本日は、銀輪散歩で見掛けた植物。この時期ですから花散歩とは参らず、枯葉や実を見つつの「花散歩」であります。
先ずは「枯れススキ」です。
ススキの穂と青い空、雲。
何となく 心惹かるる 心地して すすきの穂波 さやぐ道ゆく (偐家持)
(同上)
ススキの穂は色んな表情を見せてくれて、見飽きない。
この辺りの穂は寝乱れ髪のそれでしょうか。
さやかに風も吹いている。
今日は好い天気だ。
ススキの穂が心細そうに揺れている。
中原中也なら、揺れているのは縁の下の蜘蛛の巣なんですが、
ここは野原のススキということにして置きます
同じ穂でもセイタカアワダチソウになると、ちと暑苦しい。
たしかに、この穂を目にすると「泡立ち草」という名が首肯される。
次はヘクソカズラの実。
何と言うこともない実であるが、逆光で見ると、なかなかに美しい。
万葉でも「屎葛・くそかづら」と呼ばれていますから、この気の毒な名前は古代から既にしてそうなのである。現在は「屎」に「屁」までくっついて、更にも酷い状況であります。
木漏れ日に 光れる玉を 何なると
人はな問ひそ くそかづらの実 (偐家持)
次はグミ。
グミは、この時期に色づくのでありましたか。
小鳥たちにとっては、冬場の願ってもないご馳走でありますな。
最後はカクレミノ。
( カクレミノ
)
カクレミノには色んな別名があるが、その一つがミツナガシワ。
小生の記憶が正しければ、仁徳天皇の皇后、磐之媛が熊野へ出掛けた目的がこのミツナガシワを持ち帰ることであったかと。神事に使うサカキでもあったのであろう。その留守中に仁徳さんは別の女性を宮中へ引き入れていました。それを知った磐之媛はミツナガシワを海に投げ捨て、淀川を遡上、山城の筒城岡(現在の京都府京田辺市)に宮を造り、そこに引きこもってしまう。仁徳の詫びにも迎えにも応じず、その地で没する。
万葉集第2巻冒頭の4首は彼女の歌である。
君が行き 日
長くなりぬ 山たづね
迎へか行かむ 待ちにか待たむ (万葉集巻2-85)
かくばかり 恋ひつつあらずは 高山の
磐根し 枕
きて 死なましものを (同巻2-86)
ありつつも 君をば待たむ 打ち靡く
わが黒髪に 霜の置くまでに (同巻2-87)
秋の田の 穂の 上
に霧らふ 朝霞
いづへの方に わが恋やまむ (同巻2-88)
<参考>2016年12月21日の日記
富良野での個人宅除雪サービス・プロジェクト
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