Love Rainbow 04

さて、今回のテーマは、「どうする？」です。
最後まで読んだとき、よしきのこの物語への気持ちがわかると思います。
というわけで、Love Rainbow 04、スタートします。

Love Rainbow Vol.04
「I do not escape」

毎週土曜、日曜は練習に顔を出しにいく、よしきがいる。
東京まで２時間。回数券を持って、通うよしきがいる。
その気持ちは、何年も前から、全然変わってません。

ある日、練習を指導しに行っていたよしきが、ちょっとした変化を見つけました。
ちょうど３ヶ月前、練習の調子が上がらないバンドがいました。
そのバンドのボーカル、博が浮かない顔をしながら、練習に出てました。
ちょうど、このみと２人で練習を見ていたよしきが、一言言いました。
よしき「練習ストップー！とりあえず、休憩しよっか？」
そういって、みんなにお茶を配った後、こう話し出しました。
よしき「どうしたん？博。最近、元気ないやん。」
博「いや、最近疲れてるだけですよ。」
よしき「それやったらいいけどね。でも、練習のレベル、一向に上がってこない感じやで。」
博「スランプなんですかね？ちょっとわかんないです。」
このみ「何かあったら、よしきや私に言えばいいじゃん。
この２人、結構いいパートナーって感じでやってるしね。」
よしき「パートナーってのは余計。笑」
博「ですね。なんかあったら、相談しますね。２人に。」
そういった後、また練習に入りました。
練習が終わってから、そのバンドが帰って行った後。
よしきとこのみが打ち合わせに入りました。
このみ「博君、何かあるね。。。よしきも気づいてるでしょ？」
よしき「ま、みんなの前では言いにくいやろな。。。多分。
ホンマに相談したい事があったら、多分俺でもこのみでも呼び出すと思うけどね。」
このみ「だね。でも、あれだけいつも明るく振舞ってる博君、何があったんだろう？」
よしき「ちょっと、わからんな。。。あれだけじゃ。。。
そういえば、博って、誰かと付き合ってるって話あったっけ？」
このみ「昔、誰かと付き合ってるって噂はあったけど、その後は全くなし。
順調だからじゃないの？」
よしき「多分、俺ら２人の話で、噂があっても立ち消えてるって話もあるとは思うけどな。笑」
このみ「でもさ、何で私たちを真っ先に疑うのかな？普通にしてるよね？」
よしき「俺も普通やと思うんやけどね。多分、毎週のようにこうやって逢って話してるからかな？」
このみ「私、彼氏いてるのにね。という事は、よしきが悪いのね。」
よしき「おいおい。。。それはちゃうやろ。。。
ま、俺等の話は置いといて。このみさ、何かあったらすぐに俺呼び出して。
金曜日の夜とかやったら、何とかこっちまで来るし。」
このみ「りょーかい。それより、今度やる曲、どれにしよっか？」

さて、それから１週間後の練習。
練習の予定だったのが、突然風邪の連発で中止に。
その中で、唯一博だけが元気に顔を見せてました。
博「おはようございまーす。あれ？？？みんなは？」
このみ「風邪引いてダウンだって。今日は練習中止。」
博「よしきさんは？どこすか？？？」
このみ「まだ、お昼前じゃん。お昼ごはん持って、多分来るはずだよ。
ん？なんかあったの？？？」
博「なら、今のうちかな？？？このみさん、ちょっと相談に。」
このみ「どうしたの？お姉さんに言える事なら、言ってごらん。
よしきとは違う、答え出せるかもよ。笑」
博「実はですね。。。彼女が二股かけてるような気がしてるんです。。。
最近、連絡もそんなにないし。なんか隠してるみたいだし。
土日でも、練習の後に遊びに行ってたんですけど、最近はそれもないんですよね。。。
何か、あるのかなって？」
このみ「でもさ。彼女の家には行ってるんでしょ？どうなの？大丈夫？」
博「うーん。。。わからないんですよね。どっちかが。
微妙といえば微妙。大丈夫といえば大丈夫。って感じなんですよね。」
このみ「あれだね、そういうことは、二股慣れしてるよしきの方が。笑」
博「よしきさんは、結構メチャクチャやってるようで、マジメですからね。
そのマジメさが、今回の相談には向かないのかな？って。」
このみ「でも、最後に相談乗ってもらうとしたら？誰？」
博「よしきさんでしょうね。」
このみ「来週でも、よしきに話してみたら？よしきは、そういう時が一番厳しいよ。
でも、一番最善の策を出してくれるかな？」
博「そうですよね。あ、このみさん？今日はボイトレ、出来ます？」
このみ「よしきがもうすぐ来るから、それからだね。
あ、よしきからのメールだ。。。えっと、何？
今、駅に着いたから、後５分ほどでスタジオ着くってさ。
差し入れはシュークリームだって。何個いるか聞いてきた。」
博「とりあえず、６個でいいんじゃないですか？１人２個で。」
このみ「だね。じゃ、６個ってメール送っとく。」

それから１０分後、よしきがシュークリームを持って練習場に来ました。
よしき「練習、やってるかー？差し入れ持ってきたで。って、あれ？？？
人数、全然いーへんやん。」
このみ「風邪引いて、練習キャンセルだって。だから博君がボイトレやってほしいんだって。」
よしき「そーかそーか。じゃ、とりあえず、昼飯食べる前に、発声練習、よろしくぅ。」
博「りょーかいしました！」

さて、それから１週間後の金曜日の夜。仕事が終わってすぐ、突然このみからのメールが入りました。
「博君、メチャクチャ辛そうな顔して、スタジオに来たんだって。。。
私は、仕事があと１時間で終わりそう。すぐにスタジオに行く。
よしきはどうする？私の方が早くつくと思うけどね。」
とりあえず、このみにはすぐにメールを返信。すぐに行くってことを伝えて。
その後、自転車に乗りながら、スタジオに電話。
よしき「もしもし、よしきです。」
Ａ「どーもです。どうしました？よしきさん。」
よしき「博君、練習何時までなん？」
Ａ「確か、、、今日は１０時までだと。」
よしき「今からこっち出るから、とりあえず止めといて。
１時間半後にはこのみがいけると思う。俺は２時間半くらいかかるかな？」
Ａ「了解しました。じゃ、練習時間、どうします？」
よしき「とりあえず、１０～２時まで空いてる？」
Ａ「あいてますよ。入れときますね。ＨＳで。」
よしき「ＯＫです。じゃ、後でよろしくね。」

それから１時間半後にこのみが到着。その時は、博はまだ練習中。
で、練習が終わってから、このみが博に一言。
このみ「大丈夫？」
博「よしきさん、来るんですか？」
このみ「あと、１時間くらいで来るよ。大丈夫。」
博「とりあえず、待ってます。よしきさん来るの。」
このみ「じゃ、練習お開きね。ちゃんと片付けて帰ってねー。」
他のバンドメンバー「はーい。このみさん、お疲れ様でしたー。
博、おつかれー。」
博「おつかれさまー。」
で、気まずい雰囲気が３０分ほどあって、よしきがスタジオに到着。
よしき「どないしてん？？？博？大丈夫か？？？」
博「よしきさん、俺、どうしよう。。。」
よしき「落ち着けって。とりあえず、座ろう。
このみー。３人分のココア、できる？」
このみ「りょーかい。よしきはアイスやんね。博君は？」
博「僕は、ホットでお願いします。」
このみ「はいはい。じゃ、３分ほど待ってね。」
で、３分後、ココアを飲みながら、話が始まりました。
博「実は、、、彼女の浮気現場、見てしまいまして。。。」
このみ「あらら。。。その場面、詳しく状況話せる？」
博「練習終わってから、彼女の携帯に電話したんです。
でも、つながらなかったんですよ。
で、驚かせようって思って、遊びに行ったんですよ。
でも、電気ついてるのに、居留守やって。
合鍵持ってたから、あけたんです。。。それで。。。」
このみ「現場、見てしまったって事ね。。。」
博「はい。。。どうしよう。。。」
このみ「よしき、聞いてる？もう。。。ちゃんと聞いてるの？？？」
よしき「聞いてるよ。博、続けられる？大丈夫？」
博「はい、で、そのまま荷物だけ置いて、帰ってきたんですよ。。。ショックで。。。」
このみ「そうなるでしょうね。。。よしきやったら、そこに入って３人でってなりそうだけど。」
よしき「見たんかい！このみー。って、冗談言ってる場合じゃないでしょうが。。。」
このみ「あ、ゴメンゴメン。私は、多分もう、あきらめた方がいいと思うな。。。
ショックを受けてるんやったら、もう何も触れない方が。。。」
よしき「俺は、逆やねん。。。明日にでも、正面切って話し合ってきた方がいいと思うんやけど。」
博「珍しい、このみさんとよしきさんの意見が真っ二つ。。。よしきさん、何でなんですか？」
よしき「状況考えたらわかるって。合鍵持ってるんやったら、立場はいいんじゃないの？
自分に自信持ってるんやったら、正面から突っ込んでいかないと。
ダメなことは考えない方がいいんやないの？」
博「そうですね。。。明日、ちゃんと彼女と話し合おうって思います。
よしきさん、ありがとうございます。
じゃ、終電がなくなるんで、帰りますね。」
このみ・よしき「お疲れさまー。」

このみ「よしき！何であんな事言ったの？明らかに無理なの、わかってるでしょ？」
よしき「博の今までの生き方考えてみーや。いつも、博って、土壇場で逃げてばっかりやん。
今回も逃げる方が楽やで。俺かてそう思うよ。
でも、博には正面を突っ込む事も覚えてほしい。だから、ほんとは違うけど、あぁ言うたんよ。
俺かて、無理なんはわかってるよ。どう見ても、不利やで。」
このみ「まさか、、、そこまで考えて？次の恋愛のことも考えて、それを言ったの？」
よしき「博には、よしきが経験した、ツライ思いはさせたくないからね。
あの気持ちは、よしきだけが味わえばいいと思う。
逃げる事の、ホントのツラサ。それは、俺等２人しかしらんやん。
あの時の、誰にも言えないホントの話したの、このみだけやねんから。」
このみ「そこまで考えて。。。で、私はどうするの？」
よしき「多分、明日、博が泣いてココ来ると思うんよ。
その時に、飲みにでも連れて行ってあげて。お金は俺が渡すし。
博くらいの男やったら、一晩飲んで、忘れて、すぐに次の恋愛に向かえるって。」
このみ「だね。私も、今回よしきに協力するか。」
よしき「でもさ、、、もう夜中の１時半か。。。どうするよ？今日は。」
このみ「たまには、よしきと一緒に寝るかな？」
よしき「今日は何もせーへんぞ。。。俺は。」
このみ「私も、今日はよしきを襲わないから。」
おいおい、やっぱりこの２人、怪しいで。。。笑

さて、土曜日の夜、予想通り博が泣きながら来たそうです。
このみは、よしきが言った通り、慰めて、飲みに連れてってあげたそうです。
まわりの励ましもあって、博は少しずつ、元に戻っていきました。

さて、現在はどうなってるかって？
博は、新しい彼女告白して、ちゃんと付き合ってるんやって。
告白する時も、大変やったんやから。。。自分から告白した事ないって、ナンダカンダ言って。
今、博はこう言ってます。
博「あの時、突っ込ませてくれたよしきさんには、感謝してますよ。
って言うか、ちゃんと慰めてくれたこのみさんに、一番感謝してます。
でも、よしきさんとこのみさん、ホントに何もないんですか？」
また、その話題かいな。。。
その話題は、進展ないから、心配せんでもいいってー。

「逃げたりしない」。それが、恋愛における、一番純粋で、素直な方法なんだって。
よしきは、今でもそう思います。
もし何かに悩んでるのなら、回りくどい事は考えず、正面からぶつかりましょう！
正面からぶつかったら、良くても悪くても、きっとまわりが癒してくれますよ！
そう、世の中、ちゃんと出来てるんだから。

さて、次のLove Rainbowは、１１月１７日の予定です。
お楽しみにね！

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