偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2018.07.01
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カテゴリ: 若草読書会
​​ ​​​  本日は若草読書会の例会でした。
 課題図書は、白洲正子「かくれ里」講談社文芸文庫。​

(白洲正子「かくれ里」)
講師は偐山頭火氏。
 上記課題図書の中の「葛城のあたり」「葛城から吉野へ」の章を取り上げ、同氏作成の「御所は豊かな実りと伝説の里」と同補足資料「河内温泉大学」を参考資料として、懇切に講話いただきました。​
​​

(偐山頭火氏作成資料)

(同・補足資料)
 風の森峠や葛木坐一言主神社、九品寺、高鴨神社などは偐山頭火氏と銀輪散策したこともあるなど、御所周辺は何度か訪ねているが、未踏の場所も多くあり、吉祥草寺、神武天皇社など、茅原から玉手、柏原地区のことなどをご紹介いただいたので、何れ銀輪散歩で再訪したみようという気になりました。
 偐山頭火氏から頂戴した、御所市観光協会発行のハイキングコース地図を参考までに掲載して置きます。​

(葛城の道コース)

(秋津洲の道コース)

(掖上の道コース)
 本日の参加者は、偐山頭火氏、智麻呂・恒郎女ご夫妻、祥麻呂氏、槇麻呂氏、景郎女さん、ひろみの郎女さんの常連組に加えて、景郎女さんのお姉様の敦郎女さんと、昔小阪教会で青年会活動などでご一緒することもあった杉郎女さんとのお二人が特別参加で、偐家持も含めて、計10名でありました。
 偐山頭火氏の講話の後は、偐山頭火氏がお土産にと買って来て下さった中将餅をいただきながらの雑談タイム。
 お餅のアトは、今月8日が智麻呂氏のお誕生日ということで、ひろみの郎女さんがバースデーケーキを買って来て下さっていたようで、ひと足早いお誕生日祝を皆で。
 讃美歌などを智麻呂氏と一緒に歌った後、午後4時半頃に散会。
 次回は、9月30日午後1時から、講師は槇麻呂氏が担当と決まりました。
 偐山頭火氏はひと足早くMTBで帰途につき、
景郎女さん、敦郎女さん、杉郎女さんのお三方はひろみの郎女さんの新車に同乗、瓢箪山駅へ。祥麻呂氏、槇麻呂氏、偐家持の男三人は徒歩で瓢箪山駅へ。もっとも偐家持は偐山頭火氏同様にMTBで来ていましたので、これを手押ししながら歩いたのではありますが。瓢箪山駅前で両氏と別れ、MTBにて家路に。

(2018年7月1日の若草ホール上空のイマソラ)
 なお、本日に登場した万葉歌と古事記歌謡を、以下に参考までに記して置きます。

葛城の高間の茅野とく知りて標ささましを今ぞ悔しき (万葉集巻7-1337)

(原文)葛城乃 高間草野 早知 而 標指益乎 今悔拭

葛城の 高間の萱野 はや知りて 標刺さましを 今そ悔しき(岩波文庫新版)

(葛城山の高間の萱野、早く知って標を刺して置けばよかった。今になって悔やまれる。)

葛城の 高間の 草野 ( かやの )  早 ( ) りて 標指さましを 今ぞ悔しき(岩波文庫旧版)

<葛城の高間の草野を早く自分のものとしてのしるしを立てたらよかった。今になって後悔される。>

高間=御所市高天

〇磐之媛皇后の歌

〇古事記の歌

つぎねふや  山代河 ( やましロがは ) を  河上 ( かはノぼ ) り  ( ) ( ノぼ ) れば  河上 ( かはノへ ) に  ( ) ( ) てる  烏草樹 ( さしぶ ) を 烏草樹ノ木  ( ) ( した ) に 生ヒ立てる  ( ) ( びロ ) ( ) ( ) 椿 ( つばき ) ( ) が花ノ 照り ( いま ) し  ( ) が葉ノ  ( ひロ ) ( いま ) すは  大君 ( おほきみ ) ロかモ (古事記歌謡57

(淀川を遡れば、川沿いに烏草樹が生い茂っているが、その下には神々しい椿が生い立っている。その椿の花のように輝き、その葉のようにゆったりとしていらっしゃる御方こそ、わが大君であろうか。)

烏草樹(さしぶ)=シャシャンボの古名
つぎねふや=山代に掛かる枕詞。「次嶺経」次々と山嶺が見えてくる、山嶺を越えて行く、というような意味か。

つぎねふや 山代河を 宮上り 我が上れば  ( あを ) ( ) ヨし 奈良を過ギ  小楯 ( をだて ) ( やまと ) を過ギ  ( ) ( ) ( ) し国は  葛城 ( かづらキ ) 高宮 ( たかみや ) 我家 ( わぎへ ) ( あたり )  (古事記歌謡58

​(淀川を遡り、難波の宮を通り過ぎて更に遡ると、奈良を過ぎ、大和を過ぎ、私が見たいと思っている国は、葛城の高宮の我が家の辺りです。)​

〇万葉集の歌

君が行き ( ) 長くなりぬ山尋ね迎へか行かむ待ちにか待たむ(磐之媛 万葉集巻2-85

​(君の旅は日数を経て久しくなった。山道を尋ねてお迎えに参りましょうか、それともここでひたすら待っていましょうか。)​

かくばかり恋ひつつあらずは高山の岩根にまきて死なましものを(同2-86

​(こんなにも恋しい思いをするくらいなら、高山の岩を枕にして死んでしまった方がましです。)​

ありつつも君をば待たむうちなびくわが黒髪に霜の置くまでに(同2-87

​(このままずっと君を待っていましょう。長く靡く私の黒髪に、霜が白く置くまで。)​

秋の田の穂の ( ) ( ) らふ朝霞いつへの方に ( ) が恋やまむ(同2-88

(秋の田の稲穂の上に立ち込める朝霧のように、いつになったら私の恋は止むのだろう。)

​     或る本の歌に曰く​

居り明かして君をば待たむぬばたまのわが黒髪に霜は降るとも(同2-89

(夜通し起きたまま君をお待ちいたしましょう。私の黒髪に霜が降ろうとも。)

<追記>(2018年7月2日)
ひろみの郎女さんも読書会のことをブログ記事にされていますので併せご覧下さい。
今日7/1若草読書会でした ​ 2018.7.1.
偐山頭火氏は、今回の読書会の件は未だ記事にされていませんが、同氏のブログの過去記事に御所市界隈など「かくれ里」関連の現地取材記事がありますのでご参照下さい。
河内温泉大学 (Yahoo!ブログ)
葛城から見た吉野と明日香遠望を主に
役行者が開いた山伏修験道と桜の名所吉野へ 結界「柳の渡し」から
史上最古かつ最大の嫉妬かその心の内は、墓は何も語らず「磐之媛命陵古墳」
再び御所へ 笛吹神社から水泥双墓、阿吽寺の巨勢の道
御所は豊かな実りと伝説の里
御所の高鴨神社で鴨南蛮を食し雪道を走る ​・ 同続
 湖東三十三面観音像巡り(​ ​)(​ ​)(​ ​)(​ ​)(​ ​)(​ ​)

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最終更新日  2018.07.02 12:11:55
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