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2020年08月11日

【レンダリング性能に不満なし!】AMD社「Ryzen 9 3900XT」をレビュー

IMG_7192.jpg
今回ご紹介するのは2020年7月23日に発売されたAMD社「Ryzen 9 3900XT=以下3900XT」です。

本来なら「3900XT」の発売日は「7月7日」でしたが数回、発売延期を繰り返し、ようやく7月23日に無事、発売されました。

「Ryzen 9 3900XT」のほか「Ryzen 7 3800XT」「「Ryzen 5 3600XT」が同日、発売されました。

それでは「Ryzen 9 3900XT」をレビューをしたいと思います。 

「3900XT」は「Ryzen 9 3900X」のアップグレード版


「3900XT」は去年(2019年)の7月7日に発売された「Ryzen 9 3900X」のマイナーアップグレード版です。

「3900XT」もプロセス「7nm」です。

プロセス「7nm」と聞いてピンとこないと思いますので簡単にイラストを描きました。
IMG_8542.JPG
プロセスとは半導体の回路線幅を指します。

プロセスが微細化するメリットとは・・・

?より高性能なプロセッサーを製造できる

?パフォーマンス向上(処理性能が上がります)

?消費電力や低発熱(ワットパフォーマンス)の省エネ化

?製造コストの低下(小さなサイズでチップがたくさん載せられる)

の以上が期待できます。

さらに「PCIe4.0」にも対応しています。

「PCIe3.0」と比較して2倍の帯域幅を実現します。

CPU Ryzen 9 3900XT Ryzen 9 3900X core i9 10900K core i9 9900K Ryzen 7 3800X
コア数
12 12 10 8 8
スレッド数
24 24 20 16 16
ベースクロック
3.8 GHz 3.8 GHz 3.7 GHz 3.6GHz 3.9GHz
ブーストクロック
4.7 GHZ 4.6 GHZ 5.2 GHz 5.0Ghz 4.5GHz
L3 cache
64MB 64MB 20MB 16MB 32MB
対応メモリ
DDR-3200 DDR-3200 DDR-2993 DDR-2666 DDR4-3200
TDP
105W 105W 125W 95W 105W


「3900XT」と「3900X」の違いをひと言で言えば「3900X」の基本構成はそのままで「ブーストクロック」が強化された点です。

開封の儀


IMG_7058.jpg
IMG_7078.jpg
IMG_7092.jpg
IMG_7107.jpg

外観


IMG_7114.1.jpg
IMG_7136.1.jpg

「Ryzen 9 3900XT」のスコア検証


【CPU】AMD社「Ryzen 9 3900XT」
【マザーボード】ROG CROSSHAIR VIII IMPACT
【メモリ】キングストン社「HyperX Predator RGB 4000MHz 8×2/16GB」
【GPU】「ROG-STRIX-RTX2080TI-O11G-GAMING」

3900XT-2080Ti-構成.png
今回「Ryzen 9 3900XT」からレンダリングソフト「blender(BMW V2.83)」を追加しました。

「BMW」を生成するのに、どのくらい時間で描き終えるのか時間を計ります。

blender(BMW V2.83)は数字(秒単位)が少ないほど速い(良い)ということになります。

blender(BMW V2.83)ー「CPU」
blender-bmw.1.jpg
3900XT-2080Ti-BMW2.83.png
圧倒的に「Core i9-10900K」より速いです!

「12コア/24スレッド」の底力を魅せてくれました!

「コア数」が多い方がレンダリング性能が優れる結果となりました。

Cinebench R20ー「CPU」
CinebenchR20.jpg
「CPU別」
3900XT-2080Ti-CINE-R20.png
「Cinebench R20」でも「Core i9-10900K」より大きくスコアを上げました。

スコア差はなんと「1000」も開いています!

Cinebench R15ー「CPU」
cinebenchR15.sc.png
「CPU別」
3900XT-2080Ti-CINE-R15.定格-OC.png
3900XT-2080Ti-CINE-R15.png

3D MARK
3D.MARK.ロゴ.png
GPU別スコア
3900XT-2080Ti-3D-MARK.png
「3D MARK」では「Ryzen 9 3900XT」が圧勝しました。

「シングルスレッド」は「Intel」に比べて低いですが「マルチスレッド」なら全体の「20%」ほど上回る結果となりました。


「ファークライ5」−「デフォルト設定」
ファークライ5.タイトル.png
「平均フレームレート」
3900XT-2080Ti-ファークライ5.png
「フルHD」では「Intel」に大きく負けてます。

「FHD」「WQHD」など「高フレームレート」は期待できないスコアになりました。

ゴーストリコン・ブレイクポイント−「デフォルト設定」
ゴーストリコン・ブレイクポイント・タイトル.png
「平均フレームレート」
3900XT-2080Ti-ブレイクポイント.png
「ゴーストリコン・ブレイクポイント」でも「Intel」に比べ一歩、遅れてしまっている。

ディビジョン2−「デフォルト設定」
ディビジョン2.3.png
「平均フレームレート」
3900XT-2080Ti-ディビジョン2.png
「3800X」とほぼ同じスコアになりました。

SHADOW OF THE TOMB RADER−「デフォルト設定」
shadow title.jpg
「平均フレームレート」
3900XT-2080Ti-シャドウ.1.png
「フルHD」はイマイチですが「WQHD」以上の高解像度ほどフレームレートが安定しています。

RISE OF THE TOMB RADER−「デフォルト設定」
tomb rader sc.png
「平均フレームレート」
3900XT-2080Ti-ライズ.png
「3800X」より「25%」ほどスコアを上げました。

デウスエクス マンカインド・ディバイデッド−「デフォルト設定」
deus sc.png
「平均フレームレート」
3900XT-2080Ti-DEUS.png
「3900XT」も「3800X」も「フルHD」」で大負けしています。

「デウスエクス」はAMDベースのゲーム制作ですが「CPU」の恩恵は反映されておらず残念です。

strange brigade−「スケール150%」
StrangeBrigade.ロゴ.jpg
「平均フレームレート」
3900XT-2080Ti-ST.png
「strange brigade」は全勝する結果となりました。

比較的、高フレームレート化しやすいゲームなのでカクツキは全く起きず非常に安定したプレイが楽しめました。

ゴーストリコン ワイルドランズ−「デフォルト設定」
ゴーストリコン ワイルドランズ.1.png
「平均フレームレート」
3900XT-2080Ti-ワイルドランズ.png
「3800X」より「10%」ほどスコアを上げました。

「ワイルドランズ」は非常に重いゲームなので「Intel」とは、さほど変わらないスコアとなりました。

以上、スコアでした。

使ってみた感想


「blender」の測定時は室温(26℃)です。

3900XT-2080Ti-構成(CPU温度).png
ASUS社「ROG RYUJIN 240」の恩恵を受けたせいか最高温度が「80.3℃」で収まりました。


爆熱と言われてましたが思ったより温度が低くて、とても扱いやすそうです。

ゲーム性能は「3800X」と比べて少々、カクツキが抑えられている気がします。

ただ「フルHD」など高フレームレートを狙うのは、あまり向いていない気がします。

「4K画質」など高解像度なら、かなり快適に遊べます。

レンダリング性能は「Intel」では寄せ付けない性能を持っています。

レンダリング性能に特化したスペックを持っているので是非、「クリエイター向け」に強くオススメしたいです。

良かったところ


?簡易水冷CPUクーラーを用いれば「80℃」くらいに収まりそうです。

爆熱と言われてましたが思ったより温度が上がりにくくて動作も非常に安定してます。

?7月7日から10月3日までに第3世代Ryzenシリーズを購入するとゲームがもらえるキャンペーンの対象になっています!

ゲームタイトルは「アサシン クリード ヴァルハラ」です!

「ゲームがもらえるキャンペーン」はこちら

アサシン クリード ヴァルハラ.1.jpg
ゲームが貰える対象CPUは以下の通りです。



?ARyzen 7 「3700X」「3800X」「3800XT」

Ryzen 5の「3600X」「3600XT」は対象外なので注意してください。

?メモリは定格で「3200MHz」に対応しています。

試しに「4000MHz」で試したら5〜6%くらいスコアが上がりました。

是非、試してみてください。

?レンダリング性能やエンコードなどに特化しており非常にスピーディーかつ快適に効率良く作業を行えるので「クリエイター向け」の方に強くオススメしたいです。

残念な点、注意する点


?ゲーム性能は「Intel」に及ばないです。

ゲームによっては「Intel」では起きなかったカクツキが発生します。

?「フルHD」など「高フレームレート」は狙えないです。

「4K画質」なら問題ありません。

総評


「Ryzen 9 3900XT」は「Core i9-10900K」を寄せ付けないくらい圧倒的なスピードとパワーで圧勝するハイスペックCPUでした。

しかしゲーム性能はパッとしないスコアの連続でした。

過去を振り返れば第2世代Ryzenと比べれると飛躍的に進化を遂げてゲーム性能まで「Intel」と戦えるまでに強くなりました。

第4世代「Ryzen4000」を控えるAMDはゲーム性能の冠を奪えるのか、楽しみになってきます。

ジワリジワリと迫るAMD Ryzenシリーズの進化はとどまることを知らない!

レンダリング性能とゲーム性能の2冠を奪える日が来るのは、そう遠くない!


お目通し戴き、ありがとうございました。

AD: N.K



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お時間があれば、こちらも目を通して戴けると幸いでございます








PCI Express 帯域幅 ?16
Gen2 8 GB/S
Gen3 15.75 GB/S
Gen4 31.51 GB/S

「3900XT」のスペックを見てみます。

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