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2015年07月02日

医薬品の効き目や安全性に影響を与える要因 (1)相互作用

まとめ
・複数の医薬品をいっしょに使った場合にその働きが強く出たり、弱くなったりすることを相互作用という。

・医薬品の多くは、小腸で吸収され、肝臓などで代謝を受け、全身に分布して、最終的には腎臓から排泄される。この薬物動態の各段階で相互作用を起すこともあれば、薬が作用する部分で相互作用を起すこともある。

・酒類(アルコール)をよく摂取する者は、代謝機能が高まっていることが多く、アセトアミノフェンなどでは、通常よりも代謝されやすくなることがある。

・カフェインやビタミンAのように、食品中に医薬品の成分と同じ物質が存在するために、それらを含む医薬品と食品を一緒に摂ると過剰摂取となるものもある。



【南関東27−008】
a.酒類(アルコール)をよく摂取する者は、代謝機能が高まっていることが多く、アセトアミノフェンなどでは、通常よりも代謝されやすくなることがある。

b.カフェインやビタミンAのように、食品中に医薬品の成分と同じ物質が存在するために、それらを含む医薬品と食品を一緒に摂ると過剰摂取となるものもある。

c.外用薬や注射薬であっても、食品の摂取によって医薬品の作用や代謝に影響を受ける可能性がある。


a ○ 「アルコールを分解するのに肝臓を酷使するんだから、逆じゃないの?」って思うかもしれませんが、アルコールにより代謝は高まります。
b ○ コーヒーには案外カフェインが大量に含まれています。
c ○ 血液循環に薬が入れば一緒です。外用でも毛細血管からゆっくり吸収されます。


【大阪26ー006】
a.医薬品の相互作用は、代謝や分布等の過程で起こるものであり、医薬品が薬理作用をもたらす部位では起こらない。

b.酒類(アルコール)をよく摂取する者では、一般的に肝臓の代謝機能が高まっていることが多く、体内から医薬品が速く消失して十分な薬効が得られなくなることがある。

c.外用薬であっても、食品によって医薬品の作用や代謝に影響を受ける可能性がある。

【解答】
a × 受容体など薬理作用をもたらす部分でも起こりうる。(薬力学的相互作用)
b ○ アセトアミノフェンとアルコールの相互作用
c × ある種の食品を摂取するとかぶれやすくなる、など。


【四国26−008】
a 医薬品の相互作用は、薬理作用をもたらす部位においてのみ起こるとされている。

b 複数の疾病を有する人は、疾病ごとにそれぞれ別の医薬品を使用する場合が多いため、医薬品同士の相互作用に特に注意が必要である。

c 複数の医薬品を併用した場合、医薬品の作用が減弱することはあるが、増強することはない。

d 一般用医薬品のかぜ薬、解熱鎮痛薬、鎮静薬、アレルギー用薬等では、成分や作用が重複することが多く、他の医薬品と併用する場合、副作用や相互作用を減らす観点から、緩和を図りたい症状が明確な場合は、症状にあった成分のみが配合された医薬品を選択することが望ましい。

【解説】
a × 作用をもたらす部位に達するまで(薬物動態)においても相互作用は起こる。 
b ○ 
c × 
d ○


【四国26−009】
a 外用薬や注射薬の作用や代謝は、食品による影響を受けることがない。

b カフェインやビタミンAは、食品中に医薬品の成分と同じ物質が存在するため、それらを含む医薬品と食品を一緒に服用すると過剰摂取となるものもある。

c 炭酸水素ナトリウムなどの制酸成分を主体とする胃腸薬は、炭酸飲料で服用するとその効果が増大する。

d ビサコジルの腸溶製剤服用時は、胃内で溶け出すおそれがあるため、服用前後1時間以内は牛乳の摂取を避けることとされている。

【解説】
a × 
b ○ 
c × 胃酸を抑えるための制酸作用が、炭酸飲料のほうで使われてしまう。
d ○ 腸溶性製剤は酸性で溶けずアルカリ性で溶けるようにできている。牛乳で胃内がアルカリ性になるため、胃で溶けてしまう。


【四国26−010】
語句選択問題

アルコールは、主として肝臓で代謝されるため、アルコールをよく摂取する者では、その代謝機能が( a )ことが多い。
そのため、アセトアミノフェンは、通常よりも代謝( b )なり、( c )ことがある。

( a )の選択肢:高まっている 低下している
( b )の選択肢:されやすく されにくく
( c )の選択肢:作用が強く出すぎる 十分な薬効が得られなくなる

【解説】
a 高まっている 
b されやすく
c 十分な薬効が得られなくなる
d ○
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