こんなものですが

こんなものですが

平井堅師匠



「Ring」「LIFE is...another story」のプロモ、印象的
である。


Life is…

身にしみる、今の僕にとってすごく。
プロモの中で、「働く男」の手をアップしているシーンがある。
サーカス劇団員であろうか、その彼とか、漁師の手というのは傷だらけの
ごつい手をしている。

ちょっと横道にそれるが、「働く男」の手とか、顔つきとか背中ってあこがれの対象である。
今の僕にとっては、時に強く厳しく仕事している顔、確固とした自信ある背中を持ちたいものだと思う。だけど、形から入っていると思われるけど、「ネクタイしめたスーツ姿」に戻りたいという思いもある。


自分を強く見せたり 自分をうまく見せたり
  どうして僕らはこんなに 息苦しい生き方選ぶの

  目深にかぶった帽子を 今日は はずしてみようよ
  少しみだれた その髪も 可愛くて僕は好きだよ
  風に躍る枯れ葉 濡れた芝生の匂い
  君と寝ころんで見上げた何もない空
答えなどどこにもない 誰も教えてくれない
  でも君を思うとこの胸は何かを叫んでる
  それだけは真実

「人生は…」っていうタイトルから、その後の答えは各人がまさに作りあげていくもの。
最初の2行がとりわけ身にしみる。僕はそんな生き方というか、職場で繕っていたんだろうと思う。
妙なプライドとか持って、「こうあるべき、こうすべきなのに」という「自己拘束」ともいうべき状況に陥ってしまった。
周囲の人間からすれば、息苦しく感じ、楽しくない人間になるのであろう。愛しにくい人間。
そのくせ、仕事が空回りしてて。

答えなどどこにもない、誰も教えてくれないというフレーズ、そのとおり。
理解されにくい体調であるだけに、なおさら。
自分が踏み込んでいかなければ、何も改善されないんだ。

そんな風に、この曲を聴く度、思う。


Ring

  永遠に満たされぬ 孤独の影におびえながら
  いつかくる輝きを求め 人は歩き続ける
  一度だけでもいい
喜びに声をあげ泣いてみたい
  心の傷跡も
  忘れられぬ過去も
  その肩に積もる冷たさも ゆっくり溶けて流れゆく

本当は誰も皆 声にならぬ叫び抱えて
  もがいてはあきらめて 今日という日を塗りつぶしてる

  届かなくてもいい
  心から愛の歌響かせたい
  さまよう悲しみも
  やりきれぬ矛盾も
  この空に浮かぶむなしさも 時が忘れさせてくれる

  凍える瞳の僕が今 答えを求めてる
  言葉にならずただ抱きしめた
  震える唇重ねたぬくもりを胸に

  心の傷跡も
  忘れられぬ過去も
  その頬を濡らすぬくもりが ほら輝きに変えるから

  あなたのやさしさが
  あなたの喜びが
  その指を照らすほほえみが いつも2人を包むから

「一度だけでもいい喜びに声をあげ泣いてみたい」という経験、
過去にある。就職の採用結果を見に行って自分の番号を見つけ、
その後の通知がなかなか郵送されてこなくて、ドキドキしたけど、
届いた。そして、大学一年の時に亡くした祖父の写真を取り出して報告したとき、
思わず涙が出た。母と弟もいたが、泣いた。これを書いて思い出しても目頭が熱くなる。

人って、喜びだけでなく、辛さ悲しさ苦しさも抱え、それらを背負って生きていかなければならない。心の傷、忘れてしまいたい過去、悲しみ、様々な矛盾。「時間が解決する」とはよく言ったもので、輝きを求めその先、歩いていくのである。
「あなたのやさしさが あなたの喜びが」という言葉。愛する人がいて、人生は輝く、輝けるのであろう。


瞳をとじて

  朝目覚めるたびに 君のぬけがらが横にいる 
  ぬくもりを感じた いつもの背中が冷たい

  苦笑いを止めて 重いカーテンを開けよう
  まぶしすぎる朝日 僕と毎日のおいかけっこだ

  あの日見せた泣き顔を 涙照らす夕日肩のぬくもり
  消し去ろうと願うたびに 心が体が君を覚えている

瞳を閉じて 君を描くよ それだけでいい 
  たとえ季節が 僕の心を置き去りにしても



  いつかは君のこと 何も感じなくなるのかな
  今の痛み抱いて 眠るほうがまだいいかな

  あの日見てた星空 願いかけて二人探した光は 
  ままたく間に消えてくのに 心は体は君で輝いてる

瞳を閉じて 君を描くよ それしかできない
  たとえ世界が 僕を残して過ぎ去ろうとしても



  瞳を閉じて 君を描くよ それだけでいい
  たとえ季節が 僕を残して色を変えようとも

  記憶の中に君を探すよ それだけでいい
  なくしたものを超える強さを君がくれたから
  君がくれたから


 これまた、スゴイ楽曲を創ったもんである。
 映画「世界の中心で、愛をさけぶ」の主題歌。
 愛する人を失っての孤独、寂しさを感じるとき、
ゆっくり瞳を閉じて、じっと静かにその人を描き出す。
 そこに広がる景色は、かつて一緒にいた思い出。

人は、大事な人を失ってしまっても、その人を思い起こすことによって
 自らの生きる道、生きる意欲というものを与えてくれるんである。
 そう考えると、改めて、人は失ってしまった人と生き続けていることになる。

 そこまでには、時間がいるんだけどね。
 なくしてしまった時には、いい知れない空虚、喪失、呆然しかない。
 その状態から、立ち直るのには、やっぱり、失った人のことを思い起こすことから始まるのかな。そう思わされる。

 「たとえ季節が僕の心を置き去りにしても」
 「たとえ世界が僕を残して過ぎ去ろうとしても」
 「たとえ季節が僕を残して色を変えようとも」

 世界がどうなろうとも、季節がいつの間にか変わろうとも、ただ僕は静かに目を閉じる時、愛する人と出会うんだ。

 最後のフレーズで、「なくしたものを超える強さを君がくれたから」という言葉があるけど、失ったことで、逆にどれほど大事な存在であったかということを教えられるんである。それは、失ったことで初めてその大事さに気づくということでもあろう。
大事な人を失って、だけど、自らがこれから先を生きる時、そのどうしようもない喪失を抱きしめながら、生きるんだ。その生きる強さを与えてくれた、その人を思い起こしながら。




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