同財団が運営する先端医療センター病院と理研発生・再生科学総合研究センター(同市中央区)は9月12日、網膜を保護する細胞が原因の難病「滲出(しんしゅつ)型加齢黄斑変性」の患者に対する臨床研究で、兵庫県内の70代女性に1例目の移植を実施。女性は同18日に退院した。
再生医療安全性確保法が11月25日に施行され、外部委託が可能となる。同法は細胞を使った治療をより早く安全に進めることを目的としており、患者に使う細胞の作製は医療機関が自ら担うか、国から製造許可を受けた企業などへの委託が必要となる。現時点で理研再生研は製造許可の申請を想定していない。
関係者によると、同財団も準備が整っていないことや効率性の観点から、自らがすぐに移植細胞を作製するのは難しいという。委託する場合でも理研再生研は引き続き研究計画全体を管理する。
これまでの臨床研究は安全性を評価するもので、細胞を医療製品として国に承認申請する際にはデータが使えない。理研再生研などはデータを使える臨床試験(治験)への変更も検討するといい、関係者は「どういう体制にすれば最も早く(医療製品としての)承認が受けられるのか、新法の施行を機に慎重に考えたい」としている。
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