今日に至っているという次第。
青雲会交流センターは裁判所の近くにある。青雲会囲碁の会場として、既に何度か当ブログでは紹介済みである。午後6時半からであったが、最寄駅の地下鉄御堂筋線淀屋橋に着いたのは5時20分頃。喫茶店で時間を潰してから行く心算でいたので、予定通りの行動。
地下鉄の駅から地上に出て御堂筋を北へ。
土佐堀川に架かる淀屋橋を渡り、大阪市役所の前を過ぎて堂島川に架かる大江橋に差し掛かった処で、前を目がご不自由と見られる男性が白い杖をコツコツ言わせながら、心もとない足取りで歩いて居られるのが目に止まる。丁度退社時間にもかかっていて人の流れは駅へと向かっている。歩道を走って来る自転車もあったりで、その流れと逆行する形で進むのは見ていて何やら危なっかしい感じ。
ちょっと放って置けない気がして、声を掛ける。
「どちらまでいらっしゃいますか?」
「アメリカ領事館の先までです。」
小生は橋を渡って直ぐに右に入った処にある喫茶店に入るべしであったのだが、領事館は直進して少し先まで行かなければならない。しかし、時間にも余裕があり、領事館はそう遠くもないので、
「わたしもその方向に参りますから、ご案内しましょうか?」
「助かります。」
ということで、彼に小生の左腕を取らせ、誘導することとする。
男性は目が不自由になって10年余になるらしいが、全く見えないのではなく、ぼんやりとは見えているらしい。しかし、薄暮の時間帯は、今日はおまけに雨が降っていることもあって、一番見えにくいとのこと。
目的地はと聞くと、蕎麦屋で「なにわ翁」という店だと言う。アメリカ領事館の先の老松通りを右に行った処にあると聞いて、やって来たのだと言う。
「もう治らない病気で、完全に失明するのも時間の問題。少しでも見えている間に行きたい処には行ってみようと思って・・。」と男性。
御堂筋の歩道には点字ブロックがあるが、老松通りはそんなものは無い。目の御不自由な方には歩き辛い道である。そんな道を歩きながら、店の場所も、しかとは分らぬのに、一人で出掛けて来るなんて無茶なのでは、と思ったりもしたが、彼にとっては、目が不自由というのは日常。であれば、それをものともせず出掛けるということをしなければ、日常生活は成り立たない。彼にとってはこれも訓練みたいなものであるのかもしれない。であるならば、小生の親切は「余計なお世話」ということにもなるか、などと思いながら、彼と歩く。
御堂筋と違って老松通りは歩道も狭く、車道と歩道の境目に高さ1m位の金属柱が数m置きに立っていて、彼と並んで歩くのは危なっかしい。小生の背中のザックを持って貰って縦に並んで歩くことにするが、その金属柱に彼が体をぶつけたりしないように気を配らなくてはならない。向かいから来る人にも注意しなくてはならない。なかなかに誘導も大変である。目の不自由な方が安心して歩けるような構造にはなっていないことを、痛切に感じる。日頃はそんなことを考えもしないのであるが、こうして行動を共にすれば、直ぐにそれが体感される。
時には、車椅子を押したりすることも、白い杖を手に、いささか心もとない動きをされている方を見掛けたら声をお掛けして介添えしてみることも、そのようなハンディをお持ちの方の目線で、ものを見る、ものを感じる、ということが出来ることとなるので、いいことだと思う。
漸くに、「なにわ翁」と看板表示のある蕎麦屋さんに着く。思ったよりも距離があったので、途中でその在り処を尋ねたりしたものであった。
「はい、着きましたよ。」
「有難うございました。」
彼は店の中に消えて行きました。
彼と別れて時計を見ると5時45分。予定していた馴染みの喫茶店まで引き返し、珈琲。30分足らず休憩してから交流センターに向かう。定刻の少し前にて丁度よい時間。
今年から青雲会会長も三◎氏から野◎氏に引き継がれ、今年の総会は新会長にとって最初の総会。その野◎新会長が議長となって、役員、幹事20名ほどの出席で、幹事会の議事はテキパキと進められ、終了。二次会の懇親会は、大阪駅前第一ビルの地下にある「但馬」という店の一室にて開催。
写真がピントのずれたものになっていますが、酔っていた訳ではありません。手早くパチリと撮ったらこんな風に写っていたという次第。腕もカメラも悪いのでありました。
副会長の松◎氏が何くれとお世話役をされていましたから、彼の馴染みと言うかお知り合いのお店のよう。
懇親会は大いに盛り上がり、楽しく賑やかなことでありました。中締めは9時を過ぎていました。散会後、大先輩の三◎幹事長が珈琲を、と仰るので同期の黒◎君と小生とがお付き合いすることに。10時を過ぎた処で帰途に。帰宅は11時を20分ほど回っていました。
梅雨本番 但馬の梅田 青雲の
集ひのこの日 こさめそぼ降る (偐家持)
(本歌) 伊夜彦 おのれ神さび 青雲の
棚引く日すら 小雨そほ降る
(万葉集巻16-3883)
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