偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2019.01.14
XML
カテゴリ: 友人ほか
​​​
 男女20名余が集い、旧交を温めました。
 会場は、梅田スカイビルの地下街・滝見小路にある「和心・旬彩」(旧名:四季彩)
 本社〇〇部に所属した者たちの集まり・・と言っても、その数は多数にのぼる処、この企画の仕掛け人である春〇君が同部に所属していた期間に同部に所属していた者という限定をした上で、それらの者で連絡の取れる人を対象に電話やメールや口コミなどで声掛けをしたらしい。
 小生は、囲碁例会でご一緒する福麻呂氏からこれを知らされ、参加することとしたもの。
 開会が午後4時という変則な時間。午後2時36分枚岡発の近鉄電車で鶴橋駅、同駅でJR環状線乗り換えで大阪駅へ、という経路で梅田スカイビルへと向かいました。
 少し早い到着なので、梅田スカイビルの中庭・ワンダースクエア
(工事中のようで、白い仮囲いの板で仕切られていて立ち入りはできない。) の前を通って、会場へ。


(梅田スカイビル・ワンダースクエア)
​ 前ページ記事に掲載の「中庭のオブジェの下から覗いた空中庭園」の写真のオブジェは、上の写真の青・赤・黄色の工作物のことでした。真ん中の赤色の下から撮影したものであるので、参考までにこの写真を掲載して置きます。
 ワンダースクエア側から、会場の「旬彩」が見えるので、これを撮影。​

(「和心・旬彩」)
 すると、室内に見えていた男性がこちらに向かって手を振る。
 世話人の春〇君であった。こちらも手を振り返して応える。
 少し早いと思っていたが、既に到着している人も居るようなので、会場へと行く。​

(同上)
 世話人の春〇君は今は別の部署であるが、現役の部長。昔、同君の結婚式では、頼まれて小生が仲人をしたのであるが、妻君の旧姓・市〇さんも同じ〇〇部員にて職場結婚。今回はその市〇さんもご出席で、ご夫婦揃っての参加である。
 出席者で最年長が福麻呂氏でその次が小生。現役と卒業生が半々。今も現役なのは男子が8名、女子が3名。女性の丹〇さんを除き、それぞれ別の部署に異動となっているが、それぞれにご活躍なようで、何よりです。男子諸君はそれぞれによき面構えとなって貫禄も増し、女性の皆さんも瞳キラキラ、変わらず美しく、活き活きとされているご様子。それぞれに充実したよき日々を過ごされていることがうかがわれて嬉しいことでありました。
 会は、春〇君の司会進行で始まり、乾杯の発声とご挨拶は福麻呂氏。久々の再会を祝して乾杯でありました。
 歓談、飲食を楽しみながら、春〇君の指名により各人が近況報告のショートスピーチ。
 最後のショートスピーチは小生で、〆の挨拶を兼ね、加えて「この場に相応しい短歌1首を」という春〇君の無茶振り。
 長意吉麻呂や葛井広成にあらぬ偐家持の身なるわれ、数秒で即興の歌を作る芸当の持ち合わせもなくあれば、下記の道祖王の歌で、近況報告スピーチの〆とさせていただきました。

( あらた ) しき 年の初めに 思ふどち い群れて居れば うれしくもあるか
                        (道祖王 万葉集巻 19-4284

(新しい年の初めに仲間が集まっていると、何とも嬉しいことである。)
 この歌は、天平勝宝5年(753年)正月4日に石上宅嗣の家で宴会を開いた時の歌。まさに新年会の歌であるから、覚えて置かれると、新年会に汎用できる歌として重宝ではないかと思います。
 歌の作者、道祖王は新田部皇子の子であるから、天武天皇の孫ということになる。
 この宴会の3年後の天平勝宝8年(756年)5月、聖武太上天皇の遺詔により、彼は孝謙天皇の皇太子に即位する。
 しかし、それは光明皇后を後ろ盾に権勢を伸ばしていた藤原仲麻呂にとっては意に​添わぬ人事であったのだろう。翌年3月には孝謙天皇から「聖武太上天皇の服喪中に不適切な行為があった」などとして皇太子の地位を剥奪するという廃太子の処分を受けてしまう。更に、同年7月に発覚した反仲麻呂派による橘奈良麻呂の乱では、その一味の者とみなされて捕縛されてしまう。拷問によるものと思われるが、そのまま獄中死している。歴史に翻弄された人生の結末でありました。因みに、大伴家持の親しい友人の大伴池主もこの時に獄中死したと見られる。
 道祖王にかわって皇太子になったのが大炊王(後の淳仁天皇)であるが、こんな風に話を広げて行くと記事をどう締め括ってよいのか分からなくなりますので、この辺で止めて置きます。
 話を戻して、春〇君の仲人を務めたことは前述しましたが、出席者の中にもう一人、山〇君の結婚式でも仲人を務めました。山〇君は小生の高校の後輩になる。奥さんも同じ高校ではなかったかと思うが記憶が曖昧になっている。その彼が「家内からです。」と小生に手渡したのがこれ。何と新約聖書である。奥様のお手紙も添えられていました。​

(新約聖書)
 この聖書は、小生が洗礼を受けた時に、教会から戴いたもの。
 中表紙に「昭和〇〇年クリスマス 祝受洗 日本基督教団小阪教会 〇〇様」と書かれている。〇〇様というのは小生の本名である。
 当時、小阪教会の牧師をされていた智麻呂氏の自筆による懐かしい字である。​

(同上・中表紙)
 山〇君が結婚するに際して、新婦からの希望で教会で挙式をということで、当時、天満教会の役員をして居られた祥麻呂氏のお父上(故人)のご紹介で同教会で式を上げさせていただいたのでしたが、教会員でも信者でもないお方に場所だけ提供するというのは、教会の本旨にそぐわないので、一定期間(1ヶ月だったか3ヶ月だったかその期間については記憶がないのだが)、要するに、式を上げる直前まで、毎週日曜日の朝礼拝か土曜日の夕礼拝に出席していただくという条件だったか、聖書の勉強会に参加していただくという条件だったかで、挙式させていただくことになったもの。
 そんなことで、小生が、この聖書を新婦に差し上げたか、お貸ししたのだろうと思う。
 この聖書の裏表紙の内側にはわが妹の名前が、妹の字で書かれている。
 多分、妹がキリスト教系の短大に進学した際に彼女が使っていたのだろうと思う。妹の手から再びわが手に戻っていたので、それを彼女にお回ししたのだろうと思う。小生が礼拝などで使う聖書は別にあったので、これは余っていたという訳である。
 〇〇子と裏にあり、表に〇〇様と小生の名前があることから、受洗した記念に、妻が小生に贈ったものというような誤解がいつの間にか彼女の中に生まれたようで、このような「大事な」ものを、くれる筈もなく貸してくれたに過ぎないからいつの日にか返そうと思って居られたが、その機会もないままに、今日まで来てしまったらしい。
 当の本人は、記念のものとかそういうものへの思いは極めて薄弱にて、執着もないから、多分、「貸した」のではなく「差し上げた」のだと思う。
 しかし、そのような記念の記載文言や妹の名前の記載のあるままに差し上げたので、年月の経過とともに思い違いが生じ、「借りている」という意識にいつの頃よりか転化してしまったのでしょう。
 却って、ご迷惑、ご足労をお掛けしてしまう仕儀となり、申し訳ないことでありました。
 しかし、まあ、このようにして、昔懐かしい智麻呂氏の自筆の文字を目にするのは嬉しいことであり、思わぬプレゼントを頂戴した気分であります。
 そして、嬉しいことに、添えられていたお手紙では、新婦であった彼女
(つまり山〇君の奥方様) ​とお二人の間の息子さんは16年前にクリスチャンになられたということが書かれていました。
 小生がクリスチャンになったきっかけは、高校時代、八尾の駅前商店街にあった書店で「歎異抄入門」という本が目に止まったこと。これを購入して読んでいるうちに、その本の中で、歎異抄の中の言葉と対照する形で引用されている聖書の言葉が気になって、聖書を読み始め、そのご縁で、小阪教会に通うようになり、牧師であった智麻呂氏や教会学校の先生をされていた凡鬼さんらと親しくお付き合いさせていただく中で、「受洗」という選択に到ったのでしたから、まあ、何とも奇妙な、歎異抄から言わせれば、「脱線もいいとこ」であります(笑)。
 そして、読書会メンバーの友人・祥麻呂氏のお父上のお世話で、天満教会とつながり、妹のサインの入った智麻呂氏からの聖書が山〇夫人の手に渡り、それが如何ほどに関係するのかは存じ上げないけれど、結婚式を教会で挙げたことなどもあって、彼女とご子息の受洗へとつながって行く。
 何か面白い糸で、それとは気付かぬ糸で、人と人はつながっているのだということを今更に感じて愉快でありました。
 それぞれに、人生のある時期に同じ職場、同じ部署で仕事をしたという糸も面白き糸。このような糸に感謝し、時に手繰り寄せてみるのもいいもの。
 昨日の「同窓会」はそのような会でもありました。
​​​​​​

​​​





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2019.01.14 17:49:58
コメント(8) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

プロフィール

けん家持

けん家持

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

コメント新着

龍の森 @ Re:激リハビリ開始、祝大工さん来訪(11/13) New! 寒課題 内筋強化 日常継続 味覚障害 一歩…
ひろみちゃん8021 @ Re:自宅療養記・リハビリ開始&大工さん来訪(11/13) New! こんばんは(^^) 一歩一歩と 良くなられ…
けん家持 @ MoMo太郎009さんへ New!   >味覚がおかしくても、ちょっこちょ…
MoMo太郎009 @ Re:自宅療養記・食べることの気持ち悪さ(11/12) New! 味覚がおかしくても、ちょっこちょっこと…
けん家持 @ ageonoyasaiさんへ New!   >毎日ブログを拝見していて味覚障害…
ageonoyasai@ Re:自宅療養記・食べることの気持ち悪さ(11/12) 毎日 ブログを拝見していて 味覚障害と食…
けん家持@ MoMo太郎009さんへ   >花園って、いい地名ですね。  そう…
けん家持@ ひろみちゃん8021さんへ   >近くでこんなに綺麗な紅葉が    …
けん家持@ ☆もも☆どんぶらこ☆さんへ   >昨日はお立ち寄りくださり    あ…
けん家持@ 龍の森さんへ 銀輪で 抗がん無しの 荻の道      …

お気に入りブログ

東京タワー New! 七詩さん

キャラメルアイス New! ☆もも☆どんぶらこ☆さん

外出先で 黄色比べ… New! 龍の森さん

思い出の佐賀へ(その… New! MoMo太郎009さん

大手門 から 竹橋… New! lavien10さん

千円の紅葉、百円の… New! ふろう閑人さん

朗読で聞く宮本輝の… New! ビッグジョン7777さん

吉松隆 大河ドラマ … くまんパパさん

赤福餅を戴く、大き… ひろみちゃん8021さん

晴のち曇ブログ fusan2002さん

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: