優勝監督の電撃的な辞任だ。10月2日の2位・オリックスとの最終戦にサヨナラ勝ちし、優勝してから11日。09年に就任し、6年間で3度もリーグを制覇した秋山監督がユニホームを脱ぐことになった。球団は慰留を続けてきたが、本人の辞める意志は固く、複数の関係者によれば、この日までに来季続投を断念したという。
オリックスと首位争いを繰り広げていた7月に王貞治球団会長から直々に続投要請を受けたが、態度を保留していた。2年連続で優勝を逃した昨オフ、李大浩、中田らを他球団から獲得する総額30億円の大補強を行った。3年ぶりのV奪回は最低限のノルマであり、その重圧を感じていた。
しかし、優勝マジック点灯の可能性があった9月17日から1勝9敗の大失速。最終戦で勝ったとはいえ、薄氷を踏む思いの優勝だった。本拠地・ヤフオクドームで行われた同26日の楽天戦の試合前。今季限りでの勇退を表明した星野監督へ花束を渡した際にはスタンドから「おまえが辞めろ」という心ないヤジを受けた。ヤフオクドームに爆破予告が入ったことも耳にした。
先月30日、王会長から再び本拠地の監督室で続投要請を受けたが、頭を下げ、辞意を伝えた。人一倍責任感が強く、一度決めれば貫く性格。王会長でも翻意させることはできなかった。優勝会見で「半端ないプレッシャーはひしひし感じていました」と漏らしたが、優勝決定の瞬間に号泣したのはそうした背景もあった。
秋山監督は監督生活の集大成ともいえる3年ぶりの日本一奪回に向け、15日から始まるCSファイナルステージに臨む。
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