大きな「日本髪」から小さな「束髪」アレンジへ
明治時代から新しい時代に合わせ、それまでの伝統的な日本髪から束髪という、日本髪よりも簡単に結うことができる髪型が推し進められてきましたが、まだまだ日本髪も多く結われていました。しかし、明治時代も末期のころから大正時代にかけて、社会に進出した女性のニーズにも合って、日本髪より軽く、簡単に結うことができる束髪を結う女性たちが増え、日本髪を結う女性がだんだんと減っていきました。
大正時代に登場した束髪のひとつに「女優髷」という髪型があります。女性の新しい職業として登場した帝劇の女優たちがしていたのが「女優髷」で、そ れまでの束髪には欠かせなかったボリュームを出すためのつめ物を入れず、鬢付け油も使わないスッキリとした髪型でした。見た目の華やかさはありま せんでしたが、つめ物を取ったことで一段と軽く、手入れの簡単な機能的スタイルとして紹介されました。人気の髪型とまではなりませんでしたが、当時、 決まった髪型ではなく、自分のライフスタイルに合った髪型にするという、新しい志向を女性たちに投げかけた髪型でした。
現代でこそあたりまえのようになっている、自分の意思で似合う髪型にすることが、大正時代に入ってやっと一般の女性たちの間で行われはじ めたのです。
このような意識の変化から、新しいライフスタイルに合わせた、より小さくて軽い活動的な髪型が求められていきました。その結果、大正時代中 ごろから終りにかけて、前髪を膨らましていたつめ物がだんだんと取れ、さらに小さくコンパクトな束髪にすることが主流となっていきました。
タグ: 化粧品
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