中国出張記 2





今回の中国出張は単独ではなかった。
同行者がいたのである。
一人は営業マンで、国籍は中国。生まれてから20歳くらいまで
は中国に住んでいたそうで、完璧に中国人。日本語のほうが怪しいくらい。
もう一人はソフトウェアエンジニア(いわゆるSE)の人。
それにわしを加えた3人で出撃する、という事であった。

この中国生まれの中国育ち。ちゅうか中国人が一緒にいるわけなので、
とっても心強い。
反面、ツマラン、と思う所もある。
海外に行って何が楽しいかっていったら、予想もしないハプニングを
全力で克服していくところだったりするからだ。

さて、成田空港にて待ち合わせる事となり、そこでその二人と初めて
会ったわけなのだが、
これが、なんちゅうか・・・・・・。
二人とも、 中国担当 といった役割の社員であり、それこそ中国へは
飽きるほど行っているのである。
わしが抱いている「トキメキ」やら、「ドキドキ」は、この二人には無い。
出張が多いので、必然的に「マイレージ」がたっぷりたまり、
二人ともJALのゴールドメンバーだそうな。
ちゅうわけで、出発までは専用の ラウンジ でくつろぐのである。
そしたら、その二人、無料だからってわけじゃないでしょうが、
出発前からビールやらウイスキーやら、 飲むわ飲むわ!
飛行機に乗る前に、すっかり出来上がっているのである。

あの~・・・・・一応仕事中ってことになるんじゃないでしょうか・・。

それは、まぁ、OKとしよう。
今日は移動だけだもんね。OK,OK。固いこと言うなって、ね。
が、
搭乗手続きが始まっても、彼らは席を立とうとしない。
さっきからしきりに「ご搭乗のお客様は至急ゲートまでお越し下さい!」って
アナウンス流れてるじゃないの。

「あの、そろそろ行かないとまずくないっすか?」と言うおいらに、彼らは
「大丈夫、大丈夫。チェックインしてる客を残して、絶対に飛び立ったりしねーから」とのたまう。
そーゆう問題ぢゃねえんだよ
「行きましょう!飛行機が遅れちゃいますよ!」
半ば強引に彼らを立たせ、ゲートに向かう。
係員の冷たい視線が刺さる。
目が語っている。「やっと来たかオメーラ。待たせんじゃネーヨ!」と。
恐縮して「スミマセン。ホントニスミマセン。」と目を伏せるオイラを横目に、
件の二人は超ご機嫌だ。

酔っ払い二人の飲みっぷりは、機内に場所を移しても変わらなかった。
ウイスキーのミニボトルを、次から次と開けている。
でかい声できわどい冗談を言い、「ゲヒャヒャヒャヒャ!お姉ちゃん!おかわり!」ときたもんだ。

スリッパで後頭部を パーン!パーン! と引っ叩いて
差し上げたい衝動を懸命にこらえるおいら。
できることなら、彼らを窓から捨ててしまいたい。
ああ、スチュワーデスのお姉さま。そんな冷たい視線で見ないで。
ボクは関係ありません。その二人はまったく知らない人なんです。

初めて訪れる国なればこそ、新鮮な気持ちで、
一人で突撃したい、と強く思うおいらであった。


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