ｚｏｏｍ－ｌｅｎｓ

私小説～心優しきスナイパー～

　ある国のある地区に、有名なスナイパー（狙撃者）がいた
このスナイパーは、依頼されたことを必ず実行する。

　彼は、今日もいつもの場所で、いつも通り依頼人を待っていた
数分後・・・依頼主が現れる
　　スナイパー　「遅いな」
　　依頼者　　　「すみません・・・」
　　スナイパー　「・・・まぁいい・・・依頼は？」
　　依頼者　　　「この女性を始末して欲しい」
　　・・・と写真を見せる依頼者・・・

　　スナイパー　「（青ざめて）・・・」
　　依頼者　　　「どうしました？」
　　スナイパー　「イヤ・・・なんでもない　この女性で間違いないのか？」
　　依頼者　　　「ああ・・・」
　　スナイパー　「・・・よし・・・依頼を受けよう」

　実は依頼者が、始末して欲しいというターゲットは、自分の妻だったのだ。
スナイパーは、依頼を受けたあと長い時間悩んだ。
それもそのはずである・・・
そのスナイパーの彼は、ある組織に妻を誘拐されたことがあるのだが、スナ
イパーになるのを交換条件として、妻を返してもらうことを了承したのだ

　もちろんこの事は組織しか知らない
だが下手に断ると、依頼者はもちろん組織にも怪しまれると思って依頼を受けたのだった。
それに、５００件の依頼を成立させれば、スナイパーをやめてもいいことに
なっていたのだが、妻の始末という依頼が
４９９件目なのだ・・・

　「くそ！・・・何のために、これまで組織の言いなりになり、あれだけの
人々を・・・」

　そして依頼者に指定された当日・・・
妻を狙い済ますが、妻がいる部屋の窓かなにかが曇ってる為か、標的の妻が見えにくかった・・・

　その１時間後、依頼を済まし依頼主の元へ報告に行くが、依頼主は現れ
ず、報酬の金だけが置かれていた・・・

　それから数日後警察により、彼は逮捕される
妻の遺書が発見され、自分が死んだら夫が犯人と書かれていたことを、警察に伝えられる。
その遺書を獄中で読んだ彼は驚愕る・・・
・・・なんと、あの依頼主は妻の変装だったのだ・・・
夫が仕事と自分のどちらを取るか試したとも書かれていた。

「このあと、もしここから出られても、あと１件の依頼を済まさないと、スナイパーをやめる事は出来ないはだ・・・どうすれば・・・」

　獄中の彼のいた部屋から銃声が聞こえ警官がやってくる
彼は自殺したのだ・・・
彼の足元には濡れた紙があったが、彼の妻の遺書と彼の遺書
　遺書には（私は、最後の依頼を自分の始末ということにしました。　ここから出ても１件は依頼をこなさないといけないし、あの組織がすんなり私から離れるとは限りません。　・・・ならいっそ最後つまり５００件目の依頼を、済まし妻の元へと旅立ちます。　コレなら被害者は私だけです）

彼の遺書には、組織のことがすべて書いてあった為、組織は壊滅に追い込まれたのだ。

そしてその数日後
今まで彼が殺害してしまった人々の遺族のところへ大金が届くという不思議なことが続くのだった・・・

　※編集後記※
ちょっと切なさを感じてもらえるような内容になったと思ってます

　　創作年月日　　２００２年１１月２５日

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