ビジネス企画塾(山田企画事務所)

アメリカ人はなぜ明るいか?


X004エッセイ(世界観を変える)2000年の原稿 ■■■■■
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■原 隆之/アメリカ人はなぜ明るいか?/宝島社/1999年/660円
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日商岩井で,アメリカの企業とビジネスをしてきた在米10年の著者のアメリ
カレポートです。カリフォルニアのゴールドラッシュは今も続いている!その
場所はIPO(イニシャル・パブリック・オファリングという未公開株式の店
頭公開)だそうです。

シリコンバレーの住人のうち約25万人以上はミリオネアー(日本円で約1億
2,000万円以上の資産を持つ人)で、毎日65万人以上のミリオネアーが発生
している。がシリコンバレーは甘くなく、例えばIBM社など社員40万人の
うち30万人を解雇ですからね。

P111では、よくいわれる「忠臣蔵の定理」(アメリカ人は企業に対する忠
誠心が低く、日本人は忠誠心が高い)に対する答え。「企業封建制度の三大原
理」(1.企業は社員に高度の専門性をもたせない 2.転職をすると年収が
下がる 3.社員は住宅ローンなどの巨額の負債を抱えており、その返済に迫
られている)なので、この原理が成り立たない環境であれば、「忠臣蔵の定理」
は成立しない。よってアメリカでは、という事です。三大原理。耳痛いですネ。

アメリカ人は貯金をしないといわれているが、彼らは銀行の経営者や政府の役
人をあまり信用していない。(P134)
アメリカの会社ではボーナスがストックオプションで支給の形が多い。10年
前にアメリカ人と日本人が300万円の貯金を持っているとして、アメリカ人は
投資信託に預ける。日本人は銀行。10年後は、アメリカ1,213万円。日本331
万円。概算です。アメリカは種銭があればどんどん裕福になれる国。(P144)

401K年金シュミレーション表(P157)があるが、25歳の大学院修士を卒業し
た学生がまったく出世せず401Kを累積していくと、63歳で約4億4,000万円に
なるとのこと。全然日本と違いますね。

著者の主張(P215)何がアメリカを豊かにしているのか。ここが本のキモです。
「知的な付加価値であり、その付加価値に対する特権的権利を保証する国際適
法体制」知的付加価値とは、=先端技術・卓越したデザイン・優秀な経営手法。
社会の富がムダにされることなく絶え間なく高度な知的付加価値を生み出すた
めに消費される透明で高度な社会システム。アメリカとは、社会の透明性と平
等性が特権階級の産業支配を紡ぎ、特権階級が存在しないことから税金が無駄
に使われることがなく、また価値観の多様性を受容する社会が出来あがった国。

一流大学を卒業した学生が官庁や大会社にいかない社会でこそ、初めて高度な
知的付加価値が生まれる。と書かれています。すごく納得しますね。


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