偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2013.10.04
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カテゴリ: 銀輪万葉

  本日は、大学同期の楽老君と道◎君と京都駅烏丸口で待ち合わせ、ランチでデートでありました(笑)。
  横浜在住の楽老君の兄上が大津にいらして、その兄上宅に所用あってこちらまでやって来たついでに昼飯でも一緒に喰おうという同君の誘いで、京都在住の道◎君と小生がそれに乗ったという次第。
  楽老君とは今年4月23日以来の再会。道◎君とは5月31日以来。ブログのお陰でそういうことが分かるので便利。
  京都駅到着が10時20分。待ち合わせ場所には待ち合わせの11時よりも30分も早い10時半に到着。小生が一番乗り。やがて楽老君が現れ、続いて道◎君到着。駅ビルの屋上庭園から京都市街を眺めた後、8階の食堂街へ。11時を少し過ぎた位なので、どの店も空いている。楽老君が「ここがよかろう。」という「おばんざい京百菜」という店に入る。

京都駅 (JR京都駅烏丸中央口) <参考> 京都駅 ・Wikipedia

  京都駅は梅田スカイビルを設計した原広司氏の設計なので、両者は何となく似た雰囲気を持っている。

京都駅 (2) (京都駅ビル大階段上から2階自由通路を望む。)

  1時間余のランチタイム。12時半に両君と別れ、小生は銀輪散歩に。実は折りたたみ自転車トレンクルを持ってやって来ていたのでありました。
  当初は、京都駅から自転車で走るつもりでいましたが、時間が読めないこともあって、気が変り、JR奈良線で伏見区、宇治川近くの六地蔵駅まで電車で行くこととする。
  目的地は、石田の杜(天穂日命神社)、醍醐寺、朱雀天皇陵、醍醐天皇陵である。

石田の杜 (12) (石田の杜・天穂日命神社東側正面参道)

  石碑に「万葉遺跡」とあるように、「石田の杜」は万葉集に登場する古い神社なのである。現在は、天穂日命神社というのが正式な名称となっているが、古くは石田神社、田中神社などとも呼ばれたらしい。
  地下鉄東西線が山科から南へと延びて来る通り(府道)に面して神社はある。地下鉄石田駅から南西100m位の位置にある。

石田の杜・ 石田の杜 (5)・天穂日命神社
(南側脇入口)           (天穂日命神社説明板)

  六地蔵側から北東方向に府道を上って行くと、道の左手に先ず目に入るのが、脇から入る路地の入口に建てられた小さい石碑「石田の杜」である。うっかりしていると見落としてしまうような位置と大きさであるが、これを見落としても大丈夫。更に5~60mばかり行くと正面参道の入り口に建てられている大きい「石田の杜」の碑に出くわす。これを見落とす奴は居るまい。
  うっかりヤカモチも今回は小さい方の碑でそれと気付き、細い通路を入って行きました。鳥居の前で広い正面の参道に出る。

石田の杜 (4)・天穂日命神社 (天穂日命神社)

石田の杜 (2)・藤原宇合歌碑 (藤原宇合歌碑)

  正面鳥居脇に歌碑が2基建てられている。藤原宇合の歌碑と順徳天皇の歌碑である。宇合の歌碑の歌は、万葉集巻9に宇合の歌3首として掲載されているうちの1首である。

山科の 石田の小野の ははそ原 見つつか君が 山路越ゆらむ
                     (藤原宇合 万葉集巻9-1730) 
  (注)ははそ=柞。ブナ科のコナラの木のこと。

  この歌の次に掲載されているのが下記の歌。

山科の  石田 ( いはた ) の杜に  ( ぬさ ) 置かば けだし 我妹 ( わぎも ) に  ( ただ ) に逢はむかも
                          (同上 同巻9-1731)

(

  上の1730番の歌は「君が山路越ゆらむ」とあるように、「君」とは男性を指して言う言葉であるから、女性の作った歌と考えるのが普通。女性が旅行く夫か恋人のことを思って詠んでいる歌である。宇合の作ではなく、宇合の妻か恋人が詠んだものが間違って宇合作として掲載された可能性がある。まあ、宇合が洒落っ気のある御仁にて、1731番の歌を詠むついでに、相聞歌風に仕立てた方が面白かろうと、女性側の歌まで作ってしまった、という可能性もなくはないですが。

石田の杜 (3)・順徳院歌碑 (順徳院歌碑)

  石田の杜は奈良街道の西250m位の位置にある。
  今は住宅などが建て込み、間に地下鉄が走る府道が通っていて、奈良街道とのつながりを感じにくくしているが、古代にあっては奈良から山背を経て近江へと向かうため奈良街道を通る旅人にとっては、逢坂山を越えて行くに当って、先ず旅の無事を祈願する場所であり、奈良街道にとって大切な場所でもあったのだろう。
  そんなこともあって、万葉の頃から歌枕となっていたのであり、後世の人もそのような場所として逢坂山と並んで石田の杜を歌枕にして行く。順徳さんもその一人である。

ひぐらしの 涙やよそに 余るらん 秋と石田の 森の下風 (順徳院)

  この歌がいつどのような状況下で詠まれたものか知らないが、順徳院と言えば、父後鳥羽院の「承久の変」に連座して佐渡に流されたお方。佐渡にある真野御陵はこの方のお墓。佐渡へと流される旅の途中で詠んだ歌だとすれば、その趣も一層深いものとなるが・・。

石田の杜 (6)・天穂日命神社本殿 (天穂日命神社・本殿)

石田の杜 (9) (本殿から鳥居方向の眺め)

  往時は、もっと広大で深い森であったのだろうと思われるが、市街の中にこのように樹林が残っているのは嬉しいことである。

石田の杜 (11) (境内奥から東方向を望む。)

山背 ( やましろ ) の  石田 ( いはた ) の杜に 心 ( おそ ) く  手向 ( たむけ ) したれや  ( いも ) に逢ひがたき
             (柿本人麻呂歌集 万葉集巻12-2856)
 (注)こちらの「石田の杜」は八幡市にある式内社石田神社だという説
    もあるようです。

石田の杜 (10) (本殿向かいの社殿)

石田の杜 (8) (神社の東側、日野通りと奈良街道を結ぶ路地にある灯籠と碑。
 灯籠には「田中社」とある。合祀されていた田中明神は明治41
 年に木幡の許波多神社に遷座されたそうな。)

  さて、これより醍醐寺に向かいます。

山科川・新小岩橋から上流を望む (山科川。新小石橋の上から上流を見る。)

  その前に山科川にご挨拶して行く。正面の手前の低い山が北端山。その右後ろの山が高塚山、その奥が音羽山であろう。音羽山の左奥には逢坂の関があり、近江・琵琶湖へと繋がっているのである。
  どうやら、文字数制限のようです。続きは明日です。( つづく






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最終更新日  2014.03.28 16:08:39
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