運命－ｻﾀﾞﾒ－
どうして私は生きられないの？
誰か教えて下さい――――
――――運命 真菜目線
「・・・・ッ真菜・・」
亮が泣いてる。
真っ白なベットで寝ている私の手を握って。
私は視点の定まらない瞳で、亮を見つめた。
見つめることしか 出来なかった。
彼の涙を止めることは出来なかった。
――――１年前。
「北沢・・・俺、北沢の事が好きだったんだ」
桜が舞う３月の廊下。
始まりは君の一言。
ずっと好きだった人に告白された。
名前は如月亮太。クラスの中でも目立つ人だった。
私はいつも一人だった地味な奴。
何で私なのか、と聞き返しそうになった。
戸惑いながらも私達は付き合うことになった。
最初は、普通に話したり、帰り道に手を繋いだり。
ほんの些細な事だったけど、凄く凄く幸せだった。
世界に私と亮しか居ないくらい、幸せだった。
だけど、幸せなんて続かないんだ
あっという間に 過ぎていくんだ
―――ある日からずっと、喉に痛みを感じるようになった。
ここの所気温が不安定だったから、
多分風邪何じゃないか、何て思いそのまま放って置く事にした。
だけど、今思えば、それがすべての元凶だったんじゃないかな。
「・・・・・いった・・」
突然だった。
今までの比じゃない様な喉の痛み。
流石にこれじゃあ病院に行かない訳にも行かない。
私は痛みを堪え、病院へと足を運んだ。
「・・大変申し上げにくいのですが・・・・・・癌、です。」
医師の口から突然出た言葉。
え？・・・癌？？
「しかも・・既に彼方此方に転移していて、手の尽くしようが在りません・・・」
は？ テンイ？
意味が・・分からない。
この人は何の話をしているの？
「多分・・これは憶測ですが、もって後半年でしょう・・」
――――頭の中が 真っ白になって行く。
半年 転移 癌
よくワカラナイ言葉が、頭の中を廻る。
って事は・・・・・私は―――――
後 半年しか生きられないと言う事なのですか？
そんな真実が襲い掛かって来てるのに、不思議と何も感じなかった。
涙さえも 出なかった。
「・・・嘘、だろ？」
亮に話すと、亮はその場で座り込み、私をそっと抱き締める。
「・・・・・何処にも・・行くなよ・・!!!」
必死だった。亮は。
抱き締める腕の力が、更に強まる。
・・・あぁ、私の『ビョウキ』は・・・そう言う・・事で。
「・・・ごめん・・・・」
ようやく頭が理解していく。
苦しい。
悲しい。
ハナレタクナイ。
人間はとても無力だ。
こうしてる間。今日、誰かが亡くなったかも知れない。
一人 また救われずに堕ちて行く小さな命があるかも知れない。
私はただ、「ごめん」と彼に謝り続けることしか出来なかった。
無力だった。
目の前には、必死に涙を堪えている亮が居る。
私はあれからベットに寝たきりで、何処にもいけない。
薬の副作用か、髪の毛も抜けた。恥ずかしい。
そんな私でも、亮は毎日お見舞いに来てくれた。
どうして亮は、私を選んでくれたのかな。
こんな病気をもった私何か。
もっと可愛くて綺麗な子だって沢山居るのに。
・・・どうして、なのかな―――・・・・・
その時、急に睡魔が襲いかかって来た。
―――ココハドコ？
真っ白な世界。
私はふらふらと彷徨っている。
少し歩くと、亮が見えた。
亮は、病院の・・私がいつも寝ているベットに縋り付いて・・泣いてた。
どうして？私は此処に居るよ
私は亮のもとへ歩こうとするけど、足が進まない。
どんどん、亮だけが離れていく。
『・・・・・待ってぇ・・ッ!!亮っやだよ!!!!!』
私の声は 彼に届かなかった。
目が覚めた。
額には、尋常じゃない程の汗を掻いている。
「・・・りょ・・う・・？」
私は彼の名前を呼ぶ。
自分の声は、驚くほど弱々しかった。
時計を見ると、針は既に８時を指していた。
・・・・帰っちゃったのか。
寝てしまった自分を悔みながら、
私は目を瞑った。
亮と会うのは 今日で最後だった。
ずっと離れたくない
出掛けたい場所もある。
夢だってあるし、見たいテレビもある。
亮ともまだ、恋人っぽい事は全然して無い。
まだ出会って１年も経ってないのになぁ
まだ全然亮の事知らないんだよね。私。
だけどこれだけは言えるよ。
私は、亮の事が大好きです。
亮と出会えたのは、偶然？必然？
・・・ううん。そんなものじゃない。
きっと―――――運命。
何億人も居るこの広い世界で、
君を出会えたのは、ヒトカケラの奇跡でした。
END
＋あとがき＋
ここでは初の恋愛モノ？
・・まぁ分からないんでその辺は置いて行きます（待て
最後の方？当たり前だけど適当です。（オイ
でも、結構真面目に書いた方ですよー
言わなくても分かるだろうけど、僕は医療関係は分かりません。（しれっと
じゃ、亮太目線の「奇跡」へと続きまーす
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