生まれ育った家は築70年くらいのたいそう古い建物だった。窓枠も勿論木枠で、隙間風が半端なかった。遊びに来た友達は部屋に入るや否やジャケットやジャンバーを見つけて逆に着込むというおかしなことになっていた。さすがに見かねた親がサッシに取り換えてくれたのだけれど、離れになっていたその部屋全体が歪んでいて本来の窓枠とサッシの間に隙間が生じて何の役にも立たなかった。喜び損をした。やはり結果をきっちりと見届けた上で喜ぶことにしたきっかけの事件の話。まあ、現在の寝床も大差ない気がしないでもないが。
どのシーンだかで父親の言った言葉「最大の作戦は、何も策略を練らないこと。そうすれば失敗もしない。」コロナのダメージの巻き返しに、あの手この手を日々考える自分に対して『もっと気楽に生きましょうね。』
というメッセージなのかもしれない。とにかく一度きりの人生。