偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2019.06.01
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​​ 今日 は月例の墓参。
 墓参の記事の恒例は門前の言葉。
 今月の言葉はこれ。​

(今月の門前の言葉)
  雨の日には
   雨の日の
  生き方がある  ―東井義雄―
 間もなく梅雨入り。
 そういう訳でもあるまいが、雨の日の生き方云々の言葉。
 いつも晴天とは限らない。うまく行かない不遇の時もあるのが人生。
 順風の時には調子に乗り過ぎず、逆風の時はそれに腐らず、その時々の状況に応じた適切な生き方があるという訳ですな。
 自然な生き方は無意志で成り行きに任せるということではなく、自身がよしとする自然な生き方を、何ものにも束縛されない自身の自由なる強い意志を持って、自身の身の丈に合った形で、自身で選び取るということであるのですが、そういうことを前提として、雨の日には雨の日の自分なりの生き方をする、ということでしょうか。
 まあ、言うのは誰でも言えるが、行うは難し、ということではあります。
 いずれにせよ、雨の日に銀輪散歩して道に迷っているヤカモチですから、これを論ずる資格は元よりないと言うべきもの(笑)。
 今日の墓参でも草花などをいくつか撮影しましたが、このところ花散歩記事が続いていますので、今日は「虫散歩」ということにします。
 梅雨の時期は蠅が大量発生する時期でもあります。旧暦5月は梅雨の時期にて「五月蠅」はうるさいということで「五月蠅(さばえ)なす」という言葉が万葉の昔から使われていることは、先日のブログ記事でも書きました。
 で、その蠅から始めます。​

(キンバエの仲間)
 ハエも色んな種類がいて、その個々の区別などは手に余ることなれば、キンバエの仲間ということでご勘弁願いましょう。
 こいつは、動物の死骸や糞などに群がるのですが、このように木の葉や花などにとまっていたりもする。さすがのヤカモチも糞などに群がるハエを撮ったりは致しませぬ。
 ハエそのものは万葉集では登場しませんが、「五月蝿なす」という枕詞として登場しますので、一応、万葉の虫ということになります。
 同じなのがホタル。蛍を詠った万葉歌はありませんが、「蛍なす」という枕詞があって、「ほのか」に係る形で使われているので、これも万葉の虫ということになります。しかし、蛍の手持ちの写真はありません。
<参考>

この月は 君 ( ) まさむと  大船 ( おほぶね ) の 思ひ頼みて いつしかと  ( ) が待ち ( ) れば  黄葉 ( もみちば ) の 過ぎて ( ) にきと  玉梓 ( たまづさ ) の 使ひの言へば 蛍なす ほのかに聞きて  大地 ( おほつち ) を  ( ほのほ ) と踏みて 立ちて ( ) て 行くへも知らず 朝霧の 思ひ ( まと ) ひて  ( つゑ ) 足らず  八尺 ( やさか ) の嘆き 嘆けども  ( しるし ) をなみと いづくにか 君がまさむと  天雲 ( あまくも ) の  ( ) きのまにまに  ( ) 鹿猪 ( しし ) の  ( ) きも死なむと 思へども 道の知らねば ひとり居て 君に恋ふるに  ( ) のみし泣かゆ (万葉集巻 13-3344

<今月は君が帰って来られると、(大船の)頼みに思って、いつかいつかと私が待っていると、(黄葉の)はかなく死んでしまったと、(玉梓の)使いの者が来て言うので、(蛍なす)ほのかにそれを聞いて、大地を炎の上を踏むように跳び上がり踏んで、立ったり座ったり、何処へ行けばいいかもわからず、(朝霧の)思い迷って、(丈足らず)八尺にも及ぶ長いため息をつき嘆いても、何の甲斐もないので、何処に君が居られるのだろうと、(天雲の)行くあとについて(射ゆ鹿猪の)行って死のうと思うけれど、道が分からないので、ひとり居て君を恋慕っていると、声に出して泣けてくる。>

 次は蝶。
 モンシロチョウです。​

​​
(モンシロチョウ)
 令和という元号が万葉集巻5-815~46の梅花の歌32首の序文が出典であることは、周知のことですが、この序文に「庭に新蝶舞ひ、空に故雁帰る」という文があり、蝶の万葉歌はないものの、ここに蝶が登場するので、蝶も一応、万葉の虫と言っていいでしょう。
 ただ、新蝶がモンシロチョウなのかモンキチョウなのかアゲハチョウなのかなどは分かりません。カラタチは万葉植物ですから、カラタチに卵を産み付けるアゲハチョウが万葉の頃にいたということは言えるでしょうから、アゲハチョウである可能性はあるかもしれません。
 ところで、昆虫は人間には見えない紫外線を識別できるそうですから、それによって見ると、つまり紫外線に反応するカメラで撮影すると、モンシロチョウのメスは白く見えるが、オスは黒く見えるそうです。人間は波長の長すぎる赤外線や波長の短すぎる紫外線は見えず、一定範囲の波長の赤から紫までの可視光線しか​​​識別できないので、メスもオスも同じように白く見えるけれども、紫外線を識別する目で見ると、メスだけが白く見えるということで、彼らは互いにオスかメスかを遠くからでも識別できるという訳です。勿論、それ以外に性フェロモンを出したりしているでしょうから、それによっても識別はできるということになるのでしょうが。
 ということで、上のモンシロチョウがオスなのかメスなのかは不明であります。
 次はアブです。
 ハナアブの仲間、ヒメヒラタアブです。​

(ヒメヒラタアブ)
 虻は日本書紀で雄略天皇の処
(下記注) ​で登場しますが、万葉集には登場していないかと思います。調べていないので間違っているかも知れませんが、虻を万葉集で見掛けた記憶がありません(笑)。
(注)日本書紀・雄略天皇四年秋八月の条
 しかし、ハエよりはこのような小型のハナアブの方が万葉の虫らしい気がします。
 そして、ヒメヒラタアブの恋人たちです。​

(同上)
 次は、キリギリスの仲間の幼虫。
 ヤブキリやクダマキモドキなどの幼虫とは違うので、なんというキリギリスなのかは分かりません。
 先日、ブロ友のひろみの郎女さんがヤブキリの幼虫の写真をブログにアップされていましたが、ヤカモチもその仲間の何とは知れぬ虫の幼虫を目撃したという次第。​

(キリギリスの仲間の幼虫)

(同上)
 次はハムシ。
 ハムシと言っても「羽虫」ではなく「葉虫」と書く「甲虫目」のハムシであります。
 ブロ友のふぁみり~キャンパーさんが、トゲツキトゲナシトゲトゲという虫のことをコメントで教えて下さいましたが、その虫はこのハムシの仲間になります。
 すると、今日の墓参で早速そのハムシに出会ったという次第。
 最初はコガネムシかと思いましたが、触覚が細長く、コガネムシのそれとは形状が違うので、ハムシではないかと調べたら、どうやらハムシのようです。ただ、ハムシも色んな種類があるようで、これが何というハムシかまでは断定できませんでした。​

(ハムシの仲間)

(同上)

(同上)
 このような色違いもいました。​

(同上)

(同上)
 以上、ハエからハムシまでの虫散歩でありました。
 虫嫌いなお人は勿論「無視散歩」いただいて結構であります。
​​​​​​​​​​​
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最終更新日  2019.06.02 19:20:25
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