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2008.04.30
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カテゴリ: 文学・芸術
▼ユゴーの薔薇4(眠れるボアズ4)


第9節
ヤコブが眠ったように、ユディットが眠ったように、
ボアズは目を閉じて、葉陰に横たわっていた。
そのとき、天の扉が細めに開かれ、
そこから彼の頭上へと、一つの夢が降りてきた。

ヤコブは『旧約聖書』の「創世記」に出てくる人物ですね。ヤコブは地上から天にまで伸びるはしごに沿って天使たちが昇ったり降りたりしているさまを夢の中で見て、「お前の子孫は繁栄し祝福を受けるだろう」という主の声を聞いたと書かれています。この記述が天の扉から夢が降りてきたという表現につながったのでしょう。でもこれって、UFOの扉が開いて階段が伸びてきて、そこを宇宙人が昇り降りしていた場面のことを言っているのではないか、と思ってしまいますね。

ユディットは『旧約聖書』に出てくる寡婦なのですが、彼女の見た夢については記されていません。ユディットは民族の危機を救うため、自ら進んで敵軍になぐり込み、敵将の首を切って持ち帰ったとされる勇猛な女性です。ジャンヌ・ダルクの原型みたいな人物ですね。

第10節

それが彼の腹から生えて、青い空まで届いていた。
一つの家系が、長い鎖のようにその木を昇って行き、
一人の王が下で歌い、上では一人の神が死んでいた。

お腹から樫の木が生えて天まで伸びていったという表現は、夢の中とは言え面白いですね。この樫の木は家系図を象徴しています。英語で家系図はまさにtree(木)と言いますね。中世のころのヨーロッパのキリスト教的絵画には、よく体から木が生えて家系図になるという構図が使われていましたから、西洋人にとってはそれほど奇抜な表現ではなかったようです。

「一人の王」とは、ボアズのひ孫に当たるダビデ、紀元前1000年ごろから40年間君臨したとされる古代イスラエル第二代の王のことです。そして木の上の方で死んでいた「一人の神」とは、そのダビデよりさらに28代も後に生まれたとされるイエス・キリストのことです。そのことは『新約聖書』の「マタイ伝」に詳しく書かれています。まあ、一種の権威付けのようなものですが、家系図を永延と語る点については、竹内文書や記紀も似たり寄ったりです。

第11節
ボアズは心の中でつぶやいた。
「どうしてこのようなものが、私の腹から出て来たのか?
私の年齢はすでに80歳を超え、
私には息子もいないし、妻もすでに亡くなっている。

「ルツ記」にはボアズがルツを娶ったときの年齢は書かれていませんが、ユゴーはなんと80歳と設定していますね。ルツはまだ20代でしょうか。もしかしたら10代後半かもしれません。年の差60歳。神の粋な計らい? ユゴーは自分の老後の理想をボアズに重ね合わせたのだとみる評論家もいるようです(笑)。若いルツに刺激されて、冬の白樺のように衰えていたものが、明け方の勝利の美酒のようになったそうです。もうご勝手にという感じですね。


このようにボアズは、夢と恍惚の中で語った、
まだ眠気に溺れている眼を神の方へ向けながら。
ヒマラヤ杉は、根元の一本の薔薇に気づかない。
ボアズもまた、足元の一人の女に気づかなかった。

ここで薔薇が登場しますね。ボアズとルツの関係をヒマラヤ杉と薔薇の関係にたとえています。ここでの薔薇は、身近にあって気づかない大事なもの、というような意味でしょうか。比較する表現が巧みで、美しいです。形と色がすぐに思い浮かぶので、心に強いイメージが残りますね。



ヴィクトル・ユゴーという薔薇です。

ヴィクトル・ユゴー

写真は先週の土曜日に撮ったものですが、まだまだこれからという感じですね。有名人の薔薇のコーナーにカトリーヌ・ドヌーヴと並んで植えられています。咲いたときに再び写真を紹介しますね。
(続く)





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最終更新日  2008.04.30 11:06:58
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