8代将軍徳川吉宗が本阿弥家に編集を命じ、名刀の格付けを示す「享保名物帳」(享保年間発行)には、島津正宗の名があり、長さが「二尺二寸七分」と記載されている。
また、江戸幕府と朝廷の関係修復を進めた政治運動「公武合体」のため、文久2(1862)年に皇女和宮が14代将軍家茂に嫁いだときの献上品とも言われているという。
正宗は、鎌倉末期の刀工、岡崎正宗が鍛造した刀の総称で、現存品の多くは国宝や重要文化財に指定されている。京都国立博物館の末兼俊彦研究員は「切先に向けて一気呵成(いっきかせい)に書いたような躍動感のある刃紋は正宗特有。見た瞬間にその美しさが伝わってくる」と話している。
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