さくらの 読みがたり&創作などなどいろいろ ダイアリー

さくらの 読みがたり&創作などなどいろいろ ダイアリー

にゃーごの会通信より



『赤木由子を語る』が出版されました!!

児童文学作家 赤木由子さんは、山形県鶴岡市出身の作家です。「この本だいすきの会」が創設から、集会に参加して頂いていた作家ですが、残念ながら、1988年(昭和63年)に亡くなっています。代表作は『はだかの天使』、(鈴木たくま 絵 新日本出版社)『二つの国の物語』(理論社)戦争と平和・障害のある子・親子の関係など、さまざまな形で作品に書いてきた作家です。
出身地の地域の子ども達にも知られることが少なくなり、この本だいすきの会山形・鶴岡支部が中心となり、2年かけて、作品を読みあい、赤木由子さんゆかりの人々に話を聞いてまとめたのが、『赤木由子を語る』(赤木由子を語る会実行委員会 発行)です。この本だいすきの会代表の小松崎進氏の赤木作品についての講演録、赤木由子さんの遺志を受け継ぎ活動している同人「あめんぼの会」の小嶋雄二氏の講演録、地元の児童文学作家の鈴木実氏の講演録、『柳のわたとぶ国』のちの『二つの国の物語』(理論社)の編集をされた作家・小宮山量平氏の講演録それに加えて、作品の解説や、地域の図書館の蔵書状況まで掲載されて、赤木さんの熱い思いに加え、関わった方々のそれぞれの熱い思いのつまった本です。ぜひ、手にとってお読みください。     
私の故郷出身作家の赤木由子さんが、「この本だいすきの会」とご縁があったことをお聞きしたとき、運命の赤い糸なのかもしれないと思ったことがあります。その事を知ってから、帰省したときに、祖父の書斎で、見つけたのが、赤木由子さんのエッセイ集『生きること 書くこと 育てること』(草炎社)でした。その後、鶴岡支部の取り組みには、友人である斎藤まきさんよりいろいろと聞き、斎藤さんが「赤木祭」(赤木由子さんのご命日)に上京するときには、高尾にある赤木さんの墓前に、斎藤さんとともに立ちました。その時に「あめんぼの会」の方々にもお会いすることができ、赤木さんの赤い糸のおかげで、たくさんの出会いがありました。       
私自身、赤木さんの作品は、まだまだ読みきれていません。これから、この『赤木由子を語る』が出版されたことをきっかけに加えて、読んでいきたいと思っています。いま、こんな時代だからこそ…。

(定価 1200円 税込 本の購入申込みは、メールにて!)

ましませつこさんの原画展にいってきました!

 3月5日(水)、東京都清瀬市の郷土資料館で行われている、ましませつこさんの絵本原画展へいってきました。西武池袋線清瀬駅北口を降り、けやき通りという、名前どおりの立派なけやきがトンネルのようにそびえ
ている道をまっすぐ歩いて10分。立派な郷土資料館がありました。資料館につき2階に原画展の会場があり、受付をして、住所と名前、所属・「この本だいすきの会」と書きました。それから、ましまさんの略歴を読
ませて頂いてびっくり!なんと、私の高校の大先輩だったことを知りました。ひとつひとつ作品を観せていただいていくうちに胸が熱くなり、その上、故郷の特産の御殿マリの柄などが絵本の中に描かれていて、たまらない気持ちになりました。そこへ、資料館の学芸員の方が近寄ってきて、私に話し掛けてくださり「誰からお知せがいったのでしょう?」と言われ、この本だいすきの会鶴岡支部の斎藤さんから聞いたこと、鶴岡支部の戸村雅子先生が今日いらっしゃるかもしれないとお聞きしたこと、ましまさんは私と同じ高校の先輩だったことお話してしまいました。すると、ましまさんはいらっしゃっていること(他の方と、ご歓談中で横顔だけ拝見!)戸村先生は、11時からのよみきかせの会にはいらっしゃるというので、お着きになったらお声をかけて頂くようにお願いをしました。
原画を一枚一枚じっくり観させて頂き、猫の絵で、ちぎって破った感じが、ステキで立ち止まってしまい、また、ましまさんの実家である鶴岡からはお雛様がいらっしゃっていて、『てんさらばさら てんさらばさら』(わたりむつこ作 福音館)のまゆの着物の柄になった着物までが飾られ素敵でした。故郷のことをさらに思い出される着物の数々。素敵でした。
私をさらに感動させてくれたのが、絶版になっている『あかいそり』(福音館)という真島さん自作絵本の原画の一部が飾られていたこと。本が置いてあったので、初めて読んでみました。読んでいるうちに、こみ上げてくるものがおさえきれずに、涙が流れてしまいました。その中に描かれた風景、山、地吹雪、全てが私の中に迫ってきたのと、その上、あかいそりの実物が展示してあったからです。地吹雪の中で学校から帰ったことが数え切れないほどあり、冬の寒さは厳しいものでした。でも、どうしてか、離れてみると、ゴウゴウとうなるような風の音、飛ばされないようにと強い意志で歩いたことが、なつかしいのです。『あかいそり』に出会えてよかった。出来ることなら、手元におきたいと強く思いました。
 その後、上京された鶴岡支部の戸村先生と少しお話することができうれしかったです。今回の上京は、どうしても観劇したいものもあったのと、ましまさんの原画展、読みきかせの会のおつきゆきえさんの話も聞きたくていらっしゃったとのことでした。
 おつきゆきえさんは、絵本の出前を仕事として全国をまわっていらっしゃるという方で、頂いた冊子でこれまたびっくりしてしまいました。山形県酒田市のご出身!(鶴岡のとなりの市)個性的で、元気で、とにかく本が大好きな方でした。全国で、絵本だけでなく、宮沢賢治の作品の朗読され、大人むけの絵本の会もしているとのことで、今回は大人向けにお話してく下さいました。ほんとすてきな方で、読み語りも楽しかったです。
おつきゆきえさんに読み語りして頂いた本
☆『もけら もけら』 山下洋輔 作 元永定正 絵 福音館
☆『ダイアナと大きなサイ』エドワード・アーディゾーニ 作 阿部公子 訳 こぐま社
☆『トンちゃんってそういうネコ』Maya Maxx 作 角川書店
☆『パパのカノジョは』ジャニス・レヴィ作 クリス・モンロー絵 岩崎書店

ましませつこさんのおかげで、絵本を開くと、故郷を感じさせてもらえ、なぜか読み終えたあとに元気になる自分がいます。今回、お話をすることは出来ませんでしたが、原画展の会場に伺うことが出来、また、おつきゆきえさん、戸村先生にお会いできとてもうれしかったです。              

                      (2003、4、15 更新)


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: