偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2018.11.26
XML
カテゴリ: 銀輪万葉
​​​ 日の片鉄ロマン街道銀輪散歩の片手間に旭川べりを少し走りましたが、その折の写真が数点未掲載のままとなっているので、本日はこれを記事にアップします。
 昨年の10月25日には後楽園・岡山城から旭川沿いを下流へ、児島湾まで走っているので、今回は何という当てもないのであるが、旭川を上流へと走ることとしたもの。
<参考> 岡山銀輪散歩(その1) ​ 2017.10.27. ​​

(JR山陽本線の鉄橋 奥が山陽新幹線の鉄橋)
 後楽園の入口前に架かる鶴見橋と蓬莱橋を渡った先から、河川敷の道に入る。サイクリングロードかと思ったら、ランニングコースのようで、自転車乗り入れ禁止の表示。仕方ないので自転車を押して歩くこととした。​

(同上・奥をピンク色の新幹線車両が通過する。)

(同上・続いて黄色い車両が通過。)

(同上・旭川橋梁)
 歩行者もランニングをしている人の姿も殆ど無い。
 ということで、再び自転車に乗って走ることに。
 旭川が百間川に分流する地点付近で河川敷から堤防の道に上がり、百間川に架かる橋を渡って県道96号に出る。
 今在家天満宮の境内で小休止。
 県道96号は県道219号にぶつかって終点。そこで左折し県道219号を北へと走る。道はゆるやかに左にカーブして行く。しばらく走ると道脇に備前国総社宮の表示板。これに立ち寄ることにする。​

(備前国総社宮)

(同上・神門)

(同上・説明碑)
 国守が任国に赴任して、先ず行うべき仕事は、任国内の各地をめぐり、その地の神を祀る神社に参詣し、その地の神に祈祷を捧げ、崇敬の意を表することである。任国の実情を知るためにはそれぞれの地に出掛けて行くのが必要なことであると思うが、多大の時間や労力・費用を要する大変な作業でもあっただろう。
 そんなことで、ズボラな性格の誰かが発案したのだろうが、国府のお膝元に各地の神を勧請し、それらすべてを祀る神社を造ってしまえば、各地を巡らなくても、その神社にお参りするだけで、簡単に神々への表敬訪問が済ませてしまえる。合理化・省力化という奴ですな。このようなことで造営された神社が総社である。
 岡山には総社市という名の市まであるが、これは備中国の国府がこの地にあり、備中国総社宮があったことに由来する市名である。備中国総社宮には​​​​​​​2013年10月の銀輪散歩で訪ねているので、備前国のそれにも表敬して置こうと思った次第。
<参考>​ 吉備路自転車散歩・総社宮から鬼ノ城へ ​​ 2013.10.31. ​​

(同上・拝殿)
​  総社宮の背後の山は、龍ノ口山から南西に延びた裾山である。
 総社宮を後にし、岡山駅前に戻るべく、川沿いの道へと向かう。地図を持たずに走っているので、旭川がナビ代りという訳である。下流へと走る。消防署(中署)の先で、河川敷にこんな碑が立っていました。​

(百間川源流の碑)
<参考>​ 百間川 ​・Wikipedia
 百間川については、上の<参考>をご参照下さい。
 旭川の氾濫を防ぐため、江戸時代初期に岡山藩主・池田光政の命により築造された人工河川であり、この付近で旭川から分流しているようです。この碑から800mほど下流へと走ると、往路で渡った百間川に架かる橋に出る。これを渡って旭川左岸の道へ。
 新幹線、県道96号の岡北大橋の下を潜り、就実大学の手前の踏切でJR山陽本線を横断。蓬莱橋北詰まで帰って来る。夢二郷土美術館の前を過ぎ、蓬莱橋を渡り、鶴見橋へと行く途中にあったのが、竹久夢二の「宵待草」の歌碑。美術館はパスしたのでせめてもとこの歌碑を撮影。​

(竹久夢二「宵待草」歌碑) ​​

(同上)
 まてど暮せど こぬひとを
 宵待草
の やるせなさ
 こよひは月も 出ぬさうな


(同上・副碑)
​ 石の副碑(上掲)では、宵待草​の歌詞は旭川の川畔で詠まれたものと記してあるが、現在は、千葉県海鹿島を訪れた夢二の思い出から生まれた詩であるというのが定説になっているようで、そのことを下掲の副碑で説明し、上の石の副碑の文章を訂正している。


(同上)<参考> 竹久夢二 ​・Wikipedia
夢二郷土美術館
 鶴見橋西詰すぐの路地を左に入り、旭川右岸沿いを下流へ、岡山神社の境内を通り抜け、岡山駅前へ。
 以上でオマケ銀輪散歩終了であります。
​​​​
<追記>
​タイトルに「旭川」の文字があるのに、旭川の写真がないことに気付きました。掲載漏れの写真を追加で掲載して置きます。​

(旭川)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2018.11.27 10:32:11
コメント(7) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:岡山銀輪散歩余録・旭川(11/26)  
こんばんは(^^♪

総社は 一ヶ所で済むなんて 私向きです。
四国八十八ヶ所も 一ヶ所にまとめられているお寺もありますよね。

JR山陽本線の鉄橋は 古い無骨な感じが いいですね。
(2018.11.26 17:49:05)

ひろみちゃん8021さんへ  
けん家持  さん
  >総社は一ヶ所で済むなんて 私向きです。
 まあ、万人向きです(笑)。ただ、寺社へのお参りは、その道中を歩くことによって、神仏に向き合う心構えができるものだという考え方に立てば、このような効率的な参拝は邪道ということになりますかね。
  >四国八十八ヶ所も一ヶ所にまとめられている
   お寺もありますよね。
 そうですね。西国三十三所観音霊場も同様なのがあります。伊勢神宮遥拝所などというのも同じ機能を果たすものかもです。信仰の問題は人それぞれですから、どうでなくてはならないと言うものではないでしょう。
 河内国の総社は藤井寺市の志貴県主神社らしいですから、此処は訪問済みです(2009年7月31日記事)。また、和泉国のそれは、和泉井上神社境内の五社総社ですが、これも今年立ち寄っています(2018年7月28日記事)。
 尾張国の総社は尾張大国魂神社ですが、これはまだ現役だった頃、部下の結婚式がこの神社であり、仲人として立ち会いましたから、これも訪問済みではあります。近江、摂津、山城、伊賀などは総社が不明のようです。
  >JR山陽本線の鉄橋は古い無骨な感じが
   いいですね。
 コンクリート仕様の無機質なものではなく、煉瓦仕様なのがいい風情です。経年変化によって味わい深い景観になる、こういうのを風景に馴化していると言うのでしょう。コンクリートやプラスチックは、なかなか風景には馴化しないような気がしますが、これは我々の感覚のいかなる構造によるものであるのでしょうね。
(2018.11.26 19:18:55)

Re:岡山銀輪散歩余録・旭川(11/26)  
小万知 さん
河川敷の道はバイク進入はダメの注意書きは見ますが、自転車もダメで歩行者のみというのは珍しいですね。自転車と歩行者の接触事故などが何度か起きたのかも知れませんね。
岡山と竹下夢二の縁が深いように言われてきましたが、没後に発見された資料で新たな研究がされるのでしょうね。
物憂げに振り返る儚げな美しい人を魅力的に描ける夢二・・・大正ロマンですね。 (2018.11.27 00:58:09)

Re:岡山銀輪散歩余録・旭川(11/26)  
小万知 さん
申し訳ございません。訂正です。
夢二さんの苗字は竹久さんでした。
最近、人の名前も花の名前もよく間違う危ない年齢です。歳の所為にしてはしてはいけませんねえ(笑) (2018.11.27 09:24:18)

小万知さんへ  
けん家持  さん
  >河川敷の道・・自転車もダメで歩行者のみと
   いうのは珍しいですね。
 ランニングコースとして整備されたもののようです。土手沿いの道からは、どう見ても自転車道でしたので、蓬莱橋のたもとにあった階段からこれに降りてみたのですが、暫く走っていて、自転車禁止の表示に気付き、興が醒めました(笑)。
  >岡山と竹久夢二の縁が深いように言われてき
   ましたが、没後に発見された資料で新たな研
   究がされるのでしょうね。
 夢二は、岡山県邑久郡本庄村(現・岡山県瀬戸内市邑久町本庄)の出身ですから、「待てど暮せど~」は、故郷・岡山で、或は岡山でのことをモチーフに作詞されたものと岡山県人としては思いたかったということですかね。
 旭川のもう少し下流、岡山県庁の少し南側の右岸の道で見た「生きて仰ぐ空の高さよ赤蜻蛉」という夏目漱石の句碑も、岡山とは無関係の句でしたから、吉備国なるに機微に欠ける句碑・歌碑を設置していることです。それゆえ副碑の方で何やら言い訳のような文言を連ねなければならない羽目と相成っているのは皮肉なことです。
  >物憂げに振り返る儚げな美しい人を魅力的に
   描ける夢二・・・大正ロマンですね。
 竹久夢二にはさしたる関心もなかったので、時間的な余裕もなく、夢二美術館はスルーしてしまいましたが、ブログ的には点睛を欠くことになったと言うべきですかね。
旭川行かば総社の宮よりも 夢二なりとぞ人は言ふらむ (松帆家持)
(2018.11.27 10:14:17)

Re:岡山銀輪散歩余録・旭川(11/26)  
>石の副碑(上掲)では、宵待草​の歌詞は旭川の川畔で詠まれたものと記してあるが、現在は、千葉県海鹿島を訪れた夢二の思い出から生まれた詩であるというのが定説になっているようで、そのことを下掲の副碑で説明し、上の石の副碑の文章を訂正している。

なえるほどねえ
こういうの(訂正の副碑)初めて知りました。
学者の良心でしょうか。

旭川が岡山を流れているのも面白い。 (2018.11.27 21:01:41)

ビッグジョン7777さんへ  
けん家持  さん
  >なるほどねえ
   こういうの(訂正の副碑)初めて知りました。
   学者の良心でしょうか。
 確かに珍しいですね。夢二美術館の目と鼻の先にこの歌碑がありますから、きっと美術館来場者から美術館側が色々聞かれたり、言われたりして、一々の説明が大変だった、というようなことがあったのかも。
良心の うらにのっぴき ならぬわけの 清麻呂も居る 岡山なれば(和気不知麻呂)
 万葉歌碑位まで、歌が古くなれば、A説、B説、C説と色々あって不思議もないので、こういう説もあり、それに拠りました、で済んでしまうのですが、近代のそれは、そうも行かない(笑)。
  >旭川が岡山を流れているのも面白い。
 いかにも。これで、北海道旭川市に「岡山」という山があれば、もっと面白いでしょうね。旭山動物園が有名ですが、旭川にあるのは「旭山」で旭川という川が流れていないようなら、これも面白いですが、どうなんでしょう。
 旭川には難波田川という石狩川水系の川が流れていますので、岡山に旭川が流れていてもいい(笑)。
 まあ、河内に大和川が流れ、越後に信濃川が流れ、というのとは事情が違いますが、どちらも面白い。
 川や道は、どこそこから流れて来る(通じて来ている)という視点やどこそこへ流れて行く(通じている)という視点で名を付けたりするようですが、川は一方通行、道は往来・往復通行、それらも合わせて、その地の人の名の付け方などから、その地の位置づけやその地の人々の心理なんかに関連づけた妄想的類推・こじつけ論なども面白いかもしれません。
岡山に 旭川流る 旭川に 難波田川の 流るごとくに (夕日家持)
(2018.11.27 21:58:47)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

プロフィール

けん家持

けん家持

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

コメント新着

龍の森 @ Re:激リハビリ開始、祝大工さん来訪(11/13) New! 寒課題 内筋強化 日常継続 味覚障害 一歩…
ひろみちゃん8021 @ Re:自宅療養記・リハビリ開始&大工さん来訪(11/13) New! こんばんは(^^) 一歩一歩と 良くなられ…
けん家持 @ MoMo太郎009さんへ New!   >味覚がおかしくても、ちょっこちょ…
MoMo太郎009 @ Re:自宅療養記・食べることの気持ち悪さ(11/12) New! 味覚がおかしくても、ちょっこちょっこと…
けん家持 @ ageonoyasaiさんへ New!   >毎日ブログを拝見していて味覚障害…
ageonoyasai@ Re:自宅療養記・食べることの気持ち悪さ(11/12) 毎日 ブログを拝見していて 味覚障害と食…
けん家持@ MoMo太郎009さんへ   >花園って、いい地名ですね。  そう…
けん家持@ ひろみちゃん8021さんへ   >近くでこんなに綺麗な紅葉が    …
けん家持@ ☆もも☆どんぶらこ☆さんへ   >昨日はお立ち寄りくださり    あ…
けん家持@ 龍の森さんへ 銀輪で 抗がん無しの 荻の道      …

お気に入りブログ

外出先で 黄色比べ… New! 龍の森さん

思い出の佐賀へ(その… New! MoMo太郎009さん

パセリ収穫 New! ☆もも☆どんぶらこ☆さん

大手門 から 竹橋… New! lavien10さん

千円の紅葉、百円の… New! ふろう閑人さん

朗読で聞く宮本輝の… New! ビッグジョン7777さん

移民政策を多文化共… 七詩さん

吉松隆 大河ドラマ … くまんパパさん

赤福餅を戴く、大き… ひろみちゃん8021さん

晴のち曇ブログ fusan2002さん

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: