吉雄の雑記帳・メモ

< 新しい記事

新着記事一覧(全454件)

過去の記事 >

June 27, 2007

大人になって『星の王子様』を読んでみて

(10)

カテゴリ：吉雄のつれづれ

子供の頃に『星の王子様』を読んだことのある人は多いかな？
読んでない人も、読んだ人も、大人になって一度読むことをお薦めしたい。

子供の頃に読んで、「変な話だな」って思った人は多いかもしれない。
童話にしてはちょっと変な話なのです。
大人に向けて書かれているからだとは思いますが。

星の王子様の話は、銀河鉄道999のように
「惑星＝個人の性格」のような話に思うかもしれない。
しかし、星の王子様に出てくる星とそこに住む住民は
ハラスメントの被害者の典型的な形を描いているように思う。

ハラスメントの被害についてを、わかり易く説明しているように思う。

そして、話し手になっている私は、そのハラスメントの形に
嵌らなかった人として描かれているように思う。
周りがハラスメントであふれていると気がついているけれど
自分の感情を大事にしている。

王子様は、バラとの関係について色々いつも考えている。
そして、バラから受けたハラスメントでがんじがらめになったときに
王子様は不快に思い、バラから去るという選択をして旅に出る。

王子様はバラに搾取される状態を
素直に「矛盾していておかしい」と思い
その関係から離れとても前向きに心に思うように物を感じながら

居心地が悪くなると去る。というとても自分に素直に生きている。

王子様は、もともと自由でない心を持っていないわけではない。
しかし、行く先々で王子様は「バラから離れてはいけなかったのではないか」という
後ろめたさと罪悪感にさいなまれる。

極め付けに、キツネに

キツネは「飼いならされた＝仲良くなった＝なついた」と
同じだといわれる。

と変換されて
「王子様を飼いならしたバラ」は「王子様と仲良くなったバラ」で
バラと仲良くなったのだから、バラを飼いならしたことと
立場が逆転しても同じということになる。

「バラは王子様によってハラスメントに掛けられていた」と
上手いぐあいに、バラとの関係に王子様こそが責任があることにされてしまう。

王子様は相談相手を間違えてしまったことがひとめでわかりにくいし
よく日常使われる「相談したときの返答」にも似ている。
王子様の悲劇は結局、「バラの行動は王子様に責任がある」と
「バラとの約束を守らないといけないと」
ハラスメントから脱出しようとしている王子様を
「悪意のないキツネ」が追い詰めたことによって
おこっていると言っていいと思う。

王子様のようになってはいけない。
でも、その形に嵌ることが往々にしてある。
それに嵌った場合でも、自分の感覚を信じて、
そしてキツネには注意しないといけない。

キツネは「呪縛」と「規範」の違いがわからなくなった者で
多分既に何かによって「呪縛」された存在であると思う。
とても不愉快な関係でも、「自分に非がありお互い様」
「今の状態の上にのみ存在しえる」と思うことで
自分の感覚にで不愉快でも、その不愉快な状態あっての自分と
その不愉快な状態を維持または欲してしまう。
まるで愛されなかった子供のように。

この「星の王子様」は悲劇であるのだけど、その不快な関係から
離脱するためには自分の気持ちに素直になることと、
その本は言っているように思う。

嫌なところにいる必要はない。
そして誰かの顔色をうかがい続けないといけないという
偏った力関係は、人を追い詰めてしまうか
脳波停止を促すように思う。

で、王子様のようにハラスメントをかけてきた相手に対して
「責任」をとても感じているケースが多いと思う。
お互いに掛け合っているなら、責任はあるかもしれない
でも、その場合でも「離れること」が必要だと思う。

ただのわけのわからない（相手を呪縛する）儚いバラと
わけのわからない衝動の王子様から、
「自分の感覚」が、いかに大事かを感じ取って、
王子様の悲劇を増やしてはいけないと思う。

DVでもよく逃げたほうが、「あの人を一人にしていいのだろうか」と
暴力の中に戻っていくことも多い。
そんなに責任感強くなくていいと思う。
暴力を振るうと人は離れる。
それは当たり前の人間関係。
誰かから搾取されたり、謂われなく貶められたり
ふみじにられたとかんじらたら、離れて当然だと思う。

離れられて考えることも多いと思う。

そして、自分以外の人の「感覚」ももちろん大事にしないとね。
自分の自由と誰かの自由がお互いに邪魔しないように
バランスをとるのもお互いの「感覚」であって、
「抑圧」で決まった形にはめない、自由を制限する形で対立を回避しない事が、
一人ひとりをちゃんとした一人ひとりとして見れると思う。

・・・かなり脱線したのですが
星の王子様をもう一度読むことをお薦め！
それは自由を取り戻すために。

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう

Last updated July 1, 2007 01:09:53 PM
コメント(10) | コメントを書く

[吉雄のつれづれ] カテゴリの最新記事

■コメント

もう一度読みたいな～

まゆさん

吉雄さんの捉え方、めちゃわかり易くて、読んでスッキリしました！
そうかも～って納得。

私、意外と酷い事されても、しんどくても、頑張って人と付き合ってしまう所があるんですが、離れる事も大事って気付かされ、少し楽になったような気がします。 (June 28, 2007 09:01:49 AM)

返事を書く

斬新な読み方で面白い！

sky さん

そうね、責任すら、離れた方がいいものがあるね。

自由を取り戻すために！！ (June 28, 2007 11:17:51 AM)

返事を書く

薔薇のモデル

まろ0301 さん

　NHKのETV特集で、『星の王子さま』を取り上げた時に、、「薔薇のモデルは誰か」という事も同時に解明していました。
　モデルは妻のコンスエロだそうです。
　「コケティッシュで嘘つきで、棘があって咳をする(彼女は喘息持ちだったそうです)」コンスエロ。

　この作品は、作者サン･テクジュペリが、コンスエロと仲直りをしたあとに書かれたそうです。
　そのような生活の実際を強く重ね合わせて読むか、それとは切り離して読むか、難しいところですが。

　私は、「大切な事は眼に見えない」という一言、そしてもちろん、「大人は昔みんな子供だった、でもその事を覚えている大人は少ない」という最初の言葉が大好きです。
(June 28, 2007 09:00:48 PM)

返事を書く

Re:もう一度読みたいな～(06/27)

吉雄777 さん

まゆさん

星の王子様公式サイトでも、
私の捉え方とは反対の意見のようでしたｗ
でも冷静に考えて、酷いことしたら人は離れていくもの。
みんな仲良くするということは、
酷いことをされても我慢するんじゃなくて
酷いことをしないってことだものね。

キツネの台詞の全てが変ではないところが
人間らしいよくある台詞に聞かせるのでないかな。 (June 28, 2007 09:46:47 PM)

返事を書く

Re:斬新な読み方で面白い！(06/27)

吉雄777 さん

skyさん

一歩引く。その程度でもいい。
近くにより過ぎると見えないこともあるしね。 (June 28, 2007 09:48:04 PM)

返事を書く

Re:薔薇のモデル(06/27)

吉雄777 さん

まろ0301さん

私も沢山の素敵な言葉に逢いました。
バラは奥さんだったのですねw
そういう女性がかわいらしいと思う、
守ってあげたい男性も多いのかな。

バラの最後の王子様を引き止める台詞があり
王子様が戻ってきたとき、やはり
手間隙かけさせるだけかけさせてたら辛いわ。

「星の王子様」には、「子供心（？）」無くさなくてもいいと、教えられたような感じです。

いろんな捕らえ方があるのかも。
解説本も出ているみたい。 (June 28, 2007 09:56:30 PM)

返事を書く

読んでないが

いっぽさんさん

星の王子様を読んでも無いのにこんなこと書くのもなんだが、この話は人との関わり方について書かれた物じゃないかと思う。近すぎても遠すぎても駄目って事じゃないかな？俺は自由万歳主義者じゃないので吉雄さんの解釈は独特の新解釈だと思うのと同時に、ちょっと物足りなさを感じた。自由というのは無制限に自己責任を背負うという事だと思う。その重みに耐えられないから人は支えあって責任を分担するんじゃなかろうか。他人に対する責任から逃げるのが自由なら、犯罪でも何でもアリになってしまう危険性を感じるが…。 (June 29, 2007 07:16:41 AM)

返事を書く

Re:読んでないが(06/27)

吉雄777 さん

いっぽさんさん

返事を書いてたら長すぎたので
http://plaza.rakuten.co.jp/yoshio777/diary/200706290000/
こっちに書いてみました。
長いよ～～。
簡潔でなくてすみません； (June 29, 2007 08:53:35 AM)

返事を書く

Re:大人になって『星の王子様』を読んでみて(06/27)

aking さん

みんな仲良くするということは、
酷いことをされても我慢するんじゃなくて
酷いことをしないってことだものね。

この言葉にジーンときた。 (June 29, 2007 01:33:01 PM)

返事を書く

Re[1]:大人になって『星の王子様』を読んでみて(06/27)

吉雄777 さん

akingさん

なんとなく、黙って耐えるのが仲良しって
思われがちかなっておもってさ。 (June 30, 2007 10:28:56 AM)