WEB妄想部!

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小説:kinon作 103(hundred three)



序章
「やぁ……こんばんは暴走使徒」
 黒衣の青年が暗闇から暴走使徒とよばれた異形のモノに話しかける。
その異形のモノは今正に「食事中」であった。
「穢れた人間なんか食べて……君たちの味覚はいったいどうなっているんだ?」
 呆れたように首を振る。
 青年の方に振り向いたその異形のモノの鋭い牙の生えた口からは、血が多量についた生肉が少しはみ出していた。
「君たちは……食事のマナーがなってない。大体ナイフやフォークを使わない時点で……」
 とまたもや呆れた様子で語り始めたその青年に突如異形のモノが襲い掛かる。
 鋭いのは牙だけでなく爪もやはりそうであった。
 激しい爆音とともに、青年が居たであろうその場所はその鋭い爪と異形のモノの腕力によって砕かれた。
 隆起する地面、飛び散るコンクリート片。その様は異形のモノの腕力の強さを物語る。
「おまけに人の話も聞けないときた」
 青年は避けたのがさも当然と言うように異形のモノの後ろに立っていた。
 異形のモノは驚いた様子も見せずにジャンプからの第二撃を繰り出す。
「そんな悪い子には……」
 迫りくる異形のモノ。その振り上げた爪は確実に青年を捉える軌道を描く。
「お仕置きだ」
 青年が「The 13th box Shotgun」と言うと瞬時に空間が割れ、黒い直方体の箱が現れた。異形のモノの爪撃はその箱によって弾かれ、その場に異形のモノは着地する。異形のモノの着地と同時に青年の手にはショットガンが握られ、銃口を異形のモノに向ける。
「Charge and shoots」
 銃がカシャっと言う音を鳴らした。青年は異形のモノに向けためらわずにトリガーを引く。青年の魔力で作られた銃弾は、青白い一筋の銃弾の軌跡となった。やがてその軌跡は複数に分かれ、異形のモノの肉に複数の穴を開ける。
 異形のモノは奇怪な悲鳴をあげ、その場に倒れた。異形のモノはかすかな呼吸をしながら必死に青年との距離をとろうと地面を這う。しかしその異形のモノの背に青年が乗りわかれの挨拶といった様子で「バイバイ」と片手をふる。そしてもうひとつの手は異形のモノの頭部に銃口を突きつけ、放つ。
 零距離からの銃撃に異形のモノの頭部は木っ端微塵に砕け散り、その動きは完全に停止した。停止を確認したその青年はその場から何事も無かったかのように立ち去った。


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