
葛城の高間の茅野とく知りて標ささましを今ぞ悔しき (万葉集巻7-1337)
(原文)葛城乃 高間草野 早知 而 標指益乎 今悔拭
葛城の 高間の萱野 はや知りて 標刺さましを 今そ悔しき(岩波文庫新版)
(葛城山の高間の萱野、早く知って標を刺して置けばよかった。今になって悔やまれる。)
葛城の 高間の 草野 早 領 りて 標指さましを 今ぞ悔しき(岩波文庫旧版)
<葛城の高間の草野を早く自分のものとしてのしるしを立てたらよかった。今になって後悔される。>
高間=御所市高天
〇磐之媛皇后の歌
〇古事記の歌
つぎねふや 山代河 を 河上 り 我 が 上 れば 河上 に 生 ヒ 立 てる 烏草樹 を 烏草樹ノ木 其 が 下 に 生ヒ立てる 葉 広 斎 つ 真 椿 其 が花ノ 照り 坐 し 其 が葉ノ 広 り 坐 すは 大君 ロかモ (古事記歌謡57 )
(淀川を遡れば、川沿いに烏草樹が生い茂っているが、その下には神々しい椿が生い立っている。その椿の花のように輝き、その葉のようにゆったりとしていらっしゃる御方こそ、わが大君であろうか。)
烏草樹(さしぶ)=シャシャンボの古名
つぎねふや=山代に掛かる枕詞。「次嶺経」次々と山嶺が見えてくる、山嶺を越えて行く、というような意味か。
つぎねふや 山代河を 宮上り 我が上れば 青 土 ヨし 奈良を過ギ 小楯 倭 を過ギ 我 が 見 が 欲 し国は 葛城 高宮 我家 ノ 辺 (古事記歌謡58 )
(淀川を遡り、難波の宮を通り過ぎて更に遡ると、奈良を過ぎ、大和を過ぎ、私が見たいと思っている国は、葛城の高宮の我が家の辺りです。)
〇万葉集の歌
君が行き 日 長くなりぬ山尋ね迎へか行かむ待ちにか待たむ(磐之媛 万葉集巻2-85 )
(君の旅は日数を経て久しくなった。山道を尋ねてお迎えに参りましょうか、それともここでひたすら待っていましょうか。)
かくばかり恋ひつつあらずは高山の岩根にまきて死なましものを(同2-86 )
(こんなにも恋しい思いをするくらいなら、高山の岩を枕にして死んでしまった方がましです。)
ありつつも君をば待たむうちなびくわが黒髪に霜の置くまでに(同2-87 )
(このままずっと君を待っていましょう。長く靡く私の黒髪に、霜が白く置くまで。)
秋の田の穂の 上 に 霧 らふ朝霞いつへの方に 我 が恋やまむ(同2-88 )
(秋の田の稲穂の上に立ち込める朝霧のように、いつになったら私の恋は止むのだろう。)
或る本の歌に曰く
居り明かして君をば待たむぬばたまのわが黒髪に霜は降るとも(同2-89 )
(夜通し起きたまま君をお待ちいたしましょう。私の黒髪に霜が降ろうとも。)
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