灰色猫のはいねの生活

灰色猫のはいねの生活

その10


最悪の事態だけは来ないようにと心の中で願いながら、由記ちゃんはお姉さんの付き添いを一生懸命やりました。
6才年上のお姉ちゃんは、農業で忙しいお母さんに代わって、由記ちゃんの面倒をよく見てくれました。
時々叱られたけれど、由記ちゃんにとっては、頼りになるちょっと小さいお母さんだったのです。
白くてきれいなウエディングドレス姿のお姉ちゃんが、うれしくて、ちょっぴり寂しくて。
それと同じ気持ちで、おじいちゃんとみつのことを想います。
一言も、口に出して言ってはいけないけれど。
結婚式が終わって、披露宴も終わってほっとした時、なぜか由記ちゃんは大介くんのことを思い浮かべました。


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