老後2000万円問題とは
金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループがまとめた報告書に記載された内容で、多くの人が「定年後は収入が減る。それまでに2000万円は貯金しなければならない」と受けとめました。
その誤った情報が拡散されてしまいました。
ただでさえ生活が苦しい国民は、政府に「さらに2000万円貯めろというのか!?」と反発し、当時の麻生担当大臣が報告書を受け取らないと表明する騒ぎになったことをよく覚えています。
老後2000万円問題は一般論である
金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループがまとめた報告書の内容は以下になります。
長寿化する日本人。長生きすれば生活に必要なお金も増える。そのためには資産を増やさなければならないが、日本人の多くの資産は銀行預金が多く、投資をしていない。投資をしない理由は投資に関する知識がないからとのアンケートの回答が多いため、そこは改善していく必要がある。
というものでした。
試算の設定は夫65歳、妻60歳、ともに無職で年金のみで暮らす
老後2000万円問題のケース設定は、夫65歳、妻60歳、ともに無職で年金のみで暮らすです。世帯の平均支出は、月額25万円。それに対して年金は20万円。
月に5万円の赤字。それが30年間続くと2000万円不足するという理論になります。
でも、これ夫婦のどちらかが働いているだけで違ってきますよね。夫婦が両方働き月10万円稼げば、プラス5万円となり、赤字にもならない計算です。
総務省の労働力調査でも、60代以上の就業率は右肩上がりのグラフになります。年金が不足するから働かなければいけないのかもしれませんけれど。
日本人の資産構成は現金が半分以上を占めている
日本銀行による2021年第1四半期の資金循環(速報)によれば、2021年3月末時点の家計が保有する金融資産残高は1946兆円。うち現金・預金は1056兆円と全体の54.3%を占めます。
日本人の金融資産構成は、現金・預金の54.3%と保険19.4%をあわせると、金融資産の73.7%になります。ここに不動産は含まれていません。
日本人の典型的資産構成は、現金・預金、保険、マイホーム(不動産)といえるでしょう。
令和3年の総務省統計局・家計調査報告によると、3000万円のマイホームを保有していると資産の6〜7割を不動産が占めている計算になります。
対してアメリカの個人金融資産は1ドル110円で計算すると8987兆円で、日本の4〜5倍です。その中身も預金、保険、年金は43%で、株式・債権・投資信託が54%となっています。日本人の金融資産構成は、現金・預金の54.3%と保険19.4%をあわせると、金融資産の73.7%と比べると対照的ですね。
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貯蓄から投資へ
日本人が貯蓄好きなのはわかってもらえましたか。これからは投資も必要になる時代です。もちろん投資とは、有望と思える投資先に、ある程度長期的に資金を投じていくこと。
大きな利益を得るためにリスクの高い丁半博打のような取引をする投機とは違います。
そもそも銀行や保険会社は国民からお金をあずかって国債を中心に、株式や投資信託でも運用をしています。言いかえれば、日本人は金融機関を通して間接的に株や債券を買っています。
ならば自分で毎月コツコツと積立投資をしていきませんか。
わたしのおススメの一冊は、シニア・プライベートバンカー 濱島 成士郎さんの 老後の不安がなくなる50歳からのお金の増やし方 です。
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