波と戯れるように  風に揺れるように

波と戯れるように 風に揺れるように

2013年07月11日
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テーマ: 寂寞の中で(1008)


指定されたホテルのラウンジへ行くと、既に彰子が窓際の席に座り中庭を眺めている姿があった。
何時ものようにお嬢様風のワンピースに縦ロールの長い髪を揺らし、
私を見つけると嬉しそうに

「ここ ここよ」

と可愛らしく手を振った。
目の前のコーラフロートのアイスを突きながら

「貴女も何かお願いして」

私は迷わず

「アイスティを」
とフロアの店員に頼むと

「え? アイスティ?」

彰子は目を大きく開けて私を睨むように見た。
どうしたんだろう?私何かいけない飲み物を頼んだのかな?って思う間もなく

「どうしてアイスティなの? 玲人の事が好きになったから? 
玲人のマンションに行ったわよね」

は? 

「あの 私はアイスティが好きなんですけど、自分でも部屋で作って飲みますから」

「ふーーん あっそ。玲人ねアイスティが好きなの、
でも、私は嫌いだから私の前では絶対に飲まないの。
玲人は私の言う事は何でも聞いてくれるの」

少し舌足らずのような言い方で甘え口調の彰子は玲人は自分の僕とでも言うように上から目線で話した。

「麻由美さんが玲人の事を好きになっても駄目よ」

いえ、私はそのような事はと言いかけたら

「麻由美さんって素直なのね、顔に出ているわよ、玲人の事が気にかかるって。
そうよね、玲人は身長は高いし、スタイルはいいし、顔だってね。
玲人のマンションに行ったでしょ、名簿を取りに」

「はい」

「あの通りお金持ちだし、何でも女の子が欲しい物は何でも持っているもの。
でもね、玲人が優しくするのは私だけ、どうしてか分かる?」

「いえ」

「うふふ、玲人から聞かなかったの?そう、まあ 他人に言えた話じゃないかも。
玲人はね人を殺したのよ、
殺人者なの」

私の頭は殴られたような衝撃が走り、彰子が勝ち誇ったように笑う姿を何も言えず呆然と見ていた。





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最終更新日  2013年07月11日 12時35分57秒
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