夜桜亭~月光店~

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ポッキーゲーム?




    ポッキーゲーム?
                                                    All→透

「ポッキーゲーム、しないかい?」

それは、紫呉が言った一言だった。

「「絶対ムリ!!!」」

紫呉の意味不明の問いかけに、由希と夾は即答した。
……声を合わせて…。

「おぃ、バカ猫。俺とハモらせるな。……バカが移る。」
「んな!!ふざけんな!!くそネズミ!!ぜってー殺す!!今すぐ殺す!!!」
「一人で死ね。」

そんなこんなで、夾は由希に殴りかかろうとして、立ち上がった時……。

「ポッキー買ってきました!!」

ふすまが勢いよく開いたと思ったら、スーパーのビニール袋を持って元気良く透が入ってきた。

「いや~ありがとね~、透君」
「そんな、ありがと何てめっそうもないです!」
「いやいや、可愛い透君の為ならそのくらい、なんの苦にもならないさ!」
「ハ、ハァ…、ところで、何でポッキーなんていきなり欲しがったりしたんですか?」

(知らないで買いに行かされたのか…!?)

夾と由希が心の中で突っ込む。
紫呉は、そんな二人に気づいてはいるものの、ムシして透に返事をした。

「いやぁ~、なんかね、僕さ、ポッキーゲームしたいんだよね?」
「!?!?!?ポッ!!!!!ポッキーゲーム!?!?」







「………って、なんですか?」


ドッカーン!!

夾、由希、そして、紫呉が驚きのあまり声を失った。
そりゃそうだ、あれだけひっぱておいて知らなかったなんて。

「アッハハハハハハハッアッハハハハハ!!!!!」

沈黙の後、必要以上に笑っているのが紫呉。

「…お前なぁ……」

あまりのアホさに呆れている夾。

「ん~、でも、言われてみればあんまり正確な事は知らないよね?」

フォローする由希。

「クソ由希に同意すんのは嫌だがよく考えたらよ、それにルールとかあんのかよ?紫呉?」
「あるよ、もっちろん!!」
「お!教えて下さい!!」
「透君の頼みなら仕方ないね」

そう言って何故か、いきなり電話を持ってきて、何処かにかけはじめた。

「どうしたの?紫呉?」

電話が終わって、戻ってきた紫呉に、由希は聞いた。
そして、嫌な笑いを浮かべながら紫呉は言った。

「ん~?もうすぐわかると思うよ~…」

バタン!!!
勢いよく襖が開く音が聞こえた。

「やぁ~諸君!!僕が来てあげたよ!!」
「はぁ!?」
「えぇぇ!?」
「…殺す。」
「そっ!それは駄目です!!」

そう、今来たのは、由希の兄、綾女だ。

「あーや、ずいぶんと早かったね?」
「当たり前じゃないか!ぐれさんが待っててくれると思うといても立ってもいられなくて…」
「僕だって!!あーやがくるから、気が気じゃなくなってしまうところだったよ!」
「ぐれさん………」
「あーや………」
「「よしっ!!!」」

阿呆な会話を続ける綾女と紫呉を見て、由希が、紫呉に詰め寄る。

「紫呉…死にたいの?」
「ゆっ由希くん!ダメです!!」
「本田さんは黙ってて」

止めに入る透をいつもよりも不器用に断って、更に紫呉に詰め寄った。

「今すぐ帰せ、じゃないと殺す。…俺はあんな得体の知れないもの見たくもない」
「え~、そんなこと言ってちゃ良い弟になれないぞ☆」
「そーだぞ!我が弟よ!そんなことじゃ僕とラヴラヴになれないぞ☆」
「…………ふぅっ、」

由希がいきなり静かになったと思ったら、諦めたようなため息をついた。
そして、更に続けた。

「…まぁ、兄さんのことは諦めるからさ…、そのかわり、あんまり騒ぐなよ」
「…てかよ、その…ポ…ポッキーゲーム…ってやつのルールとやらはどうなってんだ?」
「はっ!そうです!!そうなのです!!!先程からずっと気になってたのです!!!」

綾女が来て、ポッキーゲームの存在が薄れていたが、ホントのところは、それのルールの為に綾女を呼んだのだ。

「あ~、ぜっんぜん忘れてたよ~」
「まったく、ダメダメだね、ぐれさんは」

まったくもって悪びれもなく言う紫呉に、綾女は無意味に透に抱きつこうとしながら言った。
いや、…抱きつこうとしたのだが、夾と由希によって阻止されていた。

「っと…、まぁ気を取り直して説明しようじゃないか、ぐれさん」
「うん、そうだね☆あーや、…じゃぁ、透君…ポッキーかしてくれるかい?」
「はい!わかりました!」

そして、ゴソゴソとビニール袋を探す透をよそに、夾は逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。

「はい!どうぞです!」
「ありがとねぇ、透君、…よしあーや、用意して」
「もちろんさ!!」

そう言った綾女は、ポッキーを口にくわえて待っていた。
…………そして………。

「「「!?!?!」」」

透、夾、由希は言葉にならない言葉を発した。
それもその筈、綾女の口にあるポッキーを紫呉が食べ始めたと思ったら…
その勢いで綾女にキスしたのだ。

「さぁ、やろうか!」

さぞ楽しそうに言う紫呉に対して三人は言った。

「ムッムリです!!!!」
「ムリにきまってんだろ!!!!」
「…ムリ…。」

やはりと言うか…当たり前というか…即答した三人は、顔を紫色にしていた。

「ふぅん…透君、君は仮にも僕の家に置いてもらってる身だよねえ?」

楽しそうに笑いながら言う紫呉に対して、顔を青くしている透が言う。

「……!?!…もちろんやっやらせていただきます!!!」
「透!?」
「本田さん!?」

透が言った後、夾と由希は思いっ切り驚いていた。

「じゃあ、我が弟のゆ…「夾がやりたいって。」
「はぁ!?!」

綾女が言った言葉を遮るようにして、由希が夾の名前を言った。

「そうかい、随分と潔いね」
「いや!だから…!おれは・・!!」
「さぁ、そうと決まれば早速準備したまえ!」
「いっ…いやだああぁぁぁあ!!!!」











































その日夾と透の唇が重なったかはご想像にお任せします。


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