波と戯れるように  風に揺れるように

波と戯れるように 風に揺れるように

2006年01月22日
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テーマ: 寂寞の中で(1008)


おみくじを特別に信用するわけでもなく、神社仏閣へ行った時に

ほんの遊び心でひきその内容にその時だけ楽しむ程度のものだった。

お正月に大凶をひいた時にはその年は一年ついていなかったので

そのときばかりは当たるものだと思ったくらいだった。


友人との他愛の無いお喋りでつい時間の経つのも忘れ、

気が付いた時は午前1時をまわっていた。

慌てて友人宅を出て国道を東へ向けて自宅へ帰る途中のこと。


500m先で道路工事をやっていた。



まさか 警備員が立っているとは思わなかった。

100m手前で気付き慌ててブレーキを踏んだ。

ほっとしたのも束の間で次の瞬間、鋭いブレーキ音と共に

激しい衝撃が体中を走った。

追突をされたのだ。

前の警備員を巻き込まないようにブレーキを思い切り踏み、

両手でハンドルを渾身の力を込めて握り締めた。


ことの大きさに気が付いたのは車から降りて後ろに回った時だ、

バンパーが潰れて落ち、ウインカーやらテールランプが飛び散っていた。

追突した車もボンネットがへしゃげ走行出来ないのではと思うほどだった。


相手はなんとあの時別れた友人だった。



追いかけたのだと言う。

確かにおみくじは当たっていた。


事故処理を済ませ、家路に帰り着いてからその日は疲れてしまって

布団に潜り込んで翌日の夕方までぐっすりと眠り込んでしまった。

夕食をとる前にあのおみくじのお菓子を食べてみた。



何のことだ。

夕食を食べている時に変な頭痛がした。

いや あの事故からなんとなく続いている頭痛だ。


額の少し下あたりでプチっと何かがはぜる感じがした。

生温かいものが鼻からつぅっとしたたり落ちた。



慌てて手をあてると鼻血が一筋流れ落ちた。

今までに無い経験だった。

鼻血なんて、一体どうしたことなんだ。

もしかしたらあのおみくじ。


何とも無いと思っていたが事故のために頭の中の血管が

切れたのかもしれない。


夕食に食べたいと思っていたテイクアウトだけど

なぜか妙に美味しいお寿司を食べて正解だったかもしれない。

このまま食べずに逝ってしまったらどんなに悔やんだか。


しかし、気持ちが悪いので総合病院へ救急でかかった。

事故が原因では無いと医者は言ったがふに落ちない。

家に帰り着き またあのお菓子を食べてみた。

「今夜の夢の通り」

今から寝ようと思う

一体 どんな夢を見るのだろうか。

明日 このショートショートに私の投稿が無ければ

その夢は・・・。





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最終更新日  2006年04月01日 22時32分29秒
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