ミルク






わたしが水をあたえた花が咲いて

うれしい朝があった

わたしがミルクをあたえて

まるくなった子犬のお腹があった

花も子犬も

わたしが育てたと思っていたけれど

花が散って

子犬も老いて星になったら

水をもらっていたのも

ミルクにあたたまっていたのも

わたしのほうだった



そうしたら

ほんとうに さびしくなって

あまりにちっぽけなわたしは

ほんとうに ほんとうにさびしくなって

わけもなく

ありがとう ありがとう と

なんでもかんでも

言いたくなった

ありがとう

ありがとう 

ありがとう咲いていた花

ありがとう  ポリー




見える木と見えない木との間には許してくれる日だまりがある/よもぎ


2003年12月6日  天国のポリーへ   ママより




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