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2008.04.25
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テーマ: いい言葉(573)
カテゴリ: 文学・芸術
▼ユゴーの薔薇1(眠れるボアズ1)


ボードレールと同時代に活躍し、ボードレールとは対照的に著述家として大成功したヴィクトル・ユゴー。日本でも『レ・ミゼラブル(ああ、無情)』『ノートルダムのせむし男』を書いたフランスの文豪として知られています。でもほとんど知られていない、あるいはほとんど読まれていないと思いますが、ユゴーは膨大な詩を残し、ロマン派の総帥として19世紀最大の詩人と目されてもいるんですね。

ユゴーはどのような詩を書いたのでしょうか。彼の生い立ちや人生について語る前に、実際に彼の詩を読んでみましょう。タイトルは「眠れるボアズ」。『旧約聖書』の「ルツ記」に材を得ています。長いので二回にわけて紹介します(薔薇が出てくるのは後半部分です)。


Booz Endormi(眠れるボアズ)

Booz s'etait couche de fatigue accable ;
Il avait tout le jour travaille dans son aire,
Puis avait fait son lit a sa place ordinaire ;
Booz dormait aupres Des boisseaux pleins de ble.

ボアズは疲労困憊して横になっていた。

そしていつもの場所に寝床をしつらえて、
ボアズは小麦であふれた大枡のそばで眠っていた。

Ce vieillard possedait des champs de bles et d'orge,
Il etait, quoique riche, a la justice enclin ;
Il n'avait pas de fange en l'eau de son moulin,
Il n'avait pas d'enfer dans le feu de sa forge.

この老人は、大麦や小麦の畑をいくつか持っていた。
彼は裕福ではあるけれど、正しい心の持ち主だった。
彼の水車場の水は泥で汚れておらず、
彼の鍛冶場の炎は地獄の影を宿していなかった。

Sa barbe etait d'argent comme un ruisseau d'avril.

Quand il voyait passer quelque pauvre glaneuse :
<Laissez tomber expres des epis>, disait-il.

彼のあごひげは、四月の小川のように銀色に輝いていた。
彼の麦束は、惜しみなく、わけ隔てなく与えられた。
貧しい落穂拾いの女が通りかかると、彼は


Cet homme marchait pur loin des sentiers obliques,
Vetu de probite candide et de lin blanc ;
Et, toujours du cote Des pauvres ruisselant,
Ses sacs de grains semblaient des fontaines publiques.

この男は清き道を歩き、邪な道は遠ざけた。
純真な誠実さと純白の麻を身にまとっていた。
そして常に貧しい人々の方へと流れていく
彼の穀物袋は、公共の泉のようであった。

Booz etait bon maitre et fidele parent ;
Il etait genereux, quoiqu'il fut econome;
Les femmes regardaient Booz plus qu'un jeune homme,
Car le jeune homme est beau, mais le vieillard est grand.

ボアズはよき主人であり、親族にも忠実であった。
慎ましいけれども、物惜しみはしなかった。
女たちは若い男よりもボアズに心を惹かれた。
若い男は美しくとも、その老人には偉大さがあったからだ。

Le vieillard, qui revient vers la source premiere,
Entre aux jours eternels et sort des jours changeants ;
Et l'on voit de la flamme aux yeux des jeunes gens,
Mais dans l'oeil du vieillard on voit de la lumiere.

原初の泉へと帰りつつあるその老人は、
移ろいやすい日々を離れ、永遠の日々へと入っていく。
若い男の眼には情熱の炎が見えるが、
その老人の眼差しには光が見える。

* * *

Donc, Booz dans la nuit dormait parmi les siens ;
Pres des meules, qu'on eut prises pour des decombres.
Les moissonneurs couches faisaient des groupes sombres;
Et ceci se passait dans des temps tres anciens.

こうしてボアズはその夜、彼の仲間とともに眠っていた。
崩れ落ちた家のようにも見える麦山のそばでは、
刈入れをする人たちが暗い塊となって横たわっていた。
これははるか昔の物語である。

Les tribus d'Israël avaient pour chef un juge ;
La terre, ou l'homme errait sous la tente, inquiet
Des empreintes de pieds de geant qu'il voyait,
Etait encor mouillee et molle du deluge.

イスラエルの民は士師(さばきづかさ)を長としていた。
人々はテントに暮らして大地をさまよい、
巨人の足跡を目にしては不安におののいていた。
その大地はまだ、あの大洪水の名残でぬかるんでいた。


ここまでが、前半部分です。昔、ノアの大洪水の傷跡がまだ癒えぬころ、イスラエルの民がテント暮らしをしていて、その民の中にボアズという誠実で、貧しい者に施しを与える老人がいたとユゴーは語り出します。この詩には書かれていませんが、「ルツ記」によると、場所はベツレヘム(現在のパレスチナ自治区の一都市)です。

「士師(さばきづかさ)」は、王国成立以前の古代イスラエルの政治的・軍事的指導者のことです。「ルツ記」の冒頭にも、「士師(さばきづかさ)」の記述があります。そして「貧しい落穂拾いの女」とは、モアブ出身の女ルツのことですが、どのような物語が展開するかは、明日のブログでお話します。

さて、写真は山伏の行列ですが、山伏の兜巾(ときん)に注目してください。

山伏の兜巾

ユダヤ教徒が祈りの際に額に付ける黒い小箱のヒラクティリーと山伏の兜巾は非常によく似ており、日ユ同祖論の根拠にしばしば挙げられます。中丸薫さんによると、皇室の男子は生まれるとすぐに割礼をするそうですから、日本(皇室?)とユダヤには、何らかの関係がありそうですね。古代イスラエルの話が出たので少し脱線しました(笑)。
(続く)





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最終更新日  2008.04.25 12:07:21
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