WEB妄想部!

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TwiN Epilogue


その背後には山があり、日の光りが照らし込んでもなお暗い穴が空いていた。
車に乗る人間は誰ひとり振り返らず前を向いていた。
「どこに向かって走ってるんですか? この車は……」
司郎は疑問に思いジョージに聞いた。
「……」
しかしジョージから返答はない。ジョージに目的地なんて無いのかもしれないと司郎はなんとなくそう思った。
「貴女はどこか……」
行く宛があるのか?司郎はクレアにそう聞こうとして口をつぐんだ。聞いてはいけない気がした。自分と同じ。クレアが帰る所を失った人間だと感じ取ったから。
けれどクレアは司郎の予測に反し、答えた。
「どこってわけじゃないけど、父を訪ねてみたい。会って色々と聞きたいことがあるから」
司郎は彼女のどこか哀しい笑顔を真っ直ぐ見つめることが出来なくて……ただ
「会えるといいですね」
そう答えた。
「うん。でも少し怖いかな。会ったことも無いし名前しか知らないから会えるか分からないけど……」
「……」
司郎はそれ以上何も言えなかった。
ただ一言、
「最初に病院に行かないとまずくないですか?」
気を失った颯矢を見て言った。


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