大手通信会社ソフトバンクの孫正義社長は28日、NHKのインタビューに応じ、インターネットが急速に普及すると見込まれるインドに、今後10年間で1兆円前後の巨額の投資を行う意欲を示しました。
ソフトバンクは28日、拡大を続けるインドのネット通販の大手や、タクシーを配車するスマートフォンのアプリを提供する会社に、合わせて8億3700万ドル(日本円で900億円余り)を出資すると発表しました。
ソフトバンクの孫正義社長は、ニューデリーでNHKのインタビューに応じ、インドで、インターネットの利用者はすでに2億5000万人に達しているものの、12億の人口を持つ国として、さらなる普及が見込まれるとの考えを示し、今後10年間でインターネット関連の有望な会社を見い出し、1兆円前後の投資を行う意欲を示しました。
そのうえで、孫社長は「インドはインターネットの普及が加速度的に伸びた中国に似ている。今後10年間はわれわれにとって最も興奮できる市場だと思う」と述べ、世界的な戦略の中でインドの重要性が高まるとの見通しを示しました。
また、27日、モディ首相とも会談した孫社長は「非常に高い支持率を国民から得て、インドを健全で安定的に成長させることができるリーダーだと感じている」と述べ、経済の立て直しを進める手腕に期待感を示しました。
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拡大するインドのネット通販市場
ソフトバンクが6億2700万ドル(日本円でおよそ677億円)の出資を決めた、インドのネット通販大手の「スナップディール」は、会社設立から4年で利用者が2500万人を超えています。
現在のインドのネット通販の市場規模は、日本円でおよそ2400億円余りですが、中間層の増加とインターネットの普及で、2020年には現在の10倍以上の3兆円を超えるという推計もあります。
このため、アメリカのネット通販大手のアマゾン・ドット・コムが去年、本格参入したほか、外国から地元のネット通販会社への巨額の出資も行われ、注目を集めています。
インドでは、ヒンズー教のお祭りや結婚式が相次ぐこの時期、一年でモノが最も売れますが、ネット通販各社が豊富な品ぞろえや割引きで消費者をひきつけ、小売店の売り上げを圧迫するようにもなっています。
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