( 承前 )
本日は奈良市と城陽市の山部赤人歌碑を訪ねての銀輪散歩です。
1月12日の日記の続編になります。
先ず最初は、奈良県護国神社の北側の老人ホーム和楽園の門の前にある赤人歌碑を訪ねる。
春の野に すみれ摘みにと 来しわれそ 野を懐かしみ
一夜
寝にける
(山部赤人 万葉集巻 8-1424
)
<春の野にスミレを摘みにやって来た私だが、野に心惹かれて、一夜泊ってしまったよ。>
この歌は女性を菫に喩えて詠んでいるとのことだが、まあ、素直に菫の花を摘もうとやって来て春の野に野宿してしまった風流人・赤人さんということにして置きましょう。
小雪舞ふ 冬野にあれば 赤人の 真似もかなはじ ヤカモチわれは
(偐家持)
事前の調査では、城陽市寺田正道にある史蹟正道官衙遺跡公園にも赤人の歌碑があるとのことなので、次にそれを訪ねることとしました。
正道官衙遺跡はJR奈良線城陽駅の北東800m位の処にある。
奈良時代に設置された、久世郡の郡衙(郡役所)跡と見られる。
詳しいことは上の写真をクリックして拡大サイズの写真で説明をお読みいただくこととし、下手な訳知り顔の説明はしないで置きます(笑)。
(同上)
庁屋の背後(北側)にあるのが副屋。藤棚になっている。
副屋の裏(北側)にあるのが正倉。
副屋が藤棚になっているということで、赤人の歌碑は此処にありました。
この地と関係しての歌ということではありませんでした。
この公園には植栽に関連してこのような万葉歌碑が沢山設置されていました。石に彫られた本格的なスタイルの歌碑ではありません。
この手の歌碑ならわざわざ訪ねて来ることもなかったのですが・・。
多くの歌碑のある中に家持さんの山橘の歌碑もありましたので、これだけは撮影しました。昨日の日記で取り上げたばかりの歌でもありましたので(笑)。
恋しければ 形見にせむと わが屋戸に 植ゑし藤波 いま咲きにけり
(山部赤人 万葉集巻8-1471)
<恋しいので形見にしようと、わが家に植えた藤が、今咲いたなあ。>
正道官衙遺跡公園の入口に、この地に関連する万葉歌を列挙した碑がありました。
古代の山城(山背)の道が通るこの地。人麻呂も赤人も、そして越中へと向かった家持も、近江京へと移った天智天皇も付き従った額田王も、皆この地を通ったのであってみれば、万葉に多くの歌があって当然でありますな。
では、ことのついでと、久世の社、鷺坂にも立ち寄って参りましょう。
山代の 久世の鷺坂 神代より 春は張りつつ 秋は散りけり
(柿本人麻呂歌集 万葉集巻9-1707)
久世神社から少し北に行くと平川廃寺跡がありました。
本日はこれまでとします。
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