フィットHVのリコールは今回で5度目。同一車種で複数回にわたったことを重く受け止め、伊東孝紳社長など計13人の役員報酬の一部を自主返上することを明らかにした。エンジンの点火コイルや電源供給回路に不具合があったためで、フィットHVのリコール対象となる総台数は約16万台。
伊東社長は月額報酬の20%、池史彦会長を含むその他の役員は10%、いずれも11月から3カ月間返上する。品質問題が原因で役員報酬を返上するのは同社では初めて。同一車種でリコールを繰り返した「責任を真摯(しんし)に受け止める」(ホンダ)としている。
フィットHVのリコールをめぐっては、昨年10月と12月、今年2月、7月にも実施した。3度目までのリコールは自動変速機の制御プログラムの不具合が原因で、4度目はエンジン制御コンピューターのプログラムの不具合だった。
不具合の部位は5回ともすべて同じではないが、不具合の発生原因については、モーターとエンジンを組み合わせて制御するシステムの開発過程でさまざまな使い方を想定した検証が不十分だったと分析。「課題を洗い出し、(その課題を1つずつ)つぶしていく作業が足りなかった」(広報担当者)と説明した。
今後は研究所での開発過程での品質保証体制や、生産・品質・カスタマーサービス各部門の連携によるチェック体制を強化するなどの対策を取る方針を示した。
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