偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2017.12.15
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カテゴリ: 智麻呂絵画展
​​​​​​​​​​ 第197回智麻呂絵画展​
​​​​ ​ 本日は今年最後の智麻呂絵画展であります。
 この1年、智麻呂絵画展にご来場下さった皆さま、コメントをお寄せ下さった皆さま、また、画材の提供などご支援・ご協力下さいました皆さま、本当にありがとうございました。
 心よりお礼申し上げます。(智麻呂・恒郎女&偐家持)
 では、本年最終の智麻呂絵画展、どうぞごゆるりとお楽しみ下さいませ。
<参考>他の智麻呂絵画展は下記からご覧になれます。
第1回展~第100回展
第101回展~第200回展
第201回展~
    フォト蔵アルバム「智麻呂絵画集」は​ コチラ ​。

 先ずは下仁田葱から。この下仁田葱の絵はこれが11作目になるので、当絵画展の常連様にはお馴染みの絵かと存じます。​
(下仁田葱)
※下仁田葱の絵は以下の絵画展に登場しています。
 第23回展、第49回展、第50回展、第69回展、
 第91回展、第113回展、第133回展、第153回展、
 第169回展、186回展​

 第69回展(2011年1月3日記事)での説明文を引用すると「智麻呂氏の無二の親友、K牧師が生前には群馬から年の暮に送って下さっていたもの。悲しくもお亡くなりになられましたが、先の年の暮にはK牧師の奥方様がお送り下さったとか。」とあり、その続きに、智麻呂氏になり代わってヤカモチが詠んだ歌が3首載せられています。
下仁田の 葱ながむれば やあやあの 今亡き背子の 声はするらし
下仁田の 葱の甘さよ 我背子の くれし笑まひの 面影立ちぬ
たふれたる われきづかひて とひ来しに
        などてやきみが さきにぞゆける
 また、第133回展では「ヤカモチは面識はないのであるが、智麻呂さんのお話から『やあやあの君』と名付けさせて戴いている(笑)。磊落豪快で親しみやすいお人柄の御仁であったようです。」とも紹介している。
 「主人の遺言ですから」と毎年変わらずに歳の暮には奥方様から葱が送られて来るのであります。昨日、智麻呂邸を訪問申し上げたら、お裾分けとてヤカモチもこの葱を頂戴いたしました。
 下仁田駅は高崎駅から出ている上信電鉄の終点駅である。下仁田はヤカモチにとっては未だ訪ねたことのない地であるが、2009年4月に高崎から上信電鉄の線路に沿って上野三碑を訪ねて銀輪散歩したことがあるので、この下仁田葱の絵を見ると、何故かこの銀輪散歩のことや多胡の入野の万葉歌を思い出すのでもある。
我が恋は まさかもかなし 草枕 多胡の入野の 奥もかなしも
                           (万葉集巻14-3403)
<参考>​ 上野国銀輪万葉(1) ​2009.4.12.
​ 次は小万知さん関連の絵3点です。先の若草読書会にお持ち下さった、カラスウリ、百合の花、鬼柚子です。​
​​​​ ​​​


​ カラスウリの別名はタマズサ(玉梓)である。
 その種子が結び文の形に似ていることからの命名らしい。男女の恋のやりとりは使者に恋文を持たせて相手に届けるという形で行われた。その使者が梓の木の杖を携行していたとか、梓の木に恋文を結び付けて持って行ったとかで、「玉梓(旧仮名遣いでは「たまづさ」)の使ひ」と呼ばれた。やがて「たまづさ」は「玉章」とも表記され、手紙を意味するようにもなる。
 万葉では、「使ひ」や「妹」にかかる枕詞として使用されている。
 古代には使者が梓の木を携えて用件を口頭で述べるという風習があったらしい。「玉梓」が「使ひ」の枕詞に使われる由縁である。「玉」は「霊魂」のこと。「梓」は、「梓弓」などという言葉がある通り、弓に用いる木である。使者が梓の木を携行したのは、この木に宿る強力な力が魔除けになると考えたからか、それとも霊力ある木を手に口上を述べることで、その言葉にも霊力が宿ると考えたのでもあるか。
 「玉梓の使ひ」と言えば、男女間の恋文のやりとりの使いを意味するのが一般的であるが、柿本人麻呂の「泣血哀慟歌」では「・・もみぢ葉の 過ぎていにきと 玉づさの 使の言へば・・」(万葉集巻2-207)と、妻の死を知らせる使者の意味でも使われている。
 次は百合。花の智麻呂にしては、今回の絵画展、この百合の花が唯一の花の絵となりましたが、存在感のあるいい絵です。

​(百合)
 ユリの花の万葉歌で有名なのはこの2首でしょうか。
道の辺の草深百合の花咲に 咲まししからに妻といふべしや(巻7-1257)
夏の野の繁みに咲ける姫百合の
   知らえぬ恋はくるしきものそ(坂上郎女 巻8-1500)



(鬼柚子)
 鬼柚子は別名を獅子柚子とも言う。
 鬼が出たところで、次は凡鬼さんの野菜二題です。
 凡鬼さんの野菜も先の読書会にお持ち下さったものです。


(大根)
 芭蕉の句に、 葱白く洗ひたてたる寒さかな 、というのがある。上の大根も下の蕪も「洗ひたてたる寒さ」ではヒケをとらないと思うが、洗いたての葱の白さには叶いませんですかね(笑)。
 この処、寒い日が続いています。どちら様もご自愛下さいませ。
大根も洗ひたてたる寒さなり(筆蕪蕉)
蕪白く洗ひたて描く年も暮れ(筆蕪蕉)


(蕪)
 上の蕪の絵。何か変だと思われませんか。
 恒郎女さん曰く「蕪をテーブルに寝かせて並べ、それをお尻の方から写生するなんて、普通ではない。」
 そうなんです。蕪の絵と言えば横から眺めたものを描くのが普通。するとヘタは隠れて見えなくなる。どうも智麻呂画伯はこのお尻と言うかヘタの表情を描いてみたかったようであります。当の蕪にはインタビューできていませんので、何と思っているかは不明でありますが、絵の表情を見る限りは、まんざらでもないようで、笑っているようにも見えます。
 さて、次はハム。
 年の暮れの定番と言えば、この五〇さんからのハムもその一つ。今年も絵になりました。


(ハム)
 次はヤカモチ関連の絵になります。
 生き物係ならぬ果物係のヤカモチ。いつの頃よりか若草読書会の折には果物を持参するのが習いとなっています。下のナシとカキは先の若草読書会にお持ちしたもの。「玉梓の使い」ならぬ「梨柿の使い」では迫力に欠けますな(笑)。
 使い、の方は迫力に欠けましたが、絵の方は十分に迫力あるものとなっていますから、「なし」ではなく「よし」と言うべきでありますな。


(梨)

(柿)
 以上です。
 本日もご来場・ご覧下さり、ありがとうございました。
 どうぞ皆さま、よいクリスマス、新年をお迎え下さいませ。
 来年も、智麻呂絵画展をよろしくお願い申し上げます。
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最終更新日  2019.06.12 09:50:46
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