偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2017.09.07
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カテゴリ: 銀輪万葉

 滋賀県湖南市の三雲城址を訪ねて来ました。JR草津線の三雲駅下車、三雲城址へ。その後野洲川自転車道など野洲川沿いを琵琶湖畔まで走り、湖岸のさざなみ街道を南下、近江大橋を渡ってJR膳所駅まで。50km程度の銀輪散歩でした。

01三雲駅.JPG
(JR草津線三雲駅)※特大サイズ画面は コチラ

 三雲駅でトレンクル(上掲写真中央の小型自転車)を組立て、出発です。駅前を出ると直ぐに旧東海道である。左折して旧東海道に入るとこんな碑がありました。

02明治天皇聖蹟碑、三雲駅前.JPG
(明治天皇聖蹟碑)※特大サイズ画面は コチラ

 明治5年(1872年)から同18年(1885年)にかけて明治天皇の地方巡幸が6回実施される。明治新政府の政治が天皇の意を奉じたものであることを地方に示す必要があったのでしょう。地方行幸の最大規模のものが明治11年(1878年)の北陸東海巡幸。福井県から北国街道を通って滋賀県に入り、中山道を南下、東海道経由で京都に至り、京都から東京への還幸は、東海道から中山道経由で岐阜に至るというルートである。この聖蹟碑はこの折に明治天皇がこの地に宿泊または休憩されたということを示すものであるのだろう。
 大正8年(1919年)「史蹟名勝天然記念物保存法」が成立し、大正末期から昭和初期にかけて明治天皇関連遺跡の史蹟指定(明治天皇聖蹟)が本格化し、全国に300を超える聖蹟が誕生するが、太平洋戦争の敗戦によって状況は一変。昭和23年(1948年)6月末にその全てについて一斉に指定が解除される。既に建設された聖蹟碑などの取り扱いはその所有者、管理者の任意とされたことから、その多くが現在も残されているという次第。この碑もそうしたものの一つということになる。
(注) 2017年8月29日記事 で取り上げた北山十八間戸もこの史蹟名勝天然記念物保存法によって大正10年3月に史蹟指定されたものであることが、その碑文からわかる。
 やがて、このような面白い風景に出会う。

03大沙川隧道.JPG
(大沙川隧道)※特大サイズ画面は コチラ

 草津川もそうだが、この辺りは天井川が多い。この大沙川も天井川である。トンネルの上は川が流れている。

04大沙川隧道と弘法杉.JPG
(同上説明碑)※特大サイズ画面は コチラ

 で、土手に上がってみたが 川は流れていなかった。水が涸れている。

05大沙川.JPG
(大沙川)※特大サイズ画面は コチラ

 土手に弘法杉と呼ばれる杉の巨木があり、その下に小さな祠があって、弘法大師像が安置されている。
 その昔、弘法大師が通りがかりこの場所で食事をされたそうな。食事を終えて箸を地面に突き刺したら、その箸が成長してこのような杉の大木になったとのこと。箸ですから元々は2本の巨木が並んでいたそうな。1本が枯れてしまったので、二本杉が一本杉になっているとのこと。

07弘法杉.JPG(弘法杉)
※特大サイズ画面は コチラ

06弘法大師像.JPG
(弘法大師像)※特大サイズ画面は コチラ

 弘法杉から道路に下りて来ると、アマガエルが居ました。
 カンガエル アマガエルであります。
 コギト・エルゴ・スム (デカルト)
  <我思う 故に 我あり>
 ココニ・イルト・ムス (アマガエル)
  <我此処に 居ると 蒸す>
 やはり、未だ暑いようです(笑)。
 考えに考えた末の結論がこれ。
 こういうのを、カエルの考え休むに似たり、と申しますな。

08アマガエル.JPG(アマガエル)

 隧道を抜けて小さな公園だか広場だかの先で左折、山への坂道にとりかかる。住宅地を抜ける辺りから坂の勾配も急になってくる。坂を下って来た女性ハイカーとすれ違う。「頑張りますね。小っちゃ。」と言われる。前段は坂道をトレンクルで駆け上っている小生へのエール、後段は小さな自転車への感想。で、拍子抜けした訳ではないが、「さわがに滝」という表示があったので、自転車を停め、沢に下りてみるが滝らしきものは見当たらない。

10さわがに滝とトレンクル.JPG(さわがに滝)

09さわがに滝.JPG
(さわがに滝?)※特大サイズ画面は コチラ

 途中からトレンクルを押しながら行く。象にも犬にも見えるという奇岩にも出会いました。

11奇岩 (1).JPG
(奇岩)※特大サイズ画面は コチラ

11奇岩 (2).JPG

 そして、登城口に到着です。ここでトレンクルを駐輪して、徒歩で山道を登る。

14三雲城址登山口.JPG
(三雲城址・登城口)※特大サイズ画面は コチラ

12三雲城址案内図.JPG
(三雲城址案内看板)※特大サイズ画面は コチラ

 三雲城は、室町時代後期、長享2年(1487年)足利義尚に攻められた六角高頼が三雲新左衛門実乃に命じて築城させたと伝えられ、近江の戦国大名六角氏の宿老たる三雲氏の山城である。三雲氏は甲賀六家(青木、山中、隠岐、池田、和田、三雲)の一つ。六角氏の宿老として活躍する。この時代、甲賀武士たちは六角氏配下に属していた。
 元亀元年(1570年)織田信長に攻められ落城する。甲賀流忍者猿飛佐助は三雲城主三雲成持の甥の三雲佐助がそのモデルになっているという説もあるそうな。
<参考> 武家家伝・三雲氏
三雲成持 ・Wikipedia

13三雲城址遺跡説明碑.JPG
(三雲城址説明碑)※特大サイズ画面は コチラ
<参考> 近江三雲城/近江の城郭

 先ず道を右に取り、八丈岩に向かう。左の道を上ると城郭跡への直線コース。八丈岩経由で城郭跡へと回り道して行くコースもある。

16八丈岩 (1).JPG(八丈岩)
※特大サイズ画面は コチラ

16八丈岩 (2).JPG(同上)
※特大サイズ画面は コチラ

 八丈岩は、合格祈願の岩でもあるらしい。転げ落ちそうで落ちない岩の姿から「落ちない」と試験合格祈願の対象となったのでしょう。
 この岩は山裾の道からもよく見えている。従って、八丈岩からの眺望も素晴らしい。三雲の市街が一望である。

17八丈岩からの眺望.JPG
(八丈岩から三雲の市街を望む)※特大サイズ画面は コチラ

 八丈岩から回り込んで城郭へと向かう道の途中に展望台(と言っても岩があるだけであるが)がある。八丈岩を横から眺めてみよう、と書いてある案内板の表示に誘われて展望台への脇道に入る。

18展望台から八丈岩を見る (1).JPG
(展望台から見る八丈岩)※特大サイズ画面は コチラ

 展望台から八丈岩を眺めると大きな岩の上に八丈岩が乗っかっているだけというのが見て取れる。尤も中央深奥部で下の岩と一体化しているのかも知れず、見かけほどに不安定ではないのかも知れない。もし下の岩と「一体」なら、合格祈願した人たちは「一体」どうするのでしょう。どう考えればいいのでしょう。 

19展望台から三雲市街を見る.JPG
(展望台からの眺め)※特大サイズ画面は コチラ

 展望台からの眺めは八丈岩の前ほどには眺望はよくない。木立が視界の一部を遮っている。殊更に展望台と名付けるほどの場所ではないように思う。元の道に戻り、岩場の細い道を上って行くと六角氏家紋刻印岩というのに出くわしました。ざっと見まわすも家紋が刻印されている場所を見つけることはできなかった。

20六角氏家紋刻印岩.JPG
(六角氏家紋刻印岩)※特大サイズ画面は コチラ

 馬の背道と名付けられた細道を行くと土塁や石垣跡が現れ、城郭域に到着です。

21三雲城土塁跡.JPG
(土塁)※特大サイズ画面は コチラ

22三雲城石垣跡.JPG
(石垣跡)※特大サイズ画面は コチラ

23枡形虎口の石垣.JPG
(枡形虎口石垣)※特大サイズ画面は コチラ

 本丸に到着。

26本丸跡.JPG
(本丸跡)※特大サイズ画面は コチラ

25三雲城址説明板.JPG
(本丸跡にあった三雲城想像図看板)※特大サイズ画面は コチラ

24本丸の井戸.JPG
(井戸)※特大サイズ画面は コチラ

24井戸説明碑.JPG

 帰途は城郭コース(大手道)を下り、登城口前の道路に出る。登城口から野洲川畔へと坂道を駆け下る。爽快。この後、野洲川畔の道や県道、国道などを走りながら琵琶湖畔へと出ますが、本日はここまでとし、続きは明日の記事にします。( つづく






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最終更新日  2017.09.16 19:47:44
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