天の王朝

天の王朝

PR

プロフィール

白山菊理姫

白山菊理姫

フリーページ

ハーバード経済日誌


ハーバード経済日誌(2)


ハーバード経済日誌(3)


ハーバード経済日誌(4)


ハーバード経済日誌(5)


ハーバード経済日誌(6)


古代飛騨王朝を探して


海外でのダイビングあれjこれ


海外でのダイビングあれこれ2


海外でのダイビングあれこれ3


驚異のガラパゴス(1)


驚異のガラパゴス(2)


驚異のガラパゴス(3)


歴史箱


山口博教授の講演録


古典SFの世界


富山サイエンス・フィクションの世界


ETとの交信は可能か


不思議な世界


不思議な世界2


不思議な世界3


不思議な世界4


不思議な世界5


不思議な世界6


不思議な世界7


不思議な世界8


フォト・ギャラリー


雑感


誰がケネディを殺したか


誰がケネディを殺したか2


誰がケネディを殺したか3


誰がケネディを殺したか4


カストロが愛した女スパイ1


カストロが愛した女スパイ2


カストロが愛した女スパイ3


カストロが愛した女スパイ4


カストロが愛した女スパイ5


カストロが愛した女スパイ6


カストロが愛した女スパイ7


カストロが愛した女スパイ8


カストロが愛した女スパイ9


カストロが愛した女スパイ10


カストロが愛した女スパイ11


出雲族と大和族の話(パート1)


出雲族と大和族の話(パート2)


サイド自由欄

設定されていません。
2011.04.25
XML
カテゴリ: 歴史箱
コノハナノサクヤヒメの火中出産の話を忘れてしまった方もおられると思いますので、説明しておきますね。

ニニギから「俺の子ではなく、国津神の子だろう」と言われて、コノハナノサクヤヒメは憤慨します。あまりにも頭に来たので、出入り口のない産屋を建てて中に入り、中から壁を土で塗り固めて火を放ってしまうんですね。普通だったら丸焦げになってしまうんですが、神話ですからもちろん死にません。コノハナノサクヤヒメは猛火に包まれながら出産、3人の皇子(2人説、4人説あり)を産みます。火が最も盛んな時に生まれたのが火照(ホデリ)、火の勢いが少しずつ弱まるときに生まれたのが火須勢理(ホスセリ)、火が静まるときに生まれたのが火遠理(ほおり)となっています。ホデリが海幸彦で、ホオリが山幸彦(後の神武の祖父)となることは、すでに述べたとおりです。

これはかなり難解な物語で、いったいどうやったら史実となりうるのか、ずいぶん考えました。そして考え付いたのが、次のストーリーです。誰が父親かわからないような子をコノハナノサクヤヒメが産むことがないように、ニニギは自分が不在のときにはコノハナノサクヤヒメを外出させないように閉じ込めたのではないかと思うんですね。だから「出入り口のない産屋」で「壁を土で塗り固めた」と、まるで牢獄に入ったような表現になっているんです。貞操帯ならぬ貞操屋、あるいは江戸時代の大奥のような所でしょうか。

火の勢いは、そのままニニギの疑いの炎の大きさとなるわけです。最初の子は、もしかしたら嫁ぐ前に出雲族の男との間にできた子かもしれないわけですから、嫉妬の炎が一番激しかったわけですね。二番目の子は、コノハナノサクヤヒメを自分の手元に置いておいたときの子なので、疑念の炎は少し和らいできます。そして三番目の子は、完全に「大奥」に閉じ込めておいたときにできた子なので、嫉妬の炎も疑念の炎も静まっていたわけですね。

ニニギとしては、確実に自分の子であるとわかっている三男のホオリを世継ぎにしたいですよね。もしかしたら出雲の子かもしれない長男のホデリを後継ぎにするわけにいかないと考えるのは、当然と言えば当然です。そこで海幸彦、山幸彦の争いの物語となるわけです。この神話を作った側から見れば、なんとしてでも山幸彦の正統性を強調したかったことがわかりますね。長男の海幸彦をいじわるで融通の利かない男のように描いています。そして最後には山幸彦が英雄的な業績(釣り針=神器の発見と、魔法の玉=行法の獲得)を成し遂げたことにして、海幸彦を正統な後継者の座から引きずりおろしてしまうわけです。

こうした兄弟の立場が逆転する世継ぎ問題は、旧約聖書に出てくるイサクの息子たちの話にも似ていますね。エサウとヤコブの兄弟がいて、弟のヤコブが後継ぎに選ばれたという話でしたね。ヤコブもまた、英雄的な業績(神との相撲に勝って、イスラエルの称号を獲得)を成し遂げ、正統性を認められました。

しかし存在感を消されてしまったのは、真ん中に生まれた二男のホスセリです。無事に生まれたようなのですが、その後やはり焼け死んだのか、殺されたのか、どのように生き長らえたのか、まったく記されていないんですね。おそらくこの神話を書いた筆者は、出雲族と大和族をそれぞれホデリとホオリに重ね合わせていたので、古代イスラエル人に相当する人物を作り出したかったのでしょう。それで中立を象徴する真ん中の子としてホスセリを登場させたのかなとも思えます。

さあ、これで「誰の子」問題は一応の決着をみたわけです。
でも大和族の前に立ちはだかった難問には、「誰の子」だけでなく、さらにもう一つ大きな問題がありました。それが神器の問題だったんですね。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.04.25 23:28:55
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

立山の百姓@ 尖山について はじめまして。 尖山の近くで農園を営ん…
simo@ Re:新刊『UFOと交信すればすべてが覚醒する』の解説(03/21) こんにちは。初めまして。 昨年妻が海で撮…
たぬき@ Re:ニニギの兄に祭り上げられたホアカリの正体(03/12) ホアカリ。 徐福が秦の始皇帝の使節を隠れ…
たぬき@ Re:サノノミコト(神武天皇)になぜ神が付いたのか(07/29) ジンム。と読まずに 大和言葉風味、古代語…

カレンダー


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: