体重減少と競技パフォーマンス
ただし、これらの自転車タイムトライアルは、温和な環境条件下(気温26℃)で行われた点に注意しなければならず、2%以上の体重減少を避けることは、複数の研究においては、これを支持する結果が出ています。
水分補給と環境条件
最近の2つのフィールド研究では、トレイルランニング選手を同一の運動強度で走らせたところ、水分補給状態で走る場合に比べて走行速度が有意に遅く、心拍数が高くなりました。
最近の論説記事は、このような研究結果の不一致が生じる原因として、コントロールされた実験室研究において疲労困憊まで運動を行う場合と、「できる限り長く」ではなく「できる限り速く」運動する実際の競技イベントとでは、状況が異なることを指摘しています。
さらに、実験室研究では固定強度で運動が行われることが多いのに対し、実際の競技ではアスリートが自分のペースで運動できるという点にも注意しなければなりません。
暑熱環境下においては、水分欠乏に加えてかなりの暑熱負荷がかかることが予想されるため、自分のペースで運動できることは非常に重要になります。
ほとんどの人は、暑熱環境に対応しようと自然に運動強度を下げるため、タイムは遅くなり、パフォーマンスは低下することが多く、例として、通常より高温の環境下でのマラソンを走ったことがある人なら、レースが始まっていない段階で、今回はベストタイムを出せそうもないと早々に見通しをつけます。
引用・索引Armstrong LE,Ganio MS Casa DJ,Lee EC,McDermott BP,Klau JF,JimenezL,Le Bellego L,Chevillotte E,and Lieberman HR Mild dehydration affects mood in healthy young women,J Nutr142:382-388.2012
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