偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2017.07.03
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 今日は或るブロ友さんの手術の日である。
 手術が首尾よく成功し、お元気になられることを祈ります。

 さて、昨日の日記で、墓参の帰り道は「花散歩」と言うよりも「虫散歩」であったと申し上げましたが、今日はその虫散歩の記事といたします。
 先ずはトンボです。

シオカラトンボ (4)
(シオカラトンボ)
<追記>
 addzさんからこのトンボはシオカラトンボではなくオオシオカラトンボであるとご教示いただきました。調べてみるとその通りです。そもそも、シオカラトンボと別種のオオシオカラトンボというトンボがいるということを知らなかったので、単純にシオカラトンボとしていましたが、複眼の色が青緑色ではなく黒褐色であることなどオオシオカラトンボであることが明白なので謹んで訂正させていただきます。(2017年7月27日追記訂正)

 トンボは漢字で書くと「蜻蛉 」。この字はカゲロウとも読むが、トンボとカゲロウは漢字を共有しているのである。もっとも、カゲロウは「蜉蝣」という漢字表記もあるから、今は「蜻蛉」と書けばトンボを指していると言うべきか。平安時代の頃は空中を浮遊する虫を、トンボも含めて「かげろう(蜻蛉)」と呼んでいたよう。だから、蜻蛉日記は、かげろう日記であってとんぼ日記ではないということになる。
 トンボの古名は「あきつ」である。
 日本書紀雄略天皇4年秋8月の条の、雄略天皇吉野行幸の記事に、8月20日「河上の小野に幸
(いでま) す。虞人 (やまのつかさ) に命 (みことのり) して獣 (しし) (か) らしめたまふ。躬 (みづか) ら射むとしたまひて待 (お) ひたまふ。虻、疾く飛び来て、天皇 (すめらみこと) の臂 (みただむき) をくふ。是 (ここ) に、蜻蛉 (あきづ) 、忽然 (たちまち) に飛び来て、虻を齧 (く) ひて将 (も) て去 (い) ぬ。」ということがあり、天皇はトンボのような昆虫までもが私に奉仕していると喜び、その記念として蜻蛉嶋倭 (あきづしまやまと) という名を付けて残そうと宣言、「因りて、蜻蛉を讃 (ほ) めて、此の地 (ところ) を名 (なづ) けて蜻蛉野 (あきづのをの) とす。」とある。

シオカラトンボ (3) シオカラトンボ (2)
(同上)

シオカラトンボ (1)
(同上)

 さて、このシオカラトンボであるが、これは全てオスである。メスは下のようなトンボ。ムギワラトンボである。オスも最初はムギワラトンボと同じ黄色模様なのであるが、成熟したオスになるとこのように塩っ辛くなるという次第。
 昨日は運よくシオカラとムギワラの両方を撮影することができました。

ムギワラトンボ (ムギワラトンボ)

 雄略天皇に褒められたトンボであるが、それは肉食昆虫にて、他の虫を捕食するということのゆえである。雄略さんは「虫までもがワシに敬意を払い奉仕して居る」と自讃したようですが、手のこむらにかぶりついた虻も虫なのだから、虫全般にまで広げて言うのは、言い過ぎ、我田引水、ご都合主義、ええとこ取り、と言うものである。
 虫には草食系のものもいる。むしろ、草食系の虫の方がはるかに多い。それらは農作物を食い荒らすとして「害虫」の汚名を着せられているのが普通である。テントウムシもそうで、肉食系のテントウムシはアブラムシなどを退治してくれるので「益虫」であるが、草食系のテントウムシは名前まで「テントウムシダマシ」と呼ばれて「害虫」なのである。
 まあ、こんな風に葉を食べ散らかすのですから、害虫と呼ばれても仕方ないですかね。

テントウムシダマシ (3) (テントウムシダマシ)

テントウムシダマシ (2) テントウムシダマシ (1)
(同上)

 喰い散らかすと言えば、このような幼虫も然りである。
 何の幼虫かは知らねど白い虫。白い恋人ならぬ白い幼虫である。
 これを可愛いなどと言うと「黒い変人」にされそうですから、止めて置きます。

白い恋人ならぬ白い幼虫 (白い恋人ならぬ白い幼虫)

 そして、小さな蜂と蛾。ハチはハコベに、蛾は葛の葉にとまっていましたが、どちらも見落としてしまう小ささでした。

小さな蜂 (小さな蜂)

蛾の仲間 (蛾の仲間)

 蛾も種類が多過ぎて、その名前などは殆ど知らないのであるが、ツトガ 、ホソガ、ホソハマキモドキガなんかの仲間かも知れない。
 そしてカメムシも見ました。ネットで調べると、ブチヒゲカメムシのようです。

ブチヒゲカメムシ (2) (ブチヒゲカメムシ)

ブチヒゲカメムシ (3) ブチヒゲカメムシ (1)
(同上)

ブチヒゲカメムシ (4) (同上)

 以下は、昨日の撮影ではなく、もっと以前に撮影したものがマイピクチャに残存していましたので、「虫散歩」に協賛出演であります。
 見えぬものでもあるんだよ、ではないですが、ホソムギの穂の写真を拡大してみると、こんな虫の姿がありました。
 アブラムシだかダニだかよくわかりませんが、野草は気を付けないとダニなどの微小の虫を家に持ち込むことにもなりますので、採取したらよく気を付けて見たり、水でよく洗うこととしましょう。

ホソムギの穂にいたダニのような虫 (ホソムギの穂にいたダニのような虫)

 そして、見えないと言えば、アワフキムシです。アワフキムシの幼虫はこのような泡を出して、この中に身を潜めているのである。

アワフキムシの巣 (2) アワフキムシの巣 (1)
(アワフキムシの巣)

 トンボの後、妙な虫ばかり続きましたので、お口直しに蝶です。何処にでもいるモンキチョウです。仏の座を狙う蝶というのが、ちょっと面白いかと撮りました。

モンキチョウ (2) (モンキチョウ)

 下右のミノムシは随分以前の撮影です。蓑虫と言えば冬の季語、確かに随分の厚着ですから、この虫暑い、じゃなかった、蒸し暑い夏の日記に出すものではない、でしょうね。しかし、ミノムシはミノガという蛾の幼虫ですが、メスは成虫になってもこの蓑の中で生涯暮らすようですから、蓑の中は案外冷房がきいていて快適なのかも知れませんよ。

モンキチョウ (1) 蓑虫
(モンキチョウと蓑虫)

 本日は虫散歩でありました。
 ナニ?
 オチが無い?
 ちゃんと付けましたよ。
 実の無い話なので、最後にミノムシで蓑・ミノある話になったでしょ、という次第。






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最終更新日  2017.07.27 19:19:11
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