アルバム・タイトルは、1985年にグループを脱退した看板ボーカリストの David Lee Roth(デイヴィッド・リー・ロス。デイヴ・リー・ロス)が翌1986年にリリースしたソロアルバムのタイトルである"Eat 'Em and Smile(イート・エム・アンド・スマイル。「アイツらを食らって、笑ってやるぜ」)"の返答と言われています。"OU812"は、前作" 5150(読み方は'fifty-one-fifty')"でグループに加入した Sammy Hagar(サミー・ヘイガー。lead vocals, rhythm guitar)にとってヴァン・ヘイレン在籍2作目にあたります。
サミーの実力と人気はハード・ロック/ヘビー・メタル界では折り紙付きでありましたが、サミー加入前の、デイヴ在籍時最後のアルバム" 1984(表記:MCMLXXXIV)"は、全米アルバム・チャート(Billboard 200)は5週2位を記録し、あと一歩及ばなかったものの(Michael Jacksonの"Thriller"が阻んだ)、初の全米No.1シングル" Jump"の効果で結果的に一千万枚以上のセールスを記録したわけで(ダイアモンドディスク認定)、サミーにとっては、高いハードルからのスタートでした。しかもデビューから"1984"までのプロデュースをつとめた Ted Templeman(テッド・テンプスマン)はデイヴ側にまわったため、メンバー自らプロデュースを行ったほか、デビュー作からエンジニアとして制作に携わる Donn Landee(ドン・ランディー)もプロデュースを兼ね、また外部からもMick Jones(ミック・ジョーンズ。英米混合のロック・グループ、Foreignerの中心人物)を共同プロデューサーとして招くことになりました。
しかし結果として、テッド抜きでも"1984"に引けをとらない良質なロック・アルバムを完成させたのです。これが"5150"です。
"5150"では"Jump"風のキーボード中心のナンバーもあり、ポップさもしっかり受け継がれていたものの、サミー加入による Eddie Van Halen(エディ・ヴァン・ヘイレン。 lead guitar, keyboards)とのツイン・ギター編成と、デイブとは異なるサミーのシャウトするボーカルによる、純粋なハード・ロック・ナンバーも併せ持つ力作として評価を受けました。デイヴの脱退、サミーの加入による新作への大きな期待が評価を押し上げ、聴けば予想以上の新しいヴァン・ヘイレンとして、"5150"は大成功を収め、結果的にグループ初の全米アルバムチャートNo.1(Billboard200)を成し遂げるのでした。
さて、その"5150"のツアー後にメンバーは次のアルバム制作に取りかかりました。本作"OU812"です。ヴァン・ヘイレンとドン・ランディーの共同プロデュースで完成させました。陽の当たった1988年5月24日にリリースされました。
作風は前作の延長線にありますが、中には異彩を放ったナンバーもあります。これはLittle Feat(リトル・フィート。ロサンゼルスのロック・グループ)のカバーソングです。リトル・フィートによる1972年発表の2作目"Sailin' Shoes"に収録された、ブルース色の濃い" A Apolitical Blues"です。このナンバーは当時CDのみ(LPとカセット・テープ未収録)、本作最後に収録され、オリジナル同様、南部臭漂うブルース・ロックを展開しています。
カットされたシングルでは1枚目" Black and Blue"と2枚目" When It's Love"がともにメインストリーム・ロックチャート(当時のチャート名はAlbum Rock Tracks)で1位を記録しました。後者はBillboard HOT100においても5位を記録する大ヒットとなり、アルバム自体も前作に引き続いて全米No.1、隣国カナダのアルバム・チャートでも1位に輝き、黄金時代を引き続き謳歌したのです。
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