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『二重生活』 小池真理子を読みました。文学的意義、哲学的思考という観点から、近所の男性を尾行し始めた珠は、徐々に尾行している対象相手の行動と自分の状態を照らし合わせて考えるようになり少しづつ冷静ではなくなっていきます。しかし、いくら文学的意義、哲学的思考とはいえ全くの隣人を尾行し始めるとは、昨今の状況を考えるとストーカーと間違えられて警察に通報されかねなくなかなか、勇気ある行動だと思います。そして、それがばれて対象の石坂と奇妙な関係になっている所がまたすごい。そして、同棲相手の卓也との関係・人柄を冷静に分析しているシーンがおもしろかったです。あえて、相手の嫌がるところを追及しないで荒波をたてずに生活している所はこういう関係のカップルもいるんだろうなと思いました。最後のシーンでまた尾行を始めるあたり、ちょっと懲りてないまたは尾行にはまってしまった珠の行く末がちょっと心配になる結末でした。小池真理子さんは恋愛小説のイメージが強かったのですが今回は一風変わった主人公の話が多くてこういう作品も面白いなと思いました。
2012年10月11日
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『無花果の森』 小池真理子読みました。日本経済新聞で連載していた話です。映画監督の新谷と結婚した泉が家庭内暴力DVを受けて家から飛び出すところから物語はスタートします。最近以前認知症が広まったときのように小説を読んでいると、DVにまつわる話をよく読みます。作家が今扱いたいテーマなのかなと読んでいて思いました。泉は言葉も肉体的にもひどい暴力を受けて家を飛び出し、岐阜の大崖にたどりつきます。そこで、有名な画家の住み込みお手伝いとして働き始めるのですが主人の画家八重子、おかまのサクラといった個性的で魅力的な人々と出会います。そして、DVの取材で過去に会った鉄冶。追い詰められている中で出会う人たちが全て優しくて、人情深くて素敵でした。ラストは悲しい別れと嬉しい再会があっていい気持ちで読み終われます。こんな人たちに会ってみたいと思わせる魅力的な登場人物の出てくる話でした。最後まで読んでくださりありがとうございます。★ランキングに参加しています♪
2011年08月27日
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『存在の美しい哀しみ』 小池真理子を読みました。女性の大人っぽい話が多い小池さんは、好きな作家さんです。今回は、奈緒子という女性が若い頃結婚した相手は、俗に言ういい家柄・いい家庭に育ったお坊ちゃまのような男性でいいときはいいけれども、自分にとって不都合なことには対応できない、子供っぽい性格の男性でした。そしてチェロと自分の都合のいいことしか興味のない男性との間に出来た子供・聡。その聡ができた時の対応のひどさに幻滅しその気持ちの不安定なときに、出会った男性と野間に出来た子供が榛名。その二人の話が最初と最後にでてきてその間に、奈緒子の後の夫の話。その会社の女性。元夫芹沢喬の妻。その娘。奈緒子が働いていた職場の男性。短編でつながれていくので、次はどんな関係形成のある人が登場するのかと思いながら読んでいました。最後は、異父兄弟がお互いのことを知りきれいな結末です。いろんな登場人物が出てきて、その日とその人に物語があり読み進めるのは楽しかったのですが、やはり短編なので、深くまでは感情が描かれていなかったところもあったので、次回は1人に焦点が当たった深い話も読みたいと思いました。
2010年07月31日
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『青山娼館』 小池真理子を読みました。女性が、久しぶりに会った友人と不幸度合いが同じで、一気に距離が近づいたというくだりは、納得でした。これは、女性だけではないと思いますが、カテゴリーが同じということは大きな共感点そして、幸せよりも、不幸度合いが同じほうが共感度が高いのはなんとなくわかるなーと思いました。この話の登場人物の女性二人黒沢奈月と麻木子は、高校時代お互い仲がよかったけれどもずっと連絡をとっていなくてあるときデパートの地下の食品売り場で出会います。ちょっとづつお互いのことを話し合って奈月はどうしようもない母親を持ち、子供を1人で産んだがその子供を亡くしてしまったこと。麻木子も同様に、理解しがたい父親を持ち(愛人を家に連れてくる。その後首吊り自殺)今は娼館ではたいている。そして、麻木子も自殺してしまい、最後には奈月がその娼館で働くようになっていくというストーリーでした。この娼館というのがよくあるイメージの館ではなく、高級会員制、秘密、という本当にある種の選ばれた人たちが利用する娼館でした。そこで、奈月は働いていくのですが、本当に奈月はたくましい姿でした。そして、こういう本を読んで家族というもののつながりがない人親の顔を想像しなくてもいい人や捨てるものがない人というのは寂しいだろうけれども、そのことを自分から削除できる人がいるとすれば本当に強いと思いました。
2009年06月15日
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『午後の音楽』 小池真理子を読みました。最初手にとったとき、右開きの本で(驚き!)しかも、横文字の携帯小説みたいでびっくりしました。小池真理子さんといえば、大人の恋愛小説のイメージだったので、ついつい読むのを後回しにしていました。しかし、アマゾンの書評を読んでいたら、意欲作でいい!と書いてあったので気を取り直して読みはじめした。義理の姉が妹のだんなとメールをやりとりし始めた所から共通の趣味や考えに共感して好きになっていってしまう過程がメールの交換書簡という形の構成で、進んでいくお話でした。姉(由布子)は、家族の中でどうしても性格の合わないという両親を持ってしまった苦しみ。そして、ずっと連れ添っていただんなさんが10年も浮気をしていたという事実に苦しんでいました。義理の弟も、幼い頃に両親をなくし家族というものに対して複雑な思いを抱いているという気持ちを持っている人でした。そんな、二人はだんだんお互いの趣味や流れる空気があまりにも合うことに気がついてしまいお互い惹かれあっていきます。しかし、そのまま突き進まずにブレーキを姉がかけ最後は一見アンハッピーエンドで終ります。この本を読んで、姉(由布子)がそうであったように家族と性のあわない家庭に生まれてきてしまう子供というのは、本当にいるんだろうなと改めて思い出しました。また、夫婦というのも他人なわけで、(姉(由布子)は離婚)子供が生まれても、夫婦になっても、1番安心できそうで壊れると1番ダメージを受けるというところだなあと思いました。自分はそうではなかったけれども、そういう可能性というもの充分にあるとしたら…なんて考えてしまった単なる恋愛小説以上に考えさせられてしまった本でした。
2009年04月18日
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『望みは何と訊かれたら』 小池真理子を読みました。時代が1970年代東大安田講堂の陥落連合赤軍のあさま山荘事件の時代に全共闘や革インターにのめり込みながらもそこから抜け出してある特異な期間を男性と過ごす女子大生の話です。70年代後半に生まれたものにとっては中学校の歴史でしか触れたことのない時代の話でしたのでその時の時代の熱気みたいなものにもとても興味を持ち夢中になって読みました。物語の前半は、時代に熱気に包まれる女子大生沙織が革インターにのめりこんだり、政治や文学を語る大学生になっているお話ですが、その後は一転革インターから抜け出て匿ってもらったところで出会う秋津吾郎という男性との時間が描かれています。本の中で沙織が「価値があると世間一般に信じこまされている何か、には基本的に関心がない」「人生の本質的なことにしか関心がもてなかった」ということを言っているのですが、なかなかそういう感覚に憧れはしても現実的に本当にそういう人にはなれない人が多数な気がして、本の中の沙織の行動が普通には経験できないようなことで綴られていてすごく衝撃的で本を読んでいて、早くどうなるか知りたいけれども終って欲しくないような読書体験をさせてもらった本でした。著書自身も「恋」を超えるかもしれない作品と語っている所もありとても響く本でした。
2008年04月06日
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事故で家族を無くした二人が知り合って、惹かれていく話でした。設定が、この前読んだ「沈まぬ太陽」を思い出しました。こちらは、あくまで恋愛ですが。 萌と遊作は、最後に死を選びますが、私にはまだ、死によって完結をするというところの話がわかりません。人生経験が甘いためなのか、どうなのかわかりませんが、死をもって終わる話の最後にはすこしがっかりしました。どうこの二人が生きていくのかが知りたかった。死しかなかったのでしょうか? またいつか、年をとったりしたときに読み返してみたら、感想が変わるかもしれないと思った本でした。
2004年02月04日
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