偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2018.09.09
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​​ イチ モンジセセリを見掛けました。​

(ニラの花とイチモンジセセリ)
​大きな黒い眼。なかなか可愛い顔をしている。
 蝶といっても、普通の蝶とは違って得意な形をしている。
 かと言って、蛾のようでもない。
 ところで、蝶と蛾との区分はどうなっているのかというと、これが必ずしも明確ではないようである。一般的な区別は下記の通りであるが、例外があるのでその区別は、必ずしも明確ではないのである。
 1.蝶は昼行性で、蛾は夜行性。
  昼行性の蛾も居る。夜行性の蝶も居るのかどうか知らぬが、銀座や北新地に出没する「夜の蝶」は、生物分類学上は「蝶」ではないとされている。勿論、「蛾」だと言っている訳ではないので、念のため申し添えて置く。
 2.触覚
  蝶の触角はつるんとした棍棒状であり、蛾のそれはギザギザ、ふさふさの櫛髭状である。
 3.蛹
  蝶の蛹は裸の状態なのに対して、蛾の蛹は繭に包まれている。

(同上)
 イチモンジセセリ。「せせり」は漢字では手ヘンに弄と書くが、ブログでは使えない文字。
 「せせる」というのは「小刻みな動作をせわしなく繰り返す」こと、「繰り返しつつく」、「つつきほじくる」の意であるが、余り使う言葉ではない。「楊枝で歯をせせる」などと使うが、ヤカモチも食後には決まって楊枝で歯を「せせる」ものの、この言葉を使うことはまずない。
 この蝶が「一文字せせり」などと呼ばれる由縁は、そのちょこまかとせわしなく動く様子にあるのだろう。「一文字」の方は、その翅に白い長方形の斑紋が4つ並んでいるのを捉えて、一という文字が4個並んでいると見ての命名だろう。
 近縁種にはチャバネセセリ、オオチャバネセセリなどがいるが、これらとの区別は、その斑紋によって行う。
 チャバネセセリの斑紋は、小さく横長ではなく点状に4つ並んでいる。オオチャバネセセリの斑紋は横長型のものと短型のもとが交互に5つ並んでいる。上から、短・長・長・短・長と並ぶ。
 幼虫はイネやススキやカヤツリグサの葉を食用とするので、この蝶はイネの害虫とされる。
 蝶はひらひらと舞うように飛ぶが、イチモンジセセリなどセセリチョウの仲間は、蝶らしくなく蝿か何かのようにスーッと直線的な飛び方をする。何でも時速30km程度の速さで飛べるそうな。
 この蝶は、アサギマダラなどと同じように「渡り」をする蝶としても知られている。
 渡り、というのは或る生息場所から別の生息場所へと移動することを言うが、イチモンジセセリの渡りは羽化した当日1日にのみ見られるらしい。羽化は明け方に行われ、羽化した日の午前中の約3時間に見られるという。時速30kmの速度で飛翔するのであるから、最大は100km程度も移動するのがいるということになる。
 移動した先で定着し、花蜜を吸ったりして産卵し子孫を残して死ぬ。そこで卵から幼虫となった第二世代が成長し、羽化してまた渡りを続ける。
 秋に羽化したイチモンジセセリは南西方向に渡りをし、春に羽化したのは北東方向に渡りをするとか。
 温帯に於ける季節変化に対応して、幼虫の生育環境に適した地域へ移動するように遺伝子に組み込まれたプログラムによって行動しているのである。
 日がだんだんに長くなってゆく季節に幼虫時代を過ごすと北東方向へと移動するようなプログラムが設定され、日がだんだんに短くなってゆく季節に幼虫時代を過ごすと南西方向へ移動するようプログラムされるのだろう。
 このようにプログラムされることが、温帯という気候変動のある地域に於いての、種としての生存に有利に働いているのだろうと思われる。​

(こちらは蛾ですが、名前は知らない。)
 こちらの蛾も大きな眼で可愛い。
 このように、昼間に行動する蛾も居るから、蛾は夜行性と言い切ることはできない。この蝶と蛾の眼、複眼であるが、昼行性の蝶の複眼は像がはっきり結ぶようにできているのに対して、夜行性の蛾の複眼は光をより多く集めるような構造になっていて、像を結ぶ機能は劣るというか、二の次になっているらしい。さて、この蛾の複眼は蝶のそれか、蛾のそれか、どちらに近いのでしょう。
 イチモンジセセリの複眼は、蝶と蛾の中間的な構造になっているらしい。してみれば、昼行性の蛾もイチモンジセセリの複眼のような中間的な構造を持っているのかも知れない。といっても、複眼を持ったことのないヤカモチには、どんな風に見えているものやら、想像ができないのであります。
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最終更新日  2018.09.10 08:33:25
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Re:イチモンジセセリ(09/09)  
蝶と蛾との区分
蝶の触角はつるんとした棒状であり、蛾のそれはギザギザ、ふさふさの櫛髭状
蝶の蛹は裸の状態なのに対して、蛾の蛹は繭に包まれている

「せせり」は漢字では手ヘンに弄と書くが、ブログでは使えない文字

その他にもたくさんありますが
本日のブログの内容はほとんどが知らないことばかりでした。

>こちらの蛾も大きな眼で可愛い

残念ながら蛾をかわいいと思ったことはありません(笑) (2018.09.09 20:59:57)

Re:イチモンジセセリ(09/09)  
こんばんは(^^♪

イチモンジセセリとは お写真を見て 植物の方かと思いました。
セセリが 食べ物の名前だからです(笑)
焼き鳥のセセリは あまりにも美味しい「せせる」から来ているらしいですね。

(2018.09.09 21:50:24)

ビッグジョン7777さんへ  
けん家持  さん
  >本日のブログの内容はほとんどが知らない
   ことばかりでした。
 まあ、蝶と蛾の区別など知っていても何の役にも立たないことではありますから、好奇心を別にすれば、研究者にでもなるのでない限り、意味の無いことではあります。
  >残念ながら蛾をかわいいと思ったことはあり
   ません(笑)
 そうですか。それは残念(笑)。蛾も近くでよく見ると、結構可愛いのがいることに気付くものです(笑)。
(2018.09.09 22:29:42)

ひろみちゃん8021さんへ  
けん家持  さん
  >イチモンジセセリとは お写真を見て
   植物の方かと思いました。
 イチモンジセセリは子どもの頃からお馴染みの虫でしたが、地味な、蝶らしくない蝶にて、捕まえる価値のない蝶でしたから、間近くに見るということは余り無かったように思います。よく見ると、なかなか可愛い顔をしていると気付いた次第(笑)。
  >焼き鳥のセセリはあまりにも美味しい
   「せせる」から来ているらしいですね。
 そうですか。それは存じ上げませんでした。首の肉を「せせり」というとのことですが、焼き鳥であれ、焼肉であれ、食べ物としての肉の部位別の呼称などは何度聞いても覚えられないヤカモチですから、これも三日後には忘れているのかも(笑)です。まあ、首とか腿とか尻とか言ってそれを食するのはちょっと抵抗感が生じそうですから、「せせり」とかのように言い替え呼称が生まれるのは、極めて自然なことのようです。
(2018.09.09 22:44:59)

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