“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2013.07.29
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 ただ今、とある有名ホテルの総料理長と一緒に仕事をしています。


「この料理のおいしさの落としどころはなんだとう?」

 本日、試食のために、厚切りのもち豚のカツレツを注文しました。

 おもむろに“厚切りのもち豚のカツレツ 店主風”がご飯と一緒に提供されました。
ソースは酸味のきいたオリーブのソースです。
料理としてはとてもおいしいんですが、これがご飯には合わないのです。

 もちろん、このメニュー、開店前に一口試食しています。
とんかつソースをつけたほうがいいとか、デミグラスソースをつけたほうがいいとかいろいろありましたが、料理長が納得することはなく、今日、こんな感じに提供されるわけです。


肉の味わいがあります。
感動的でないにせよ、そこそこうまいです。
そこに上品なデミグラスソースをかけます。

 しかし、このデミグラスソースもご飯とは合いません。
ワインと一緒に飲む、単品のハンバーグ仕様なのです。

 食事需要のお客様は、ご飯のおかずとして料理を食べます。
したがって、おいしさの落としどころはご飯のおかずであるべきです。
そのためにはタレが重要。
少なくともご飯と一緒に提供するならば、彼のウルフギャングで出るタレが必要です。

 第三春美鮨で、都内の若手の飲食店の店主と臨席しました。
長山さんはこう切り出しました。

若い店主は「柔らかいです」と返しました。
「ところでおたくはこの季節の蛤のおしさをどこに据えているか?」
若いオーナーは「・・」
「俺はこの季節は卵のおいしさを落としどころにしている。
だから火を入れ過ぎない」


 客層、利用シーンで、求めるおいしさは違います。
また、料理人と大衆ではおいしさの求める部分が違います。
もし、おいしさにギャップがある場合は、一度、目線を下げて、時間をかけておいしさの多様性をつけないといけないのです。

 「おいしければわかってもらえる」というのは、幻想です。
ターゲットの求めるおいしさの一枚上を行き、信頼を勝ち取り、おいしさという価値観の多様性をつけていかねば、せっかく良い料理を作っても、評価されずに終わります。

 私は料理人によく言います。
「飲食店を成功させたければ、味のわかる人はいないという前提ですすめてください」
 味のわかるお客様はごく少数です。
マーケットは小さいです。
味のわからないお客様を大切にして、長い時間をかけ、わかるお客様にする。
これが飲食業の醍醐味ではないでしょうか。





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Last updated  2013.07.31 01:06:48


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