雪月花

まごつく





私の男と寝たことのある
女のいる場所を通り過ぎる

肋骨の奥がぐりぐりと嫌な感じだ

やっと認める気になった

彼の男はどちらにも愛されていなかった
罪深いのは男では無かった

自分は 自分の蔑んでいた女と
或いは同じなのである

その方が似つかわしいのである

汚れたならば汚れた分
強くならねば元もないのである

それができないから
いつまでもまごついているのである



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