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我思う、ゆえに我あり
好きな本・ことば・映画
<本>
ビジネス系
・バーバラ・ミント著「考える技術・書く技術」
この本は、コンサルタント時代に読んだ本。論理思考とは何かを書いた名著。コンサルタント時代、最低3回は読み返した記憶がある。
・福沢恒著「プロジェクトマネジメント」
目的設定からスケジュール設定、プロジェクト標準設定などなど、かなり意識していないとできない、プロジェクト管理の要素たちを網羅し、プロジェクトを失敗させない方法が書いてある。失敗したプロジェクトを経験している人が読めば、うならざるを得ない、名著。プロジェクト管理に携わってる人だけでなく、プロジェクト単位で仕事している人は絶対読むべき。
・内橋克人著「匠の時代」シリーズ
今で言うプロジェクトXの脚本のような、様々な企業がいかに成功したかをドキュメンタリータッチで書いた本。さすがにもう古いけれど、初めての就職活動のときに何を基準に企業を選んだらいいか分からなくて、片っ端から読んでその本に載っている企業の大学OB、OGにできるだけ連絡したっけ。
歴史物
・戸部良一等著「失敗の本質」
太平洋戦争における、旧日本軍の失敗の原因を組織論の観点から指摘した名著。そしてその失敗の原因はしっかりと反省されないままに、現代の日本企業においても繰り返されていく。いつまで日本は反省なきままに同じ過ちを繰り返すのかと考えさせられる本。
・岡崎久彦著外交官とその時代シリーズ
著者の外交官としてのコメント部分をぬけばそのまま高校歴史教科書にしてもいいくらい、明治から戦後直後までをバランスよく書いている。
・重光葵著「昭和の動乱」
その名の通り昭和の動乱期の世界情勢をしっかり把握し、日本が負けたときのための施策を打っていく。この洞察力に脱帽。読後感想文は以下の通り。
http://plaza.rakuten.co.jp/yukie73/diary/200702030000/
・森本忠夫著「貧国強兵」
1930年代から日本と列強との経済力の比較をしながら、いかに日本が無謀な戦争をしたかを力説する。
・吉川英治、柴田錬三郎著「三国志」
三国志は古典中の古典なので、説明は要らないけれど、吉川英治を読めば諸葛孔明が好きになるし、柴田錬三郎を読めば関羽が好きになる。中高時代悪友たちと共にはまっていた本。
・子母沢寛著「勝海舟」
そのまま勝海舟の伝記だが、この本を小学校高学年で読んで以来、勝海舟は歴史上の人物で一番尊敬する人になった。大分後に、江藤淳著「海舟余波」も読んでますますその思いを強くした。勝海舟の幼名の麟太郎の「麟」の字をとって子供の名前にしようと思っているくらい。
安全保障・外交
・三根生久大著「安全保障ーアメリカの対日戦略」
冷徹にアメリカが日本をどのように見ているのかを軍事戦略の観点から論じている、好著。アメリカというものをしっかり理解したうえで書かれていることがよく感じられる。
・中西輝政著「アメリカ外交の魂」
アメリカの政治外交史をふまえつつ、アメリカとはいかなる国かを論じた好著。読後感想文は http://tb.plaza.rakuten.co.jp/yukie73/diary/200701140000/5139e/
小説
・柴田錬三郎著「眠狂四郎」シリーズ
中学生の頃読んで、ニヒリズムの世界にはまっていた。家族にいては困るけど、遠い親戚で眠狂四郎がいたらいいのにと思っていたくらい。
・山本周五郎著「米百俵」
小泉元首相が愛読書ということで一時期はやった頃に読んだ。自分たちが飢えていても、日本全国が飢えているので、食べられるようにするにはまず教育だ、といって皆が飢えている中、せっかく他の藩からもらった米百俵を売って学校を作ろうといって血気盛んにはやる若武者たちをたしなめるシーンが感動的。
この他、星新一のショートショート、山本周五郎の時代小説全般、松本清張の、社会への切り込み方、志賀直哉の簡潔な文体、立原正秋やサガンのデカダン、泉鏡花の幻妖さも好き。
<本の中のワンシーン>
・城山三郎著「雄気堂々」
この本自体は渋沢栄一の生涯を小説化したものだが、渋沢栄一が大蔵省にスカウトされる際に、自分がその職に求められる能力があるかどうか悩む。そのときに、スカウトした人が、明治の国づくりは皆初めてやるのだ、皆が八百万の神になったつもりでやらなきゃいけないんだ、という主旨のことを言う。この言葉で、渋沢は大蔵省に入るが、この言葉の重さ、なかなか考えさせられる。
<ことば>
・「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。おごれるもの久しからず、ただ春の夢の如し。たけき人もついには滅びぬ。偏に風の前の塵に同じ。」
いわずとしれた、平家物語の書き出し。中学生の頃これを読んだあと、感ずるところがあって即吉川英治著「新・平家物語」を読んだっけ。
・「自分にやられて嫌なことは他人にしてはいけません」
中学時代の歴史の先生の言葉。その後、この言葉に忠実たろうと生きている。
難しいけど。
・「この大理石は、彫刻(芸術作品?)になるか、石になるか」
この言葉を正確には覚えていないけれど、スタンダール著「赤と黒」のある章の冒頭に誰かの名言ということで書いてあった。要は自分がどれだけ自分を磨くかで芸術作品にもなりうるし、なんでもない人にもなりうる、という意味。人間、成長しろと解釈して日々がんばっている。。。はず。
・「人生は夢に日付をいれること」
大学時代、多分一番まともに受けていた教授(マーケティング)のことば。
でも、なかなか日付が入らないよ~。
・「ピンチになったときにどう行動するかでお前の価値が決まる」
前の会社の人から言われた言葉。前の会社ではしょっちゅうピンチだったけど、この言葉にどれだけ励まされたか分からない。
・「リアリストに答えはない」
大学院時代の安全保障学科の教授の言葉。ここのリアリストは、国際関係論でいうところのリアリストだけれど、多少は夢を見る部分がないと社会は進歩しないよ、という意味に解釈してリアリストの自分を戒める言葉にしている。
<映画>
黒澤明監督「羅生門」
芥川龍之介原作「藪の中」に「羅生門」の世界を部分的に入れた、古典的映画。この映画の好きなところは、人間の描き方。最初から最後のワンシーンまで、人間がいかにうそつきで、不誠実で、わがままで、見栄っ張りで、もういいところなんか1つもないことを、これでもかといわんばかりにさんざん描いた後に、最後のシーンで裸の捨て子の赤ちゃんを貧しい男が損得抜きで引き取る。これで、人間も捨てたものじゃないよね、とやさしさを描いている。
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