文春新書『英語学習の極意』著者サイト

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美術館・画廊メモ 18

平成24年9月7日~11月10日の美術日誌。日付の新しい順に記録してあります。 (画廊展はほぼ4件に1件の割合で、これは! というもののみ記録しました。)
各項冒頭の6桁の数字は日付です
(例: 220108 = 平成22年1月8日) 。 展覧会名にリンクが張ってあるものは、ぼくのブログ本篇の関連記事へ飛びます。
このひとつ前の 平成24年7月9日~9月6日の美術日誌 は、 美術館・画廊メモ 17 にあります。
このひとつ後の 平成24年11月11日~平成25年1月21日の美術日誌 は、 美術館・画廊メモ 19 にあります。

241112  3331 Trans Arts 展 (~11/25) @ 3331 Arts Chiyoda メインギャラリー  (外神田六丁目)
(800円の入場料は、カンパという気がした…。JKD Collective の映像がよかったですねぇ。といっても、けっきょくカラフル画像があって、女の子が水にしたたっていたからでしょ。)

241111 GTS (藝大・台東・墨田) 観光アートプロジェクト  隅田川 Art Bridge 2012 GTS Award (~11/11) @ スシタマチ Base (東武線高架下倉庫@向島一丁目)
(ガネーシャ神をモチーフにしたパフォーマンス映像3点と、パフォーマンス装束を神棚めかしたインスタレーション。藝大修士在籍の林千歩 (ちほ) さんの最新作。AKB48クラスのルックスと思い切りのいい楽天性格をぜひ生かして活躍してほしいです。それにしても、ほかの連中はからきしチカラが入ってなかったな。見るに値したのは千歩ちゃんの作品だけだったよ。)

241109  内田裕子 陶展 ―彩りのうつわ― (~11/13) @ 銀座三越8階ギャラリー  (銀座四丁目)
(彩色は枯淡なのに、デザインはときにコミカルなイラスト調。このミスマッチがなかなかいい。昭和36年京都市左京区生まれ、平成10年に山科で開窯。)

241108 東京駅復原工事完成記念展  始発電車を待ちながら  東京駅と鉄道をめぐる現代アート9つの物語  (~25/2/24) @ 東京ステーションギャラリー  (東京駅丸の内北口改札脇)
(大規模な環境展示も OK の、現代アートに向いたギャラリーとして、以前とは別のスペースに再臨。林泰彦さん・中野裕介さんのプラレールのインスタレーションは、おちゃめな教会空間。クワクボリョウタさんの LED 電球つき鉄道模型が生む 「影」 のシンフォニー。開館当初は整理券を配っていたそうだが、今はゆっくり見られます。)

241108  ジョルジュ・ルオー  I Love Circus  (~12/16) @ パナソニック汐留ミュージアム
(Georges Rouault の宗教画は見てきたけれど、今回サーカスをテーマにした作品群を見て、ルオー作品が一気に好きになった。それ自体がすでに崇拝物を主張してしまうキリストの絵より、哀歓にすなおに対面できるピエロの絵がいい。ルオーは、馬をさらっと描くのもうまい。色彩がシャガール作品を連想させる (でも絵具の塗りはまぎれもなくルオーの) 1925年作品 「小さな女曲馬師 La petite ecuyere」 が気に入った。展覧会は、1世紀前のフランスのサーカスの映像記録もあって、楽しめた。)

241107 アントワープ王立美術館所蔵  ジェームズ・アンソール  写実と幻想の系譜  (~11/11) @ 損保ジャパン東郷青児美術館  (西新宿一丁目)
(James Ensor の髑髏や仮面の幻想画にたっぷり浸れるのかと思ったら、そのスタイルの作品は点数が少なくて、拍子抜け。じつはいちばん気に入ったのが、特別出品の豊田市美術館蔵 「愛の園」 が描く演劇空間でした。あと、小品の 「悲しみの人」。あと、有名な仮面群像 「陰謀」。Alfred Stevens の写実画 The Desperate Woman.)

241107  対話する時間 世田谷美術館コレクションによる現代美術展 (~11/11) @ 世田谷美術館  (砧公園)
(コレクション展でこれだけ高レベルで新鮮感あふれる展覧会ができるのに脱帽。ちらしに使われている李禹煥さんの 「線より」 は、実物をみると青い筆おろしが脳内で動き出す。縮小すると失われるものが多い作品で、ちらしやポスターには不向きだな。福田美蘭 「3DS ― 緑の巨人」、Steven Campbell 「ねずみ取り」、横尾忠則 「ジュール・ヴェルヌの海」。午後半休して訪問。)

241106  粉川 (こかわ) 江里子個展 いまここにあるもの (~11/18) @ The Artcomplex Center Tokyo (Act 5)  (大京町)
(さらりと仕上げた美形の女性横顔のアクリル画の小品3点がよかった。きょう初日にまとめ買いされたというのも納得。この路線で、ぜひ! パステル画の花卉もうまいけど。武蔵美油絵卒。)

241106  韓国人留学生による現代アート展 Challenge Art in Japan 2012 (~11/17) @ 韓国文化院ギャラリー 「美 (Mi)」  (四谷四丁目)
(ギャラリー Q の上田雄三さんのキュレーションによる13人展。瀬戸内の直島へ向かう船から見た近・遠景のモノクロ4連作 (白寅惠さん @ 多摩美油画博士課程在籍) が、ベストかな。全体にどれも小ぢんまりした感じで、いまひとつ新鮮さがなかった。)

241106  早川有紀個展 (~11/10) @ Gallery b. Tokyo  (京橋三丁目)
(人面の写実描写、デザイン性、凡庸を感じさせない色選び。くっきりした全体構成のなかで、細い筆致の人面がやや弱々しいのが惜しいが、きっと大輪の花を咲かせる作家だ。筑波大版画 修士在籍。)

241106  竹内幸子 (さちこ) 展 (~11/10) @ K's Gallery  (京橋三丁目)
(人物をぎりぎりまでデフォルメし、存在と共生のメッセージとして円熟味あるマチエールに配する。K’s Gallery の展示作品は純粋抽象画が多く、ぼくは苦手なのだが、竹内さんの作品は具象にフックをかけているので楽しめた。昭和41年、日大薬学卒。二科会会員。)

241106  津島岳央 (たかひろ)  灰色の魔女 (~11/10) @ ASK? (P)  (京橋三丁目)
(展示室中央の床の鏡面から浮き上がりたつ vanitas のホログラムにまず驚く。髑髏は作者自身の頭蓋をスキャンしたもの。細かい色点からなる油画と思えた作品は、何十枚もの写真から映像情報を細かく切って合成した画像プリント。奥の部屋には揺り椅子に置かれたテレビ等から成るインスタレーション。多摩美情報デザイン卒、東京藝大先端藝術表現 院修了。)

241106  大谷祐里枝展 ―白磁 凍土 (いてつち) ― (~11/29) @ LIXIL ガレリアセラミカ  (京橋三丁目)
(レース細工のような陶の器。いつくしみが生むゆがみと手作り感が、一点ものとしてアートを主張する。)

241102  リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝 (~12/23) @ 国立新美術館 1E
(会場中央、天井画4点を天井に配し、華麗な離宮室内の雰囲気を再現した環境展示は圧巻。特定の作品に人だかりすることなく、こころよい名品展だった。ちらしやポスターに使われた、ルーベンスが5歳の愛嬢クララ・セレーナをいきいきと明るく描いた肖像画は1616年頃の作というが、時代を3世紀先取りしている。いまひとつ、ヴァン・ダイクのマリア・デ・タシス肖像画も納得の名品。もう一度訪れたい美術展だ。)

241102  藤井 蓮 展 (~11/2) @ ギャラリー広岡美術  (神田駿河台三丁目)
(グアッシュで枯れ色で彩色した紙をちぎって、向日葵や慈姑の貼り絵。味がある。昭和54年京都市生まれ。)

241101  Claudia Ahlering: Still Alive (~11/4) @ hiromart gallery tokyo  (関口一丁目)
(机上に並ぶ枯れ人参に交じって切断された指が1本。まどろむ女性の胸元の猿のぬいぐるみがこちらを凝視する。綿布を張ったことで、ややしっとりした味わいの油画。ファイル販売のペン画も、いいのが。前回の個展で水彩画を2作買い求めた作家です。)

241101  西村沙由里展 (~11/3) @ ギャルリー志門  (銀座六丁目)
(佐藤美術館の奨励展で見た、風雲の龍の銅版画。今回は6枚を貼り合わせた1800×1800の大作 「山越え」 から、求めやすい小品まで。作家さんは明朗で話し好きの愛くるしいひとで、版画界の松井冬子になれると思います。昭和63年生まれ、東北藝工大洋画 修士在籍。)

241101  塩崎顯展 エ・ソ・ラ・ゴ・ト (~11/3) @ 靖山画廊  (銀座五丁目)
(丁寧な写実の腕がつくる虚構にまとわりつく情念。丹念な作業で色を置き、画面は刺繍のような味わい。小石に2羽が坐る「一石二鳥」など、根底にあるユーモア。でもいちばん美しかったのは、ギャラリストの佐甲朋子さんでした。)

241030 αMプロジェクト2012 vol.6  衣川 (きぬがわ) 明子展 (~11/24) @ gallery αM  (東神田一丁目)
(ルオーのキリスト像を朦朧調で描いたような油画もさることながら、ぼくが気に入ったのはミュージカル CATS の老猫を描いたと評すべき (そこにいた衣川さんに聞くとそういう意識はなかったそうだが) 凄絶を押し隠した人面猫の顔。金持ちなら、買ったね。)

241030  清水智和展 (~11/3) @ アートスペース羅針盤  (京橋三丁目)
(黄色い建機、土管の転がる工事現場を岩絵具で描く。意表をつく素材は新鮮だが、画面に人を配せば、見せる絵になったのに。自動車の正面を描いた小品も、ナンバープレートが真っ白はいただけない。もう一歩の踏込みを! 昭和46年生まれ、多摩美日本画 院修了。)

241026 東京国立近代美術館60周年記念特別展  美術にぶるっ! ベストセレクション 日本近代美術の100年 (~25/1/14) @ 東京国立近代美術館 
(11月27日から展示替えということだったので早めに行ったのだが、展示替え対象は数えるほど。1時間15分で、第I部 「MOMAT コレクションスペシャル」 だけ観た。海外作家作品と第II部 「実験場1950s」 は次回に。あれだけ広告を打ってきたのに観覧客が少ない。ぼくにはありがたかったけどね。)

241024  小川香織特集 (~10/30) @ 銀座三越8階 アートスペース∞  (銀座四丁目)
(Gallery 枝香庵で彼女の鉛筆画を見たとき才能を感じたが、もっと しなやかさがほしいなと思った。今回会場で小川香織さんご本人に会ったら、たおやかな気品のあるひとだった。ファイルの数年前の作品を見ると、描かれた女性にしっかりした表情があり想いがわきたつ。「最近作は、掃いて捨てるほどあるイラスト作品になってしまっている」 と、初対面なのにずけずけ批判してしまった。あぁ、小川香織さんがうつくしすぎたからだろうか。申し訳ないことをしました。
帰宅後やはり気になり、ネットで小川香織さんを検索して、ボングゥーのサイトで 「忘れられたメロディー」 を購入 (73,500円、平成22年作品) 。モチーフは、映画 「ヒューゴの不思議な発明」 に通じる。少女の顔は、武井 咲さんふうですね。)


241024  宮本典刀 (のりわき)  (~10/27) @ 養清堂画廊  (銀座五丁目)
(銅版画なのに木版画のような色遣い。シンプルな構成のなかに情がこもる。財布が許せば小品を買いたかった。)

241022  ―chaos― 谷口育美展 (~10/27) @ Gallery Q  (銀座一丁目)
(狭い白タイルの浴室で右足をあげて毛を剃る可憐な女性の手つきと、うつくしい曲線、のモノクロ写真が DM 葉書で、作品を買う覚悟で行ったのですけど、DM 葉書のプリントがベストでした。このテーマは1枚きりで、あとは雑然とした日常を撮っています。)

241022  銅版画3人展 浅野綾花・藤原杏菜・森本由貴子 (~10/27) @ T-BOX  (八重洲二丁目)
(蔭のあるファンタジー童画の味わい。浅野さんの小品の色もいい味で、大きな作品も刷りムラがなければヘタうま。)

241022  菅田幸子 (すがた・さちこ) 展 (~10/28) @ Oギャラリー UP・S  (銀座一丁目)
(ちょっと哀しくみえる女性ポートレートを、味のあるクレパスと鉛筆で。菅田作品は1枚もっていて、今回も欲しいものがありましたが、しばし我慢。)

241020  篠山紀信展 写真力 (~12/24) @ 東京オペラシティ アートギャラリー  (西新宿三丁目)
(人物像という最高のドラマを紀信さんが最高の料理法で撮っているのを、あらためて感じました。
寺田コレクションからの収蔵品展も、いつもながら波長が合う。12/24 までの企画は 「やさしさの気配」 と題して。中野滋さんのテラコッタ作品「ポニーエクスプレス」が心にしみた。川口起美雄さんの 「ペリカンの庭―Mussetに―」 も、渋い色調とコントラストに引き込まれる。
project N コーナーは、榎木陽子さん。ワイルドな描法と、ベルギー留学で培われた重厚な色調。)


241019 東京都美術館リニューアル記念  メトロポリタン美術館展  大地、海、空 ― 4000年の美への旅 西洋美術における自然  (~25/1/4) @ 東京都美術館
(風景画を基本旋律にした、地味な展覧会。この日は夜9時までの開館で、閉館前の至福の30分を神話世界への憧憬とともに過ごす。1枚いただくとしたら、ヤン・ブリューゲル (子) の細密幻想画 「冥界のアエネアスとシビュラ」 かな。)

241018  yacoh35 Nightglow 2012 (~10/21) @ Bunkamura Box Gallery  (道玄坂二丁目)
(もともと画家で、描くためにモデルの写真を撮るうちに、写真を作品そのものとすることにしたという yacoh35 さん。渋くも劇的な照明やソラリゼーションで、女性のヌードからエロが洗い落とされて、美しくもパワフルなモノクロ写真に仕上がっている。作家さんは腰のひくいお人柄。絵葉書セット購入。)

241017  岡田修二展 (~10/27) @ ギャルリー東京ユマニテ  (京橋二丁目)
(超絶写実の水辺シリーズ。近づくとじつはかなり輪郭がぼかされた油画だが、絵から距離をとるとあるところでパシッとピントが合う快感の錯覚。昭和34年高松市生まれ、京都市立藝大博士後期修了、成安造形大教授。)

241017  林 聖子 銅版画展 (~10/20) @ T-BOX  (八重洲二丁目)
(「月のあかるい晩」 「フリスビー」。飾りのない人間のこころまで活写した、一生ぼくのこころに残る版画。)

241016  塚本誠子展 花・鳥・風・月 (~10/20) @ 純画廊  (銀座一丁目)
(「漂泊の途」 「空の休日」 など、イリュージョンに引き込まれる日本画。)

241016  伊藤千恵子展 vol.8 (~10/20) @ Gallery 銀座フォレスト  (銀座一丁目)
(いちばんきれいなのは和装の作家そのひとだった、という時々あるパターン。極彩色の肉筆浮世絵と申せましょう。ファイルのなかの洋服ものがよかった。)

241015  寺田敏行展 (~10/21) @ Oギャラリー  (銀座一丁目)
(立て込んだ建物を抽象して描く。味わいある塗りの色違い。ひとの表情さえ帯びる建物群は、ふしぎなリアリティがある。)

241015  山本佳菜展 (~10/20) @ Galerie Sol  (銀座六丁目)
(オリーブ色と紺に赤が基調色。いい絵だし、老年の男性群像というテーマも面白いけど、需要があるかは別なのね。)

241015  人造乙女博覧会III (~10/20) @ ヴァニラ画廊  (銀座六丁目)
(目をそらすことなく見つめつづけてくれるラヴドールは、ぼくが独身だったらきっと自宅にいてもらうと思うけど、居場所が…。今回は、「愛玩人形家具」という新ジャンルも提案。ラヴドール自身がバーカウンターになり、あるいは本棚の奥に立つ。)

241015  本多精之輔パステル画展 無垢な少女とヴェネチア繚乱 (~10/21) @ 銀座 幸伸ギャラリー  (銀座七丁目)
(ヴェネツィアは年に1度は訪問して。少女たちは、広告会社勤務時代に、退職したら描きたいととっておいた写真を素材になさった由。昭和14年生まれ、金沢美工大日本画卒。)

241013  天明屋尚 「韻」 展 (~11/11) @ Mizuma Art Gallery  (市谷田町)
(左右対称で微妙に色ちがいの戦闘図は、褌の武将と華麗な馬具の馬々。石庭は深紅の砂に、髑髏のひそむ黒石を配して。)

241013  第21回奨学生美術展 (~11/4) @ 佐藤美術館  (大京町)
(横山瑛子さんの「いつか美しく」、丁寧な写実をしつつ、現実をひょいと外して墓石が倒れる。西村沙由里さんの、生きたまま立ち腐れんばかりの龍と鳳凰の銅版画。特別展示は、佐藤美術館が買い上げた高橋舞子さんの 「涙でできた石を積み」。五美大展でも見たが、闇の池と美しい星空のあいだの小屋を照らす不思議な光は、魂に残る絵だ。)

241013  ホームアゲイン ― Japan を体験した10人のアーティスト (~11/18) @ 原美術館  (北品川四丁目)
(10人展。サンフランシスコ在住の Mary Elizabeth Yarbrough さんの、カラーテープ切貼りのポップな写実。Khadim Ali さんは、アフガニスタンの少数民族でパキスタン在住、伝統細密画技法の絵に味わい。)

241012  大倉ひとみ個展 町工場ジンタ (~10/17) @ ギャラリー ツープラス  (銀座一丁目)
(テーマも描き方もノスタルジックで、出来上がったものは新しい。)

241012  牛島光太郎展 意図的な偶然 (~10/27) @ LIXIL ギャラリー  (京橋三丁目)
(なにげないモノに、刺繍されたメッセージの白い布。それが続くうち、脳の回路が変化して、展示室奥の壁面に並ぶ小さなガラクタが不思議にいとしく、意味を読み取ろうとする自分がいることを発見して驚く。)

241012  金井訓志 (さとし) 展 (~10/27) @ ギャラリー椿  (京橋三丁目)
(「当世若衆之図」 シリーズ。かすかにパンクで、はずしてる個々人をくっきりと。端的に、わかいひとのテーマだけど、作ってるのは昭和26年生まれのひとだから、まいっちゃうよね。)

241011  Mycophilia Mycophobia 飯沢耕太郎×村田兼一 きのこの愉しみと恐怖 (~10/27) @ 神保町画廊  (神田神保町一丁目)
(飯沢さんのコラージュ作品は、なにかと欲張りすぎましたかな。村田さんの、きのこに囲まれた少女ヌード写真は、取り合わせの成功。きのこのない1枚が、とても欲しくなりましたが、我慢。)

241010  矢澤健太郎展 (~10/20) @ アトリエスズキ  (銀座五丁目)
(まるで彩色南画のような油画。配色・混色の妙が、軽妙な筆さばきで展開する。)

241010  ブライアン ヴァレス 写真展 (~11/2) @ Reijinsha Gallery  (銀座六丁目)
(DM 葉書の作品は溶解した色硝子に見えたが、水の動きを高速度撮影した写真というから驚く。水や煙の思いがけない姿。Bryan Valles 氏が何枚撮った末の1枚やら。部屋に飾るより、パッケージデザインに応用すると活きる作品と見た。)

241010 作品集刊行記念  中林忠良展 もう一つの彩月 (~10/20) @ 日動画廊 B1F  (銀座五丁目)
(野の植物の葉や花の景を風雅に取り込んだモノタイプ。東京藝大名誉教授。)

241009  大平由香理展 はじける世界 (~10/14) @ 画廊くにまつ 青山  (南青山二丁目)
(以前、東北藝工大卒展で超彩色の山々の大屏風を見た。過去ファイルを見ると、初期にはモノクロ (に近い) 作品が。 「卒業制作で作風が変わった」 と由香理さんは言う。画廊奥の 「彩山」 はメディウムを彫り込み万華の岩絵具で彩色した峰々と、かっと赤い空。欲しいなと思ったが、個展初日に山本冬彦さん購入と。作品は玉石混交だけど、素直で明るく ひとをなごませる人だ。)

241007  2012 東美アートフェア (~10/7) @ 東京美術倶楽部 1/3/4F  (新橋六丁目)
(茶道具・古美術のブースには自ずと引け目を感じる。といっても112のブースがあるから、1時間半かけて回った。山下画廊/長田佳子日本画展の 「五衣 (いつつぎぬ) 」 がよかった。暗い浴室で湯をつかう少女の姿が わずかな光でほの見える。作家ご本人もうつくしいかたである。春風洞画廊/森本純展の 「葉漏れ日」 は白昼夢のような夏の女性。新生堂は、祝迫 (いわいさこ) 芳郎さんの新作、羊の軍団人形。羊の頭領は重量級で形相も甲冑も迫力満点だ。佐藤草太さんの新作は、渋さが ひ弱さに変じかけていて心配。)

241006 take a round tamaki×susaki (~10/7) @ 吉野純粋蜂蜜店のギャラリー  (高円寺北三丁目)
(高円寺北口の純情商店街は、はじめてだ。楽器と合体した昆虫を銅版画で描く、多摩美 院在籍の玉木久也さんの新作展。玉木さんの作品は1点もっているのである。個展相棒の須崎喜也さんは版画を切り貼りして立体紙細工を。)

241005  操上 (くりがみ) 和美 ― 時のポートレイト  ノスタルジックな存在になりかけた時間。  (~12/2) @ 東京都写真美術館 2F  (三田一丁目)
(写真にぼくが期待するものとあまりに落差があり、これはないぜと思った。玄人さんからは評価されているのだろうけど、ぼくは5分で見終ってしまった。)

241005  機械の眼 カメラとレンズ (~11/18) @ 東京都写真美術館 3F  (三田一丁目)
(コレクション展。楽しめますね。Duane Michals (ドゥエイン・マイケルス) の6枚組小品 Paradise Regained が、ユーモラスでかわいい。)

241005  枝史織展 眩暈の街 ―衣食住・委嘱獣・異色従― (~10/13) @ Fuma Contemporary Tokyo  (中央区入船一丁目)
(ポール・デルヴォーを凝縮純化すると枝史織作品の世界になる。表情のない美しいヌードが、独特の道具立ての幻想世界に神出鬼没。描きだす前に紙細工でつくる幻想舞台モデルも展示されていて 「これを作っているときが実はいちばん楽しい」 と枝史織さんは言う。何十もの洗面台が横にならぶ 「洗面所」 が買いたかったが、いま破産状態なので断念。今回は、大判のエスキースも多数展示あり。)

241005  ポール・デルヴォー展 夢をめぐる旅 (~11/11) @ 府中市美術館
(展示作品数は多いとは言えないが、初期から晩年に至る作風の変遷や、デルヴォー幻想世界のさまざまなエレメントの出自がわかり、教育精神に富む展覧だ。それにしても、府中市美術館は不便なところにあるね。)

241004  今川教子 ―音― (~10/6) @ 純画廊  (銀座一丁目)
(俳句でいう二物衝撃の精神だろう、たとえば 枯れたえのころ草の絵と揚羽蝶の絵を組んで額装する。とかげ。発電所。人物画でなくても、このかたの日本画はほしいと思った。。)

241004  中村美穂展 (~10/6) @ Gallery 銀座フォレスト  (銀座一丁目)
(高校生の学校の日常に取材した、淡い色調の水性木版。あぁ、このひとは、しあわせな生活をしてきたんだと心があたたまる。)

241004  三綺画人展 (~10/9) @ Gallery 銀座一丁目
(行ったら、Galerie Or・Terre で阿部哲男さんの銅版画を売ってくださった井関 周さんがいた! 井関さんは幻想画作家だったのか。人物写実幻想画なので、ぼくの好みのジャンルにぴたり。万画廊で個展を拝見した中川知洋さん。あと、相原みゆきさんの3人展。)

241004  花木テンミ展 Abstract Face - 3 (~10/6) @ Gallery Q  (銀座一丁目)
(女性。顔の筋肉をねじりひねりこねる。百面相を表情としてではなく物質として見てくださいというのが、個展の副題の意図だろうか。)

241003  金子久雄個展 (~10/6) @ スルガ台画廊  (銀座六丁目)
(野生動物の描き方がふた味ちがう。絶滅危惧種の牛をヘリコプターでビル街に吊るしたさまを魚眼レンズでとらえたような大作とか。昭和25年生まれ。次作も国展で!)

241003  カオス 混沌 ―明日への問いかけ― (~10/3) @ ギャラリー日比谷  (有楽町一丁目)
(質の高い13人展。大本幸大さんの獣人喫茶の図など。ほか、伊藤 俊、市野英樹、舘野 弘、本田希枝、増田常徳、大橋忠幸、加藤 修、水上泰財、向川貴晃、伊東一誉、小林 満、八嶋洋平のみなさん。)

241002  高嶋英男展 (~10/9) @ Koki Arts  (東神田一丁目)
(初めて行った Koki Arts は、藝術家夫妻のご子息、石橋高基さんが経営しております。道に迷ってたいへんでした。さて、高嶋英男さんは、白地に藍文様、金縁の壺を、顔や脚に見立てた人体陶で勝負してきました。日本画から工藝、彫刻へと進んだひと。)

241002 絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.5  小西紀行 (としゆき)  (~10/20) @ gallery αM  (東神田一丁目)
(ふにゅにゅ、ぐじゃじゃと油彩の家族像。たぶん、筆のほかに、タオルを使って面のような線を押し描いているのではないかな。はっと気がついた。模写が限りなく困難だ。)

241002  久里洋二 (くり・ようじ) 展  過去の作品を振り向いてそして 第一歩!! (~10/13) @ art space kimura ASK?  (京橋三丁目)
(ユーモラスな絵の数々。ぼくは、奥に掛かるマチスふうの裸婦の油画大作がいいな。『ボクのつぶやき自伝 @ yojikuri』 (新潮社) を購入。)

241002  依田洋一朗展 Breakfast Is Important (~10/13) @ 南天子画廊  (京橋三丁目)
(三鷹市美術ギャラリーでの回顧展と連動した新作展。来れて、よかった!)

241002  酒井 崇 (たかし) ボールペン画展 (~10/6) @ Gallery b. Tokyo  (京橋三丁目)
(ちからのあるドローイング。怪異ものに流れたけど、もともとはしっとりと女性を描く作家。「彼岸花の娘」 がよかったな。買おうかなと迷った。昭和53年生まれ、多摩美油画卒。)

240929 館長 庵野秀明  特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 (~10/8) @ 東京都現代美術館
(入場券を買うのに20分、入場するのに40分の列。日頃は現代美術館に縁のない人たちが多数詰めかけたわけである。特撮番組の道具や仕掛けは、いまや史料価値を帯びている。アートがようやくこの世界に追い付き、特撮にまつわるモノやドローイングが、すんなりとアートのカテゴリーにホール・イン・ワンだ。)

240929  Future Beauty 日本のファッションの未来性 (~10/8) @ 東京都現代美術館
(最後のコーナーの作品群が絵画的で、いちばんよかった。現代絵画のなかにファッション発見を試みるコーナーがあってもよかったのでは? それとも、現代絵画はファッション革新とは無縁なのか。)

240928  シャルダン展 ― 静寂の巨匠 (~25/1/6) @ 三菱一号館美術館  (丸の内二丁目)
(Jean Simeon Chardin, 1699 - 1779. 時代に2世紀先んじて生まれ、時流に媚びずに描きたいものを描き、卓越した観察眼と技法を一作一作に結実させた。じつに、あたらしい。それが、フェルメールにも通じる。)

240925  たんたん個展 のん・ふがふが (~9/25) @ アートコンプレックス・センター2F ACT3  (大京町)
(眼鏡のたんたんさんもコミカルで好きですが、眼鏡なしのたんたんさんは、かわいい子鹿のような目をしていて美人なので、びっくりです。)

240925  妄想内燃機工匠 ―京橋倉庫―  設計・製作 塩澤宏信 (~9/29) @ ギャラリーなつか  (京橋三丁目)
(エンジン車輛化した陶恐竜。塩澤作品は、プテロザウルスを1点所有しております。今回は作品がみな手ごろなアクリルボックスに収まっていて、ワイルド感のない展示になっていたのが惜しまれます。)

240925  中川知洋個展 ―君かもしれない― (~9/30) @ 万 (よろず) 画廊  (銀座一丁目)
(オーソドックスな幻想画、というのは形容矛盾かもしれませんが、そういうことなんです。オブジェもおもしろい。水をかけて少しふやかしたい気もします。昭和49年生まれ。)

240924 日本画二人展  神保千絵 松本慎吾 (~9/29) @ Galerie Sol  (銀座六丁目)
(メカニックな魚介を岩絵具で描く松本慎吾さん。羅針盤、煉瓦画廊、ぎゃらりぃ朋に続き、六丁目の Sol と、神出鬼没ですなぁ。)

240924  椿崎和生展 (~9/26) @ Gallery 枝香庵  (銀座三丁目)
(いつも何かを鉛筆で描く作家がいるように、このかたは身近の木板・木材を彫り、塗り、かたちにせずにはいられないひとなのでは。素朴アート。)

240924  白石綾子展 (~9/29) @ Gallery Q  (銀座一丁目)
(華麗な花柄のバックに、顔を隠した女性がすこし乱れて。日本画と思われたが、じつは花柄はプリント生地で、そこに礬砂をひいて油彩でバックをくすませ、女性と着衣の襞まで活写した。昭和57年生まれ、武蔵美 院修了。)

240924  山崎克己 紙刻繪展 (~9/29) @ スパンアートギャラリー  (銀座二丁目)
(今年も! やはり秀逸は、地面に刺した大釘に倒立して頭を乗っけ、尻を木槌で叩き黄色い星が3つ飛び出す DM 葉書の絵だね。ほら、子供たちが後に続こうとしているよ。)

240922  Shu Konishi ~名もなき花たちへ III~ (~10/2) @ マキイマサルファインアーツ  (浅草橋一丁目)
(女性のもっともうつくしいあの花々を、背後から型どりした。特殊メイクが、アートのスタイルを切り開く。小西 修さんは、昭和31年生まれ、東京藝大 院修了。)

240922  星山耕太郎展 ―彼岸の考察― (~9/24) @ 吉祥寺 百想 gallery re:tail  (吉祥寺本町三丁目)
(ぼくが応援している星山さん、今回はモノクロの新境地。墨絵ながら、山水画や佛画のスタイルからは全く自由に、星山曼荼羅がタロットカードのように展開する。前に星山さんに会ったとき、「保管に便利な絵巻物作品があるとうれしい」 と伝えたら、今回は生物進化をモチーフにした絵巻物 「変身 II」 の出展あり、購入 (kvardek ok mil) 。ファイルを見ると、小説が喚起した小品も多く、なかでも 「ジキル博士とハイド氏」 をモチーフにした2点あり、わけていただくことにした (dudek mil) 。個展の場所は、黒で統一された、改装前の民家の2階。すてきだ。)

2409222  記憶のドラマ 依田洋一朗展 (~10/21) @ 三鷹市美術ギャラリー
(重厚な劇場空間と映画キャラをモチーフにした依田作品は、平成22年に南天子画廊で見て、気に入った。劇場はぼくにとって聖地だし、米国の古いホテルの味も好き。一作一作に吸い込まれそうになる本展は、ぼくにとって今年最高の展覧会だ。)

240920  田川春菜 “ぽっかりの中” (~10/13) @ アート★アイガ  (八丁堀二丁目)
(富士山麓の街を雲間から見下ろす巨大な少女の顔、水滴のリアルさ。卒展作品に再会。今回はドローイングも。ほんとに絵が好きで、雑談しながらでも絵を描きつづけている女の子なんだそうだ。)

240920  小野耕石展 (~9/29) @ 養清堂画廊  (銀座五丁目)
(Gallery Suchi の飲み会でお隣同士になり盛り上がった耕石さんは、風貌がちょっと川平慈英 (かびら・じえい) さんに似ている。何十版も摺り重ねた特殊インクのシルクスクリーン版画でつくった彩色突起群を “削柱移植” してコラージュする。破壊や荒削りを加えた作品もあっていいんじゃないかと思うけど。)

240919 ミツイアート企画  「flow with density」 加藤亜矢子 橋口美佐 (~9/19) @ 新宿眼科画廊 スペース0  (新宿五丁目)
(ぼくが絵の初めての購入者であった、多摩美油画の橋口美佐さん。前回の「女性」に引き続き、今回は「女子」を購入 (kvardek mil) 。女の子の溢れながれ浮遊する思いを絵にした、と。「絵にパンチがほしいな」 と、ちょっと加筆をおねがいしました。加藤亜矢子さんも、大作はヴィヴィッドな色彩で奥行感のある作品に仕上げていて、ちからのある作家。)

240919  北村奈津子 快適なる1/3の人生の為の羊 (~9/24) @ Gallery Tsubaki/GT2  (京橋三丁目)
(企画ものの、おもしろいオブジェを繰り出してきた、多摩美油画出身の作家。粘土と和紙で仕上げた羊は、かわいい首つきと、首なし番号札君と。)

240915 国立トレチャコフ美術館所蔵  レーピン展 (~10/8) @ Bunkamura ザ・ミュージアム
(Ilya Repin の約80点の作品。会場に入るまで実はぴんと来なかったのだが、見てつくづく、よかった。愛妻 Vera のまどろみを描いた絵には、あふれるような愛を感じる。日傘をさす娘の Nadezhda は、神経質そうな目もとがリアルだ。ピアニストの Sophie Menter の、華やぎのあるポートレート。画家 Grigory Myasoedov の肖像も味がある。)

240915  串野真也 (まさや) 展 「Re-born」 (~9/23) @ 西武渋谷店B館8階オルタナティブスペース
(華やかな黒。革で手作りの女性のハイヒールと髑髏バッグ。デパートにあると服飾と紙一重だが、藝大の修了展あたりにありそう。京都藝術デザイン専門学校卒後、イタリアの Istituto Marangoni ミラノ校にも留学。)

240914  黒のラビリンス (~9/17) @ Gallery 枝香庵  (銀座三丁目)
(良質の7人展。Takorasu さんは、緻密な線画をさらにシャドーボックス作品に仕立てる。小川香織さんの少女画。ほかに、武内ヒロクニ、ツリタニユリコ、平澤重信、中村眞弥子、酒井 崇のみなさん。)

240914  大和田詠美 (おおわだ・えみ) 展 Dreaming Seafood/夢みる魚介 (~9/15) @ Gallery-58  (銀座四丁目)
(イカの立像。蛸もいたよ。今回は石粉粘土作品。ファイルを見ると陶作品でも面白い見世物作品があるね。)

240913  村田タマ展 「玉手厘」 (~9/29) @ 神保町画廊  (神田神保町一丁目)
(村田兼一さんの弟子にしてモデルにしてペットの…。幻の写真集 "Upskirt Voyeur" を購入。)

240913  荒川淳彦 (あつひこ) 展 Jamais vu II (~9/26) @ Satelites Art Lab.  (神田神保町一丁目)
(扉や窓を厚塗りで。わたしから見れば幸せな経歴のひとで、多摩美の前身の多摩美術学園藝能美術卒後、NHK から、いまはフジテレビ美術政策局のゼネラルプロデューサー。昭和27年生まれ。)

240911  そらみずほ個展 「未完の輪廻」 (~9/16) @ アートコンプレックス・センター2F ACT4  (大京町)
(Geisai でも見た作家。淡あわしたところと毒どくしたところと両方を出して、かわいい女の子を描く。「未完の輪廻」と「白濁した自画像」の絵葉書購入。)

240911  成瀬ノンノウ個展 「怪女と幽霊」 (~9/16) @ アートコンプレックス・センター2F ACT1  (大京町)
(「南海海盆鎮鯰図」 が、いい構図。律儀に図録冊子をつくるノンノウさん、今回の展示品は Vol.4 に。過去作品のなかで Vol.1 の 「鳥葬の豚」 がいいと言ったら、「それはもうこの世に存在しません。保管する場所がないので。Vol.2 の作品とか、ほとんど捨てました」。え!?)

240911 絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.4  浅見貴子 (あざみ・たかこ)  (~9/15) @ gallery αM  (東神田一丁目)
(初めて来た武蔵美の展示スペース。船田玉樹の「花の夕」をモノクロにしたような、と紹介できそうな作風だが、よく見ると浅見さんの黒い玉たまは連なり合い、動きがある。浅見さんのこと、若い作家かと思っていたら、昭和39年生まれのベテランでいらした。)

2409011 ブリヂストン美術館開館60周年記念 オルセー美術館、オランジュリー美術館共同企画  ドビュッシー、音楽と美術 印象派と象徴派のあいだで (~10/14) @ ブリヂストン美術館
(モーリス・ドニやエミール・ガレ作品が、しっかり基調をつくった展覧会。コレクション展のうち、岸田劉生の 「南瓜を持てる女」 は今回の邂逅。小品ながら、ギュスターヴ・モローの 「化粧」 が好き。)

240910  相原康宏 写真展 『D埠頭』 (~9/18) @ マキイマサルファインアーツ2F  (浅草橋一丁目)
(道脇に骸骨となってうずくまる赤いバスの写真の DM 葉書がよくて、行った。あの骸骨バスはぜったいいい素材なのに、これを撮ったのは DM 葉書の1点だけ、ほかの作品は凡庸。せっかくのおもしろい素材を見極めてほしいな。昭和41年生まれ。)

240910  野本和俊 写真展 青い街 (~9/15) @ ギャラリー La Mer  (銀座一丁目)
(日に焼けて赤みを失い、雨に朽ちつつある藤原紀香ポスターを貼った古い民家の窓。)

240910 ユニット企画展  intellectual 展 (~9/15) @ Gallery Q  (銀座一丁目)
(5人展。うち、村上 郁 (かおる) さんのオブジェがおもしろい。電球らしきアクリル球に画像をこめた、気になる作品。昭和56年生まれ、多摩美版画卒後、Central Saint Martins College of Art and Design 卒。あと、依藤奈奈 (よりふじ・なな) さんの抽象画はストライプを基調とし、鮮烈でさわやか。昭和40年生まれ、多摩美油画。)

240909  Robin Fry: Golden Altitudes (黄金高度)  (~9/16) @ Hiromart Gallery  (関口一丁目)
(カナダ出身、ドイツで活動。幻想画だが、混色がきたない。作家自身がつくったトンデる音楽が面白いので、これと絵をあわせて映像作品を作ったらいいのにね。)

240909 生誕125年 東と西の出会い  バーナード・リーチ展 (~9/10) @ 日本橋高島屋8階ホール
(随所で名前を見る Bernard Leach の実作品と伝記ビデオを見て、大いに理解が深まった。)

240908  第97回 二科展 (~9/17) @ 国立新美術館
(1・2階の油画と2階の写真作品を見た。西健吉さんの 「浜の休息」 に描かれた若い女性たちが、いい。引き締まった絵画空間。鶴岡義詮さんの 「空」 は青・藍・黒の裸婦。柴崎康男さんの 「教会のある風景」 のシャープな黒と鮮烈な白も好きだ。山田和子さんの 「バカンス」 の不思議な植物たち。写真作品のなかでは、佐和賢爾さんの 「廃墟の女」 がみごと。)

240908  具体 ニッポンの前衛18年の軌跡 (~9/10) @ 国立新美術館Hiromart Gallery  (関口一丁目)
(現代美術館で以前見聴きした田中敦子さんの 「電気服」 と 「作品 (ベル)」。彼女の作品群にいちばん個性を感じる。吉原治良 (じろう) さんが産み、その死とともに終焉した運動だ。)

240907  ―重力―  小尾 (おび) 修×片山康之×濱中史朗×松田一聡 (かずとし) ×松村 繁×渡抜 亮 (りょう)  (~9/29) @ Gallery Suchi  (日本橋茅場町二丁目)
(2室体制で展示スペースも2倍に。小尾さんや渡抜さんの写実人物画。レセプション後の会食に集った14名のうち、作家でないのは須知吾朗さんとぼくだけだった。隣りに坐った小野耕石さんらと楽しく話した。)

240907  剱持耕平 陶ミニアチュール展 (~9/8) @ Ecru+HM  (銀座一丁目)
(以前、作品を2点購入した。なかで金魚が泳いでいる新趣向のぐい飲みにちょいと心が動いたが。)


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