佐藤二朗×山田孝之、お互いを信頼リスペクト すてきな“共演”関係
ORICONNews 2018-05-01 12:00配信記事より引用
ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズのインパクトがありすぎたせいか、2人の名前がそろうと面白そうな予感がしてしまう、俳優の佐藤二朗と山田孝之。「キャスト表に二朗さんの名前があると『ヤッター、二朗さんがいる』って、なりますね。うれしい」と山田も言う。直近では、MBS・TBSの深夜ドラマ『やれたかも委員会』と、福田雄一監督の映画『50回目のファーストキス』(6月1日公開)でも共演している2人。お互いのことをどう思っているのだろうか。
「不器用」で「すごい」山田孝之 「やさしく」て「楽しい」佐藤二朗
佐藤は、「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役でも人気を博し、コメディーからシリアスまで、硬軟自在な表現力で、ドラマや映画に引っ張りだこ。4月期は『執事 西園寺の名推理』(テレビ東京系)にもレギュラー出演。映画は『銀魂2(仮)』(8月17日公開)も控える。そんな佐藤が一目置く役者の一人が山田だ。
「僕は孝之に対して、たくさん思っていることがある(笑)。俳優というのは、ほかの職業と違って、不器用だからこそ、いいものが生まれる、ってことがある。『やれたかも委員会』に、やって来るのは不器用な人たち。世の中にはすぐやれちゃう人がいる一方で、やれなかった上に、やれたかもしれないとグズグズ考えてしまう人もいて、後者が相談にやってくるわけなんだけど、芝居と似ているんだよね。
芝居も台本に書いてあることをパッとやれちゃう人もいるんだけど、不器用にいろいろ格闘した結果生まれてくる芝居のほうが、真に迫っていたりすることがあるんです。自分から言うのもなんですが、僕自身はわりと器用にやれちゃうほうだと思っているんです。これは自慢というより、むしろ自分の良くないところ、課題だと思っているんですけど。でも、孝之は不器用なところがあって、時間をかけ格闘する。そうして役を自分のものにしていく。だからこそ、本物になる時があって、うまく言えないけど、彼のすごいところの一つだと思っています」。
確かに山田は、『やれたかも〜』、『50回目の〜』以外にも、映画『ハード・コア』(18年公開予定)を控えるほか、実写ドラマ『聖☆おにいさん』(18年配信予定)ではプロデュースを務めるなど、新たな挑戦も話題に。また、数々の個性的なCMキャラクターで見せるコミカルな姿など、その多彩ぶりを発揮している。
そんな山田も佐藤にはひとかたならぬ信頼を寄せる。「二朗さんはご覧のとおり、やさしい。やさしさがにじみ出ている。現場では、スタートからカット、OKまでの時間も大事だけど、それ以外の待ち時間だとか、リハーサルだとかの時間の方が圧倒的に多いわけで。二朗さんが現場にいるとそれだけで楽しい。現場に二朗さんがいるか、いないか、というのはすごく大きいです」。
男女問わず、むしろ一緒にみてほしいドラマ
ドラマ『やれたかも委員会』は、WEBサイト「note」で公開され、「cakes」で連載中の同名漫画が原作。異性との「やれたかもしれない」過去のエピソードにとらわれた相談者が、「やれたかも委員会」の前で独白して果たして「やれた」のか「やれたとは言えない」のか判定を仰ぐという一話完結のストーリーで展開していく。
「やれたかも委員会」を構成するのは、「やれたかもしれない夜は人生の宝です」「すべてのモテない男性にエールを送りたい」とアツく語る、武道着姿の能島譲(佐藤)。世の男どもの甘っちょろい妄想を女性的視点で、武士のごとくズバッと一刀両断する紅一点、月綾子(白石麻衣)。帽子にサングラス姿という一見風変わりな出で立ちのオアシス(山田)の3人。
「面白い設定だし、コメディー的なことを要求されるのかと思ったら、逆でした。笑わそうというのは封印して、一切ふざけず、真面目に、相談者にしっかり寄り添って真剣に判定することだけに集中して、純粋に誠実に能島を演じようと思いました」と佐藤。
山田は「男としては、相談者全員、やれていてほしいんだけど、オアシスは中立な立場でいないといけないな、と思いました」。相談者の“やれたかもエピソード”への多角的アプローチは、3人の中ではオアシスがピカイチ。その探偵さながらの名推理は、委員会の議論の流れさえも一変させ、委員会メンバーと相談者を熱く真剣な議論へと導いていく。
山田「僕も若い頃、男同士でやれた、やれなかったの話をしたことがありました。女性同士でもそういう話、するんじゃないかな?」。佐藤「絶対していますよ。むしろ、女性のほうがそういう話をしていそうですよね」と、2人は男女問わず興味を引く題材であることに自信をのぞかせる。佐藤「男女問わず、むしろ一緒にみてほしい。複数の男女混合で見て、皆さんにも判定してもらいたいですね」。山田「いや、ホント。そうですね」と視聴を呼びかけていた。