NASAの太陽研究者たちは、10月17日に太陽の東端の表面に活動領域(AR)2192と呼ばれる巨大な黒点群が出現したのを確認。それがやがて途方もない大きさになることは、その時点でわかっていた。太陽の自転に伴い、黒点群はここ数日で次第に姿を現し、今では木星ほどの大きさ(直径約14万キロ)になっている。
今回の黒点は、2008年1月に始まった現在の太陽周期で観察されたなかで最大のものだ。
目を保護するためのフィルターを装着して太陽を見れば、肉眼でも観察できる大きさだ。望遠レンズを使って、表面に黒い染みのある太陽が沈む様子も撮影されている。
NASAの太陽観測衛星ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー(SDO)では、巨大黒点の動きを継続的に追跡。これまでにCクラス(小規模)の太陽フレアを27回、Mクラス(中規模)を8回、Xクラス(最大規模)を2回観測している。
現在までのところ大規模な太陽嵐は起きていないものの、今後Xクラスのフレアが発生すれば、コロナガスと呼ばれる荷電粒子の巨大な雲が地球に向かって噴出される可能性があるという。
そうなれば、磁気嵐が発生し、通信システムや送電網に問題が生じることにもなりかねない。その一方で、運がよければ、この上なく美ししいオーロラが見られるかもしれない。
では、今週、巨大な太陽嵐が地球を襲う確率はどのくらいなのか?
はっきりとした確率はわからない。宇宙の天気予報はまだ始まったばかりだ。しかし大規模な太陽フレアが地球の方向を向いており、世界中の目がこの恐ろしいモンスターの動きに注がれていることだけは確かだ。
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